2月16日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
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柴犬ハルがお伝えします

寒天の日。
日本一の角寒天の産地、長野県の茅野商工会議所(所在地は、長野県茅野市塚原)と、長野県茅野市宮川に所在する協同組合、長野県寒天水産加工業協同組合が、2006(平成18)年に制定した日。日付は、2005(平成17)年のこの日、日本放送協会(NHK)総合テレビジョンの生活情報番組『ためしてガッテン』で、寒天が健康食品として紹介され、その後の大ブームに繋がったことと、天然製造の寒天は、この時期に大詰めとなること等から決められたもの。寒天は、テングサ(天草)、オゴノリ等の紅藻(赤っぽさが特徴の藻)類の粘液質を凍結・乾燥したものである。乾燥寒天を冷水に浸し、沸騰させて炭水化物鎖を溶かし、他の物質を加えて漉し、38℃以下に冷ますことによって固める。寒天はゼラチン(動物の皮膚や骨、腱等の結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したもの)よりも低い、1%以下の濃度でもゲル化(液体の流動性が無くなること)が起こる。一度固まった寒天ゲルは、85℃以上にならないと溶けないため、温度変化に強く、口の中でとろけることがない。江戸時代前期の1685(貞享2)年、山城国紀伊郡伏見町(現在の京都府京都市伏見区)において旅館『美濃屋』の主人、美濃太郎左衛門が、戸外に捨てたトコロテンが凍結し、日中は融け、日を経た乾物を発見した。これでトコロテンを作ったところ、前よりも美しく海藻臭さが無いものができた。これを黄檗山萬福寺(現在の京都府宇治市五ヶ庄三番割にある、黄檗宗大本山の寺院)を開創した隠元禅師に試食してもらったところ、精進料理の食材として活用できると奨励された。同時に名前を尋ねられたが、まだ決めていなかったためその旨伝えると、隠元禅師は「寒空」や「冬の空」を意味する漢語の寒天に寒晒心太(かんざらしところてん)の意味を込めて、寒天と命名したという。その後、摂津国島上郡原村字城山(現在の大阪府高槻市に所在)の宮田半兵衛という人物が、製法を改良し寒天製造を広める。1798(寛政10)年には、寒暖差の大きい摂津国島上郡・島下郡・能勢郡(現在の大阪府北部に相当)の18ヶ村による北摂三郡寒天株仲間が結成されており、農閑期の余業として寒天製造が行なわれた。さらに、江戸時代後期の天保年間(1830年から1843年)に信州の行商人、小林粂左衛門が諏訪地方の農家の副業として寒天作りを広め、角寒天として定着した。1881(明治14)年、「近代細菌学の開祖」とされるドイツの細菌学者、ロベルト・コッホが寒天培地による細菌培養法を開発したため、寒天の国際的需要が増えた。このため、第二次世界大戦前は寒天が日本の重要な輸出品であったが、第二次世界大戦中は、戦略的意味合いから輸出を禁止した。寒天の供給を絶たれた諸外国は、自力による寒天製造を試み、自然に頼らない工業的な寒天製造法を開発した。こうして作られたのが粉末寒天である。第二次世界大戦後には、日本でも工業的な製造法の研究が始まり、1970(昭和45)年頃には製造会社が35社にまで達した。しかし、2004(平成16)年には5社程度にまで激減している。諸外国では、モロッコ、ポルトガル、スペイン、チリ、アルゼンチンで寒天が製造されている。寒天は、殆どは食物繊維(アガロースやアガロペクチン等の多糖類)からできており、ヒトの消化酵素のみでは分解されない。但し、幾らかは、胃酸により分解して、糖類の一種であるアガロオリゴ糖となり吸収され、生理的な作用を持つことが近年研究されている。また、寒天の凝固作用は多糖類に由来する。このため、パイナップルやキウイフルーツ等の果物に含まれるプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)によって凝固が阻害されず、このことから、ゼラチン(たんぱく質)では凝固できない、これらの食材の擬似ゼリーとして利用されている。食品としての用途には、菓子の材料がある他、殆どカロリーがないこと、腸において油や糖分の吸収を妨げることから、ダイエット食品として、また、アガロオリゴ糖に着目した健康食品としても注目されている。立方体状に裁断してあんみつの中に入れる他、牛乳に粉末寒天を添加し、固形にした加工食品(食品)は牛乳寒、或いは牛乳羹と呼ばれる。これは、中華料理の杏仁豆腐(中国発祥のデザートで、喘息[発作性に、呼吸困難、喘鳴、咳等の呼吸器症状をきたす症候群]等の治療薬であるアンズ類の種の中の「仁[じん]」、杏仁[きょうにん]を粉末にしたもの[杏仁霜]を、苦味を消すために甘くし、服用し易くしたものであり、果物を混ぜ込んで、フルーツポンチ風に華やかにしたものも多い)に好んで利用される。米飯に寒天を添加して摂取したところ、米飯のみと比較して食後の最大血糖値が低下し、GI値(食品毎の血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値)も減少が認められたという。寒天は、様々な水溶性の物質を閉じ込めることで固体のように扱える利点があり、多くの場面で利用される。培養液に寒天を加えることで、液体培地を固形培地にすることができ、植物の組織培養や微生物培養の際、培地の固形化に用いられている。寒天で固めた培地は寒天培地と呼ばれ、殆ど培地の代名詞のような存在である。他に、ドイツの動物学者ヴァルタ―・フォークトは、イモリの卵の細部に染色するために、色素液を寒天で固め、それをごく小さく切って卵表面に貼付ける局所生体染色法という方法を開発した。主に、植物の成長(伸長成長)を促す作用を持つ植物ホルモンの一群であるオーキシンの研究でも、芽の部分を切取って寒天に乗せ、この寒天を使って成長を調べた例がある。また、特に純度の高いものは、核酸(生物の細胞内に存在し、たんぱく質生合成、及び生物の遺伝現象に関与している重要な物質)のアガロースゲル電気泳動(寒天の主成分であるアガロースのゲルを使用した電気泳動[荷電粒子、或いは分子が電場中を移動する現象]により、核酸をその大きさに応じて分離する手法)にも使用される。さらに、歯科医療に使用される、歯並びを精密に再現した石膏模型の印象材(弾力性があり細部が再現できる等の要件を満たす材料)の1つとして、寒天印象材がある。寒天印象材は、弾力性があり細部再現性は良好であるが、寸法安定性が悪く、水分を吸収すれば膨張し、大気中に長時間放置すれば、寒天内の水分が蒸発し収縮してしまうため、寒天印象材を使用する際には、素早く石膏模型を製作しなければならない。
似合う色の日。
兵庫県神戸市中央区布引町に事務局を置き、「グラデーションカラースケール」で、1人ひとりに本当に似合うパーソナルカラー診断を提供している一般社団法人、日本パーソナルファッションカラーリスト協会(JPFCA)が制定。「グラデーションカラースケール」の認知度を高めると共に、カラーリストのスキルの向上が目的。似合う色を身に付けることで、「心豊かに人生を満喫できるように」との願いが込められている。日付は、2月16日の「2」と「16」で、「似合う色(に[2]あうい[1]ろ[6])」の語呂合わせから。一般社団法人日本パーソナルファッションカラーリスト協会(JPFCA)は、色彩理論に基づいた診断方法を確立した。特許を取得した「グラデーションカラースケール」では、ベース・明度・彩度・清濁色という、4種6枚のオリジナルドレープ(布を垂らした時に出る、ゆるやかなヒダ)を顔に当てることで、「お顔映え」する色を特定する。既存のカラー診断に、「ニュートラル」という概念を加えることで、これまでのカラー診断では得られなかった、オーダーメイドの「顔映えする色」「似合う色」に出会える。「似合う、似合わない」を見極めるのは、方程式でも機械でもない、人間の審美眼で、「色の三属性」(色を区別し、表わすための3つの要素で、色相・彩度・明度のこととなり、無彩色である黒・灰・白は明度のみをもつ)という原点に立返り、生まれたのが「グラデーションカラースケール」という。