宇宙戦艦ヤマト2205、登場メカニック、その24 ( 週刊BBY-01 第436号 ) | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

デザリアム

自動惑星ゴルバ

テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』に登場する自動惑星ゴルバは、暗黒星団帝国のマゼラン方面軍総司令部を兼ねており、総司令メルダーズが搭乗する。形状は、球と円筒に近い楕円球を結合させたこけし状であり、本体色は黒に近い濃緑である。最上部には、メルダーズが指揮を執るための、広い司令部区画が存在する。この部分は戦闘時になると、本体からせり上がるようになっている。頭部に相当する部分には、上部ミサイル砲や上部光線砲の発射口がある。普段は頭部に収納されているが、攻撃の際にはねじを回すように頭部を回転して露出させる。光線色は緑がかった黄色。頸部には回転式の主砲8門があり、頸部を囲むように配置している。また、直掩のための戦闘ヘリを多数搭載している。主砲の破壊力と圧倒的な数の通常兵装に加え、デスラー砲が効かない程の防御力を持つ。防御の際には、せり出している司令部区画を下げ、上部ミサイル砲などの区画を収納する。この防御力については、「ゴルバ本体の周囲に4次元フィールドと呼ばれる防御幕を発生させ、波動砲を無力化している」と説明されている。資料によっては、「特殊なコーティングが施されている」とも説明されている。どちらにしろ、装甲や材質による防御ではない。唯一の弱点は、開いている時の主砲口であり、そこに波動砲やデスラー砲を撃込むことが撃破する唯一の手段である。テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』演出の田口勝彦が、SF原案の豊田有恒より聞かされた初期設定では、地球の直径の1/6(約2,000km)の大きさをした円型の要塞で、表面にハリネズミのように生えた無数の棘が引っ込んで艦隊の発進口や砲座が出現する、という機構を備えていた。その後、「宇宙戦艦ヤマトとのスケール差が大き過ぎて画にしづらい」ということで大きさを縮められたが、名称はそのまま使われたため、数百m程度の規模ながら「自動惑星」と称されることになった。デザインに関しては、中村光毅と共同でデザインを担当した板橋克己のラフスケッチは、球体に円錐が生えた形で、円錐の周囲にリング状の構造物があるというものであった。中村光毅のラフスケッチでは、比較的決定稿に近い形状をしており、せり上がる司令室や回転しながら出現する砲門等のギミックについても記述されており、最終的な決定稿は板橋克己が仕上げている。劇中では、赤色巨星近傍での最終決戦にて、宇宙戦艦ヤマトとガミラス艦隊を追越して立ちはだかる形で出現。攻撃してきたガミラス艦隊を返り討ちにし、デスラー砲の直撃さえも全く受付けず、イスカンダルへ主砲の砲撃を加える等、絶望的なまでの戦力差を見せ付ける。デスラーが乗艦のデスラー戦闘空母を唯一の弱点である主砲口へ突貫させ、主砲口を閉じられなくした上で、古代進に波動砲の発射を促すが、これを見兼ねたスターシャがイスカンダリウムの提供を申出たため、自動惑星ゴルバは戦闘を中止してイスカンダルへ降下していく。しかし、スターシャによってイスカンダルは自爆したため、その爆発に巻込まれて消滅する。
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』では、デザイン担当が明貴美加となっている。テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』とほぼ同様、デザリアムのマゼラン派遣軍総司令官メルダーズが搭乗する大型移動要塞となっており、デザインもほぼ同じであるが、下部の部分に展開する機能が追加され、テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』では推進ノズルであったところは、「超大型重力場収束式ベータ砲」という設定になった。また、全長も10kmへ大幅に拡張された。重力操作機能を持つと設定され、下部に展開式の「大型天体操作フィールド発生器」と「天体牽引/射出フィールド発生器」を備え、天体クラスの物体を慣性制御したり、周囲の任意の空間の重力を制御し、複数の重力傾斜を発生させる能力を有する。これにより、慣性制御した天体を発生させた重力傾斜で"自由落下"させることで移送する。天体をワープさせる能力も持つが、その場合は、自動惑星ゴルバの主機関だけではエネルギーを賄い切れないため、外部ユニットとしてデザリアム・ハンマーを用い、別の天体を破壊して放出されたエネルギーを収集・集約する。戦闘能力に関しては、大口径化した重核子ベータ砲8門を主砲とする他、重核子ベータ砲、重核子アルファ砲等を防御兵装として多数装備している。さらに、戦略兵器として、重力傾斜を応用した「超大型重力場収束式ベータ砲」を底部に備えている。これは、重力傾斜を砲身兼加速装置として利用した巨大なエネルギー砲で、威力は波動砲に劣るが、連射が可能となっている。砲熕兵器以外では、重力操作による重力乱流効果を生じさせ、敵艦を翻弄することもある。防御面では、「位相変換装甲」という装甲を有している。これは、装甲そのものの位相を変換し、逆相波によってエネルギー波を相殺するものである。戦闘艦も装備している装甲であるが、自動惑星ゴルバは強力な機関出力の恩恵により、波動砲の直撃すら無力化する強靭さを持つ。さらに、電磁波を相殺することで、その巨体を完全なステルス状態にすることも可能。但し、波動砲クラスが相手の場合、直撃から相殺完了までには若干のタイムラグがあり、その間に次の攻撃を同じ箇所へ受けた場合は貫通されることもある。次元潜航兵器への対策も充実しており、潜航中の物体を「キャプチャーフィールド」で捕獲し、自動惑星ゴルバ内に取込むことができる[20]。取込んだ敵は、殲滅多脚戦車によって破壊される。劇中では、イスカンダル星を移送するため、大マゼラン銀河へ派遣されたデザリアム・マゼラン派遣軍の中核として登場。先んじてデザリアム・ハンマーでガミラス星を破壊すると、そのエネルギーでイスカンダル星をサレザー恒星系からボルゾン恒星系へワープさせる。当初はステルス状態で潜伏していたが、デーダー艦隊が敗北した後には地球・ガミラス艦隊の前にその姿を現し、重力操作によって発生させた重力乱流で一発も撃たぬまま圧倒し、退去するよう勧告する。地球・ガミラス艦隊が、ガミラス難民とイスカンダル王族救出のために再度動き始めると、その作戦の要であった次元潜航艦の1隻をキャプチャーフィールドで捕らえ、殲滅多脚戦車で破壊した上、移民船団を超大型重力場収束式ベータ砲で一掃しようと攻撃を開始する。初弾は宇宙戦艦ヤマト、ドレッドノート改級戦闘空母「ヒュウガ(DCVー01)」、特一等航宙戦闘母艦デウスーラIII世の波動防壁に防がれるが、即座に第2射の準備を整え、纏めて葬ろうとする。しかし、発射直前にスターシャ・イスカンダルの降伏を受けて戦闘を中断し、スターシャ・イスカンダルが移民船団の安全保障を条件にイスカンダル星を明渡すことを約束したため、移民船団の脱出を待ってイスカンダル星の移送を再開しようとする(なお、実際には、スターシャ・イスカンダルはイスカンダル星を自爆させる腹積もりであった)。しかし、スターシャ・イスカンダルを愛するアベルト・デスラーが、特一等航宙戦闘母艦デウスーラIII世を自動惑星ゴルバに突撃させたことがきっかけとなり、メルダーズは随伴していた艦隊を差向け、地球・ガミラス艦隊との戦闘が再開する。その裏で、イスカンダル王族の救出に動いていた試製次元潜航艇コスモハウンドを察知し、キャプチャーフィールドで捕獲しようとする。ただ、実際に捕獲したのはデコイとして試製次元潜航艇コスモハウンド本体から切離されたユニットであり、その内部に仕込まれていた波動掘削弾によって内側から爆破される。メルダーズは、1発の爆弾程度で深手を負う筈がないと思っていたが、波動エネルギーによる何かしらの影響によって、要塞全体に被害が拡大してしまう。最後の足掻きとして超大型重力場収束式ベータ砲による地球・ガミラス艦隊の道連れを目論むが、発射直前にイスカンダル星の自爆に巻込まれ、メルダーズ共々消滅した。