1月1日 記念日 その3 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

初詣。
年が明けてから、初めて神社仏閣に参拝すること。氏神(同じ地域[集落]に住む人々が共同で祀る神道の神)様や、その年の恵方に当る方角の社寺にお参りをして、その年の無事と平安を祈る。「恵方」とは、その年の福徳を司る神「歳徳神」の所在する方角のことで、何事をするにも最も良いとされる方角のことである。昔は、大晦日の夜に社寺にお参りして一度家に戻り、元日の朝になって再び参詣していたが、今では大晦日の夜から出掛けて行って、社寺の境内で元旦を迎えるという形も多い。元々は「年籠り」と言い、家長が祈願のために、大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に籠る習慣であった。やがて年籠りは、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」との2つに分かれ、元日詣が今日の初詣の原形となった。江戸時代末期までの元日の社寺参拝としては、氏神に参詣したり、居住地から見て恵方に当たる社寺に参詣(恵方詣り)したりといったことが行なわれた。「年籠り」形式を踏まず、単に寺社に「元日詣」を行なうだけの初詣が習慣化したのはそれ程古い時代ではなく、明治中期のこととされている。また、氏神や恵方とは関係なく、有名な寺社に参詣することが一般的になった。俳句で「初詣」が季語として歳時記(俳諧・俳句の季語を集めて分類し、季語毎に解説と例句を加えた書物)に採用されたのは明治末期であり、実際に「初詣」を詠んだ俳句が登場するのは大正時代以降であるという。社寺へ参拝を行なって、社務所でお守り、破魔矢(正月の縁起物や神具として寺院・神社で授与される矢で、正月に行なわれていた、弓の技を試す「射礼[じゃらい]」という行事に使われた弓矢に由来する、とされている)、熊手(長い柄の先に熊の手を模した爪を付けたもので、幸運や金運を「かき集める」という意味を込めた縁起物となっている)等を受けたり、絵馬に願いごとや目標を書いたりして、今年1年が良い年であるよう祈る。昨年のお守りや破魔矢等は、この時に社寺に納め、焼いてもらう。また、神社によっては、境内で甘酒や神酒等が振舞われる。初詣の対象は、神社・寺院のいずれでも構わない、とされている。これは、明治時代初期に神仏分離(日本土着の神祇信仰[神道]と仏教信仰[日本の仏教]が混淆して、1つの信仰体系として再構成[習合]された宗教現象、神仏習合の慣習を禁止し、神道と仏教、神と仏、神社と寺院とをはっきり区別させること)が行なわれる前は、神道と大乗仏教(釈迦の言行の伝承を中心とした原始仏教、並びに、釈迦の法の注釈的研究を主とする保守派で、小乗仏教[上座部仏教、部派仏教とも呼ばれる]に対するもので、伝統的な部派仏教がセイロン[現在のスリランカ]やビルマ[現在のミャンマー]、タイ等、南方に伝播したのに対し、大乗仏教はチベット、中国、日本等北方へ伝わり、今日に至っている)、並びに祖霊信仰が一体化した、神仏習合による信仰が一般化していたためである。つまり、初詣に限らず、社寺への参詣に神道と仏教の区別はあまり無い、とされていたことの名残である。また、初詣には、定められた規定は特に無い。「年が明けてから初めて神社や寺院等に参拝する行事」であるため、年内ならいつ参拝に行っても、その参拝が年内最初の参拝であれば「初詣」となる場合もある。一般的には、正月三が日に参拝するのを初詣と称しているが、1月中に参拝することも初詣、とする考え方もある。さらに、回数に関する規定も無い。3ヶ所の神社を詣でることを、三社参りと言い、地域に根付いた風習として一般的に行なわれている地域もある。西日本の各地の風習としての三社参りは、正月の初詣として、3つの神社を詣でることを指す。この風習が根付いた地域の人々は、「初詣、イコール三社参り」であり、特別な信仰心とは無関係に、当然のこととして三社参りを行なう。三社参りの由来については、元々朝廷が、伊勢神宮(三重県伊勢市にある、全ての神社の上に位置する、とされる神社で、「伊勢神宮」とは通称で、正式名称は地名の付かない「神宮」である)、石清水八幡宮(京都府八幡市に所在する八幡宮[全国の武家から武運の神「弓矢八幡」として崇敬を集めた、八幡神を祭神とする神社]で、日本三大八幡宮の一社であり、宮中の四方拝で遥拝される一社でもある)、賀茂神社(現在の京都市北区にある賀茂別雷神社[上賀茂神社]と京都市左京区にある賀茂御祖神社[下鴨神社]との2つの神社の総称)の三社に奉幣(勅命[天皇の命令]により幣帛[神前に供える物の総称]を奉献すること)し、これが庶民にも三社詣でる風習として広まった、という説や、元々は、先祖代々の守護神である氏神様、出生地の守護神であり、その人の一生の守り神である産土神様、現在住んでいる地域の守護神である鎮守神様、という3つの神様に挨拶をする意味で、三社を詣でていた、という説等、諸説あり、はっきりしていない。2016(平成28)年の初詣の参拝者数上位10社寺は、第1位が明治神宮(所在地は、東京都渋谷区代々木神園町)で約317万、第2位が成田山新勝寺(所在地は、千葉県成田市成田)で約309万、第3位が川崎大師(神奈川県川崎市川崎区大師町に所在する金剛山金乗院平間寺の通称)で約307万、第4位が金龍山浅草寺(所在地は、東京都台東区浅草)で約291万、第5位が鶴岡八幡宮(所在地は、神奈川県鎌倉市雪ノ下)で約250万、第6位が住吉大社(所在地は、大阪市住吉区住吉)で約239万、第7位が熱田神宮(所在地は、愛知県名古屋市熱田区神宮)で約230万、第8位が氷川神社(所在地は、埼玉県さいたま市大宮区高鼻町)で約210万、第9位が太宰府天満宮(所在地は、福岡県太宰府市宰府)で約200万、第10位が生田神社(所在地は、兵庫県神戸市中央区下山手通)で約150万となっている。
初日の出。
1月1日(元日)の日の出(太陽が水平線や地平線から姿を現す様)のことを、初日の出という。日本では、1年に一度の最初の夜明けとして「めでたい」とされ、初日の出参りを行なう人は数多くいる。この習慣は日本古来のものであるが、明治以降に盛んになったと言われている。四方拝が始まりで、それが庶民の間に現在の形で広まり、初日の出を拝むという習慣になった。初日の出の際に、願いごとやその年の決意等を祈ることが多い。全国各地に初日の出スポットがある。水平線を見渡せる海岸や山頂、展望台、高層建築物(高層ビルや高層マンション、電波塔等)の最上階や屋上等である。初日の出の時刻は毎年殆ど決まっているため、理論・観測の両面から天文学を研究する日本の研究所・大学共同利用機関(大型測定機器や高速計算機等、非常に高額で、大学単独では購入することが難しい研究施設を整備し、或いは、貴重な文献や資料を収集保存することによって、学術研究の発展・振興に資するという、国家政策に基づく研究機関)、国立天文台の相談室には、旅行会社等から「本土で最も早い初日の出が見られるのはどこか?」という質問が多数寄せられ、国立天文台側も、50ヶ所から60ヶ所程度の初日の出スポットの時刻計算リストを作り、質問に答えているという。季節柄、曇りや雨、雪の多い日本海側よりも、晴天の多い太平洋側の方が、見られる確率が高い。東京都小笠原村(小笠原村には郡が存在せず、東京都総務局に属する小笠原支庁が、小笠原村の区域を管轄する)に属する小笠原諸島(東京都特別区の南南東約1,000kmの太平洋上にある30余の島々)の島、母島は、日本で一般人の立入ることのできる範囲(即ち、一般人が定住している場所)では、最も早い初日の出を迎えるが、その時刻は6時20分頃である。