11月26日 記念日 その1 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

西暦(グレゴリオ暦)AD2023年 令和5年 平成35年  
昭和98年 大正112年 明治156年 皇紀2683年 干支 癸卯(みずのと う)
第4日曜日 旧暦 10月14日、大安(戊子)、月齢 12.7  
グレゴリオ暦で年始から330日目、年末まであと35日。
誕生花 グラジオラス・ホタルブクロ。

ペンの日。
1935(昭和10)年11月26日、日本ペンクラブが創立されたことを記念して、30周年となる1965(昭和40)年に設けられた日。ペンクラブの「PEN」は、「P」が詩人・劇作家、「E」が随筆家・編集者、「N」が小説家を意味している。東京都中央区日本橋兜町に事務局を置き、現在は一般社団法人となっている日本ペンクラブは、文学を通じて諸国民の相互理解を深め、表現の自由を擁護するための国際的な団体、国際ペンクラブの日本センターで、日本の文筆家で構成される非政府組織(NGO)である。言論の自由、表現の自由、出版の自由の擁護と、文化の国際的交流の増進を目的としている。初代会長は、代表的な自然主義作家の島崎藤村であった。第一次世界大戦終結直後の1921(大正10)年10月、イギリスの女性作家C.A.ドーソン・スコットの提唱によりイギリスのロンドンで結成された国際ペンクラブの前身は、1917(大正6)年からあった新人作家のためのクラブ「トゥモロー・クラブ」であったという。国際ペンクラブの本部は、イギリスの首都ロンドンに所在し、世界各国のペンセンター、作家団体等が地域支部となっている。悲惨な戦争が繰返されないことを願い、作家・文筆家の表現の自由を確立し、国境を超えた相互理解と連帯を図る、という主旨の下に生まれた。初代会長は、ノーベル文学賞を受賞したことで名高いイギリスの作家・劇作家、ジョン・ゴールズワージーである。ジョン・ゴールズワージーは、日本では長編小説『林檎の樹』の著作で知られ、大正から昭和の第二次世界大戦前・戦後にかけて活躍した、近現代日本文学の頂点に立つ作家の1人で、日本人として初のノーベル文学賞も受賞した川端康成が耽読して短編小説『伊豆の踊子』に影響を与えたが、世界的には、1906(明治39)年から1921(大正10)年の間に書かれた長編連作小説『フォーサイト家物語』(1906[明治39]年発表の長編小説『財産家』に、『窮地』『貸家』の長編2作と、『フォーサイトの小春日和』『目覚め』の短編2作を加えたもの)の作者として知られている。2003(平成15)年、人類学者・作家の堀武昭が日本人として初めて国際ペンクラブの理事となり、2010(平成22)年には、非欧米人として初めて国際ペンクラブ専務理事となった。満州事変(満州[現在の中国東北部]の奉天[現在の瀋陽]郊外の柳条湖で、1931[昭和6]年9月18日に起きた鉄道爆破事件に始まる日中両軍の軍事衝突)以後、国際連盟も脱退して国際的に孤立する日本の状況を憂えて、1935(昭和10)年3月頃に国際ペンクラブから日本に、地域ペンの設立を求める要請が為された。これに応えて設立されたのが、日本ペンクラブである(第二次世界大戦対米英開戦に伴ない追放、1947[昭和22]年復帰)。1957(昭和32)年には、川端康成が副会長を務め、大会を日本に招致した。日本ペンクラブは、1957(昭和32)年9月、「東西文学の相互影響」をテーマとした東京・京都での国際ペン大会を主催し、1984(昭和59)年3月には、「核状況下における文学―なぜわれわれは書くのか」をテーマとし、東京では2度目の国際ペン大会を主催した。第14代会長の井上ひさし、第15代会長の阿刀田高、第16代会長の浅田次郎と、直近3代の会長は、ミステリ、SF、ホラー、ユーモア小説等、第二次世界大戦後に伸張してきたタイプの娯楽小説分野で実績を築いてきた作家が続いており、純文学作家か、評論家が代表を務めることの多かった日本ペンクラブとしては、異色の傾向を示している。日本ペンクラブの会員資格は、自費・自主出版を除く文芸的著作物が、2作品以上ある作家に限られている。なお、日本ペンクラブは、表現の自由を守るための組織で、同じく職業作家による団体でも、公益社団法人日本文藝家協会等、文筆家の職能擁護を目的とする職能団体(職業毎に結成された団体)とは全く性質が異なる。東京都中央区日本橋兜町に所在し、現在の会長(代表理事)は、2017(平成29)年に就任した第17代会長の吉岡忍である。ノンフィクション作家の吉岡忍は、1985(昭和60)年8月12日、東京国際空港(羽田空港)から大阪国際空港(伊丹空港)に向かっていた日本航空123便ボーイング747SR-100型機が、群馬県南西部、多野郡上野村の高天原山の尾根(通称「御巣鷹の尾根」)に墜落した、日本航空123便墜落事故を題材にした『墜落の夏 -日航123便事故全記録-』(1987[昭和62]年)で第9回講談社ノンフィクション賞を受賞しており、日本放送協会(NHK)や日本民間放送連盟(民放連)と、その加盟会員各社によって出資、組織された任意団体、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会(2007[平成19]年に設置された、放送番組の倫理を高め、質の向上を図るための審議を行なう委員会)委員等も務め、言論の自由・報道の自由に関して積極的発言を続けている。日本ペンクラブは、日本文学の最新事情を紹介する英文の冊子『Japanese Literature Today(JLT)』を発行し、日本国外の大学図書館や日本文学研究施設に無償配布している。1976(昭和51)年から2000(平成12)年まで年1回刊行され、2000(平成12)年の第25号をもって休刊となったが、その後復刊し、2009(平成21)年版と2010(平成22)年版が発行された。1993(平成5)年の第18号から2000(平成12)年の第25号までは、フランス語版の『Littérature japonaise d'Aujourd'hui』が合冊になっている。各年度の日本文学界の動向や、短編小説の全訳、長編小説や短歌、俳句、詩、評論等のレビューを掲載しており、当初は、外務省が所管する独立行政法人(政府の事業の内、大学、博物館、病院、研究機関等、独立して運営した方が効率的な部門を分離独立させた法人)の1つである国際交流基金や、国際連合教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)や日本ユネスコ国内委員会(文部科学省内)と連携・協力した活動を行なっている非政府組織((NGO)、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の助成金を受けて出版されていたが、その助成金がなくなったため、2000(平成12)年の第25号をもって休刊となる。その後、全国のパチンコホール組合の協同組合連合会、全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)の社会貢献基金や、寄付金等をその主な財源とする全日本社会貢献団体機構の助成を受けて2009(平成21)年に復刊し、2009(平成21)年版の第26号と、2010(平成22)年版の第27号が刊行された。2001(平成13)年のペンの日には、日本ペンクラブの中に電子文藝館委員会が創設され、その活動の場として、デジタルライブラリー機能を持つ「電子文藝館(デジタル・ライブラリー)」が開設された。電子図書館は、現代のIT(情報技術)化によるコンピュータ・データベースを利用した、新たなウェブサイトによる図書館である。インターネット上にあるデジタルコンテンツを集積したサイトが多いことや、歴史的な経緯により、現在では、デジタルライブラリーとも呼ばれている。