小倉市のマンホールとオールドプレート ~送水口~ | 路上文化遺産と消火栓

路上文化遺産と消火栓

町を路上観察すると路上や木造建築物に、昭和レトロを感じます。
マンホールの蓋や、ホーロー看板、木製牛乳箱などが見つかります。
ここでは、路上文化遺産と消火栓・防火水槽を取り上げます。

今年4月に、北九州市へ行った幾つかある目的の一つは、古いマンホールの蓋を探すほかに、送水口のオールドプレートを見つけることでした。

北九州市では、合併前の小倉市、門司市、若松市、八幡市及び戸畑市の旧5市の古いマンホールや水道小蓋を探すため、市内を半日ほど歩きました。
イメージ 1

この摩耗したマンホールの蓋は、小倉市のですが摩耗から市章が判明できないほど。
欠けた石縁付きマンホールは、内側8分割、外側12分割された名古屋市型でした。

このマンホールの目の前には、オールドプレートがありました。

オールドプレートはSIAMESE CONNECTIONとWALL HYDRANTと英語表記され、メーカーは不明。




馬明の路上文化遺産と投資のブログをご訪問くださいまして、大変ありがとうございます。

ブログ開設から、8月12日で8年210日を迎えました。ブログ開設10周年まで1年155日です。




これは福岡訪問記第11弾&送水口第4弾です。
今回は『小倉市のマンホールとオールドプレート』です。 
 



★1 小倉市のあゆみ★
小倉町は、1889(明治22)年4月1日に町村制が施行され、企救郡旧小倉城下25町と砂原村の一部(長松浦)・干上村の一部(平松浦)を合併して、誕生しました。

1900(明治33)年4月1日に小倉町町の市制施行で「小倉市」となりました。

小倉市は1963(昭和38)年2月10日に、門司市、若松市、八幡市及び戸畑市の5市が新設合併して北九州市が発足し、同年4月1日に政令指定都市へ昇格し、小倉市域は小倉区となりました。

小倉区は1974(昭和49)年4月1日に、小倉北区小倉南区に分区されました。



★2 小倉市マンホール★
旧小倉市の中心街である小倉北区には、旧小倉市のマンホールの蓋が残っています。

小倉市のマンホールは、路上観察学会小倉支部が2011(平成23)年9月7日に正体不明のマンホールの記事として、初めて紹介しました。

この道路沿いにある2枚の石縁付きマンホールを見に、小倉駅で下車し、小倉城口から船場町にある井筒屋小倉店を目指して歩きました。

これがお目当ての欠けた石縁付き小倉市マンホールの1枚目です。
イメージ 2

この先に、同じく欠けた石縁付き小倉市マンホールの2枚目があります。

真上から見た小倉市マンホールを、ご覧ください。
イメージ 3

このマンホールは内側8分割、外側12分割された名古屋市型です。
イメージ 4

紋章は、1900(明治33)年4月1日に制定された小倉市章ですが、かなりの摩耗から下のような↓デザインを読み取れませんでした。
イメージ 5

これは、小倉市章をデザインしたものです。

小倉市マンホールの2枚目は、こちらです。場所は井筒屋小倉店新館の近くです。
イメージ 6
 
これら2枚以外の小倉市マンホールを別の場所でも、2枚見てきましたが、市章が鮮明なマンホールは見当たりませんでした。
イメージ 7

北九州市に合併された旧5市のマンホールは、北九州市のマンホールの蓋に逐次交換されています。


★3 小倉のオールドプレート★
小倉では、オールドプレートを2か所で見つけました。

最初のオールドプレートは、コンクリート電柱がある先の赤紫矢印で示した場所です。
イメージ 8

右に見えるのは1962(昭和37)年10月に開業した旧小倉ホテル(小倉日活ホテル)の建物で、1階壁面は、銀河鉄道999で有名なSF漫画家の松本零士ストリートミュージアムでした。
イメージ 9

送水口は、道路に向かって小倉市マンホールの右前方にありました(再掲)。
イメージ 1

送水口の上には、博多でよく見られた表示灯(赤矢印)もありました。
イメージ 10

送水口は、送水口スプリンクラー専用とオールドプレートから構成されています。
イメージ 11

送水口スプリンクラー専用は、特徴ある攻撃的な「送」から、2001(平成13)年10月に負債額14億円で自己破産申請した現存しない消火栓機工のものでした。

オールドプレートをご覧ください。
イメージ 12

オールドプレートの用途は、SIAMESE CONNECTIONとWALL HYDRANTの2種類で、プレートの英語表記は機械彫りでした。
メーカーは不明。赤と青のアクリルキャップが目立ちました。


次に小倉の2か所目のオールドプレートは、この建物の左側にありました。
送水口は、日本銀行北九州支店へ行く途中で、赤紫色矢印の場所にありました。
イメージ 13

この建物は、1965(昭和40)年に竣工した毎日西部会館です。

送水口の前には、オートバイが無粋にも駐車していました。
イメージ 14

表示灯(赤矢印)もあります。

送水口は、左が上からSIAMESE CONNECTIONとWALL HYDRANT、右も上から送水口とスプリンクラで構成されていました。
イメージ 15

このオールドプレートは、1か所目で紹介したオールドプレートと同じ構成で、これらはいずれも現役です。メーカー名は両方とも不明です。

2か所にあったオールドプレートの英語表記を比較して、ご覧ください。

上段は機械彫りで出来栄えは素敵で、年月を感じさせません。
下段はアルファベットの貼り付け方式で、これは「ふぞろいの林檎たち」ならぬ「不揃いのアルファベットたち」でした。
イメージ 16

アルファベットの不揃いさには、味わいがあります。
この不揃いさからは、ここでの歴史を感じ、頑張って使命を果たしてきた様子を手にして見るようで、このタイプの方が馬明好みです。

終わりに、小倉駅新幹線口側に松本零士のアニメ・漫画「銀河鉄道999」のヒロインメーテルがベンチに腰掛け、缶ジュースを飲みほした(汗)星野鉄郎が立っています。
イメージ 17

架空の二人の足元には、ネームプレート(黄色矢印)が置かれています。

ベンチから少し離れた右手には、松本零士原作の漫画・テレビアニメ宇宙海賊キャプテンハーロック宇宙海賊キャプテンハーロックキャプテンハーロックがいます。
イメージ 18

キャプテンハーロックの足元にも、ネームプレート(黄色矢印)があります。

このように、小倉北区では松本零士のアニメの世界も楽しめます。


※ 明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」は、「国際記念物遺跡会議」から5月4日、「登録が適当」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告されました。

福岡県は官営八幡製鐵所関係で、1899(明治32)年に八幡製鐵所旧本事務所、1900(明治33)年に修繕工場と旧鍛冶工場を建設、1910(明治43)年に遠賀川水源地ポンプ室の操業開始が登録申請されています。

ドイツのボンで開催中のユネスコの世界遺産委員会は7月5日、日本が推薦した「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県23施設)を世界文化遺産に登録することを決定しました。



皆様、『小倉市内で古蓋とオールドプレート』を見ませんか!?