【ボクは何屋だったんだろう?】 | jijiのメンタルコーチング♪

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ASD・ADHDで心理カウンセラーの私が、今までの経験から「どうすれば自分らしく楽しく生きられるか」をお話します。
メンタルコーチングは誰にでも必要です。

外務省の団体で働いていた時
常に携帯するのは旅券と身分証。

旅券は公用旅券で
身分証は主に大使館用でした。

大使館で病人が出ると連絡が来ます。

患者さんを連れて行くのはいつも
飯倉にあったインタークリニックという
外国人専用のクリニックでした。

医師は身長が190cm位あるロシア(当時はソ連)人のR先生で
とても優しい方でした。

大使館職員をクリニックに連れて行くのが
ボクの役割になってからは
R先生と関わる時間が多くなり
とても親しくなりました。

ある時はドイツ大使館の職員を
先生と一緒にハンブルグまで連れて行きました。

職員はノイローゼになって自傷行為をするため
全身を拘束して眠らせて飛行機に乗せました。

空港に到着すると
現地の病院の医師たちが待ち構えていたので彼を引き渡し
ドイツには一切入国せず
そのまま先生と一緒にとんぼ返りで日本へ帰りました。

この頃は、こんな雑用は当たり前でした。

R先生と親しくなってきた頃
先生から何か違和感(ボクの感覚です)を
感じるようになりました。

理由は分かりませんが
先生からは得体の知れない匂いのような
感覚を受けました。

1度ボクが
「R先生はもしかしてスパイ?」
とストレートに聞くと
一瞬固まった後
鬼のような形相になってボクを睨みました。

「きっと拳銃でも出すんだろうな」
と思って目を見続けていたら
急にふっと目をそらして
「あなたは不思議な人ですね。
 すっと人の心の中に入ってしまうんですね」
と言われました。

しばらくしてからクリニックに行くと
医師が交替していて
R先生からの手紙を言って渡されました。

内容は
「君とはまた別の所で会いたいと思います。
 もしソ連に来る時は連絡して欲しい。
 永遠の友人より」
と住所が書かれていました。

それから半年くらいして
「Rはスパイ容疑で逮捕されて強制送還になり
 国に帰ってすぐ処刑されたそうだよ」
と上司から聞きました。

なんだか007の世界のようで
良くしてもらったR先生のことを思い出して
悲しくなりました。

その後仕事でソ連に行く機会があり
予定表に友人のお墓参りも記入しました。
(当時のソ連は入局許可に
 訪問先を時間単位で申請することになっていました)

到着して連絡すると
ホテルに現れたのはR先生本人でした。

お陰で滞在中は何不自由なく過ごし
お土産に大きなキャビアの缶までいただきました。

その後数年は手紙のやり取りをしていましたが
平成に入った頃連絡が取れなくなりました。

あの頃のボクは一体何屋さんだったんだろう
と今でも考えることがあります。

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