小さな頃
お友達と一緒に遊ぶのが苦手だった私。
お寺の境内で遊んでいる時に
お友達が急に私の手を引っ張ると
私は驚いて手を振り払い
泣き叫んで逃げていました。
別のお友達が
大声で近付いて来ると
怖くて体が固まっていました。
そんな様子を見ていたお坊様は
私を本堂の阿弥陀様の前に連れて行き、
「仏様は優しいお顔をしているでしょう。
仏様は
いつでも、どんなことがあっても気にしないで
”ほっとけ、ほっとけ”と言っているんです。
そう言っているお顔に見えるでしょう。」
と話してくれました。
当時の私には、
仏様が”ほっとけ、ほっとけ”と
言っているようには見えませんでした。
しかし中学生になって
気持ちがいっぱいいっぱいになると
お寺を訪れて阿弥陀様のお顔を見ていました。
すると
お坊様の”ほっとけ、ほっとけ”と言う言葉が思い出され
何故か気持ちが軽くなりました。
私が、
他人や物事との距離感を身に付けたのは
”ほっとけ、ほっとけ”の言葉のお陰です。