私は3才の頃から動物に会いたくてしばしば一人旅に出ました。
会いたいのはゾウとライオン。
私の街には動物園がなく、動物に会うためには東京に行くしか
なかったのです。
小さなバッグにお菓子だけを入れて汽車に乗ります。
ようやく東京に着けてもすぐに保護され、親が迎えに来ます。
その度に寄って帰ったのが井の頭自然文化園でした。
そこには私より5才年上のゾウのはな子が、いつも私を
待っていてくれました。
近づくと、 “ククククク”と頭の中に響く音がします。
私も同じように“ククククク”と返します。
それが二人の挨拶だと思っていました。
大学時代、社会人になってからと何度も会いに行き
いつも元気をもらっていましたが、そのはな子が
5月26日に老衰で亡くなりました。
69才でした。
昨夜、はな子が夢に出てきて私に言いました。
『あなたは私の覚えている4人の子どもの一人だよ。
この次私は人間に生まれ変わるの!また会おうね!』
悲しさより、楽しみを残してくれたはな子に“ありがとう”。