先日は 数年振りに-10℃まで下がり、しばれました。
「しばれる」 って、凍てつくような寒さを短く的確に表現してる言葉だと思います。
「寒い」とか「冷える」とか言うよりも「しばれる」と言った方が 北国の厳しい寒さが伝わってきますね。
方言には 標準語にはない良さもあります。
公園の雪景色。
水面に描かれたアート、その二。
貴婦人のような優雅な お姿。
白鷺(ダイサギ)。
白鳥と鴨。
冒頭に書いた「しばれる」って 北海道の方言なんですよね。
その北海道出身で 両親から美しい雪(美雪)と
素敵な名前を付けてもらった この方の曲を載せたいと思います。
雪/中島みゆき
1981年にリリースされた傑作アルバム『臨月』に
収録されていた曲。
日本のアーティストの中で、一番日本語の美しさに拘り 大切にしてるのは、この方ではないでしょうか。
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで 淡すぎる 雪のようです
切なく悲しいフレーズですが、美しいですよね。
いつも傍らにいてくれた人が、手をさしのべても消える淡い雪のように消えてしまった。
雪の儚さと人の命の儚さを掛けているんですね。
この歌は、みゆきさんが 亡くなられた お父様への思いを綴った歌で、雪の降る夜の静寂さが 父の死という寂しさを更に深めます。
ピアノメインのシンプルなアレンジが、この歌の良さを際立たせていますね。
あの人が教えるとおり
歩いてくはずだった私は
雪で足跡が見えない
立ちすくむ あなたを呼びながら
父の背中を見て、自分の生き方を模索しながら歩いてきたのに、父の足跡すら見えなくなってしまった。
みゆきさんは 父親の生き方を尊敬し愛していたそうです。
逃れる事のできない運命的な別れである死という重いテーマを叙情的に歌った名曲。
自分の名前の一文字でもある「雪」をタイトルや歌詞に使っている所に みゆき(美雪)さんの深い想いが感じられます。
雪
雪 気がつけばいつしか
なぜ こんな夜に降るの
いま あの人の命が
永い別れ 私に告げました
あの人が旅立つ前に
私が投げつけたわがままは
いつかつぐなうはずでした
抱いたまま 消えてしまうなんて
雪 気がつけばいつしか
なぜこんな夜に降るの
いまあの人の命が
永い別れ 私に告げました
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで 淡すぎる 雪のようです
あの人が教えるとおり
歩いてくはずだった私は
雪で足跡が見えない
立ちすくむ あなたを呼びながら
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで 淡すぎる雪のようです
あの人が教えるとおり
歩いてくはずだった私は
雪で足跡が見えない
立ちすくむ あなたを呼びながら
雪 気がつけばいつしか
なぜ こんな夜に降るの
いま あの人の命が
永い別れ 私に告げました
今回は、中島みゆきさんの 『雪』 を お届けいたしました。
「人間として、やっちゃいけない事は、殴っても許さなかったですね。私が音楽をやる事、やれとは言わなかったけれど、反対はしませんでした。世間に対しては、まるで不器用な処し方しかできない人でしたね。そう、生きる事自体が下手だったんです。」
と、お父様が亡くなられた一年後のインタビューで
話されていました。