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これを聴いて死ねっ

ヘヴィメタルやハードロックを中心に作品紹介を行うサイトです。


「Queen of The Midnight Fire」 2013

スロベニアのスピードメタルバンドVigilanceの1stアルバム。
のっけから物々しい雰囲気で幕を開けますが1曲目はミドルテンポの地味な曲でガクッ。1stなんだからそこはいきなりブッ飛ばしてくれても良いんでないかい?2曲目から走り始めますがこれもまた地味め。Iron Maidenばりのツインリードが飛び出す3曲目でようやくエンジン始動と言った感じです。ウン、こうでなくっちゃ。音の埃っぽさや叫んでいない時のヴォーカルの歌い方などNWOBHM周辺へのリスペクトがそこかしこに見られ、時折21世紀の作品だと言う事を忘れさせる瞬間があります。
なかなか重圧感とパワーが感じられますしダークな雰囲気も悪くないので、あとはリピートしたくなる曲の魅力があればと思います。とりあえず辺境メタルのショボさからは突き抜けている。

「Shattered Dawnbreak」 1996

オランダのメロディックデスメタルバンドAuraのEP。
現在は Scenario IIと名を変えて活動中のバンドです。Aura名義でのフルアルバムは1枚しか出しておらず、しかも結成から15年後の2006年と言う事で、長いこと燻ってきた人達である様です。件の1stアルバムは未聴ですが、その遥か昔に出たこのEPでは、叙情的な面を強く押し出したメロデスをやっています。クリーンギターのアルペジオの導入など、なかなか雰囲気が出ています。リフの扇情度も結構良い感じで、瞬間的にハッとさせられる場面も。3曲目辺りが一番ツボかな。ただ、普通声でもっさり歌い始めるのはあまり好きではない。これが無い方が素直に楽しめるので残念。
未完成ではありますがそれなりに聴かせる内容。安く置いてあるのを見かけたら買っても損は無いでしょう。

「Kiss The Goat」 1995

スウェーデンのブラックメタルバンドLord Belialの1stアルバム。
多くのメンバーチェンジや度重なる解散~再結成を経て今現在も活動中のバンドです。
初めて聴くバンドかと思ったらアルバム1枚(8th)持っておりました。比較のために聴き直してみると、荘厳かつ硬軟巧みに使い分けるなかなか見事なメロブラで、今までまともに聴いていなかったのを少々後悔。それはさておき、この1stにおいてそのスタイルは既にある程度形になっておりますが、一方で幾分当時のメロデスっぽさも取り入れているのがポイント。そこが音の印象を散漫にしていると言う見方もあるとはいえ、この洗練されていない野暮ったさが魅力でもあります。単純に叙情メロディの種類としては今作のモノが好みですね。所々で挿入されるフルートの旋律がケルティックなニュアンスを与えると同時に、時に不気味にも響く。
6曲目のアコースティックなインスト”The Art Of Dying”、名曲です。と言うか私、ネットでこの曲を聴いて一発で気に入り、今作の購入に踏み切りました。この物悲しく流麗な小品を聴くだけで彼らの才能の程が伺えます。
Amazonなどを見るとバカ高い値段が付けられていますが、専門サイトを探せば定価で買えるかも(私は運良く安く買えた)。しかしマニアとしては少々のお金は出す価値がある作品だとも思います。

「The War Of Steel Has Begun」 2011

ウヒョーこいつはスゴイ!スウェーデンのバンドRocka Rollasの1stアルバムです。
バンドと言っても今作時点では演奏担当者とヴォーカルの二人組だったのですが、(現在は各パートメンバー在籍)これがもう、まるでThundersteel時のRiotみたいな突撃スピードメタルサウンドなのです。のっけから”Thundersteel”のパク・・じゃなくオマージュ全開のキラーチューンでスタートし、その後もテンションを落とさず激アツのメタル万歳疾走ナンバーを次から次へと繰り出しまくるのでこりゃ首が捥げるまで頭振るしかないでしょう。ひと昔前のジャーマンB級どあほメタルのヤケクソ感に通じる威勢の良さもさることながら、どの曲もしっかりと魅力的なリフやメロディを持っているのがスバラシイ。北欧のバンドらしくどことなくケルティックな一面を覗かせるのもニクイじゃないですか。ヴォーカルは私が敬愛するTony Mooreばりのハイトーンで、まぁ彼ほどは上手くないのですが、血管ブチ切れそうなくらい力みつつSteelだのMetal Machineだの叫びまくり演奏に負けない存在感を発揮しています。バランスの悪い音質も溢れ出る気合いの具現化なのです。
こう言う連中は間違ってもメジャーな場には出て欲しくないですね(出るはずも無い音ですが)。一生このバカなメタル愛をキープして作品を出しまくってくれ。あーもう今まで知らなかったのがクヤシイ!スーパーオススメです。
これでもくらえええええええええええええ!!!!!




「Conquer」 2012

スウェーデンのヘヴィメタルバンドRocka RollasのEP。
4曲しか入っていませんが(1曲はインスト)、その内容は1stに勝るとも劣りません。一撃必殺な爆走メタル具合は抑えているものの、エピックっぽさの加わった魅力的な歌メロやクサさ溢れる演奏により、楽曲の扇情度はグッと上昇しています。漢らしく勇壮に疾走する、メロスピファンのハートをガチッと掴むであろうお約束の1、3曲目、8分越えの長尺ながら、硬派な歌と終始メロディアスなフレーズを奏でるギターの兼ね合いが退屈させない2曲目、クサクサなツインリードが炸裂する爆走インストナンバーの4曲目と、粒が揃っており聴き応え十分です。ヴォーカルも安定感を増しつつ相変わらずの熱い歌唱を聴かせてくれています。2ndも既に発売されていますが、曲は被っていないので迷わず入手せよ!

「The Art of Coming Apart」 2012

ドイツのデスメタル/メロデスバンドFragments of Unbecomingの4thアルバム。
既に中堅クラスのキャリアを持ちながら未だ知名度が低いのはこの覚えにくいバンド名のせいに違いない。
自らの音楽性をスウェディッシュデスメタル(サイトを開くとすぐ書いてある)と公言しており、そのスタイルをブレずに長年貫いている漢らしさが大変好ましい人達。ただこれまでは気概に対して作品のクオリティはもひとつ止まりで、はっきり言えばB級だったのですが(それが良くもありました)、バンド史上初となるメンバーチェンジを経て制作されたこの4作目においてようやく一皮むけたように思います。
籠り気味だった音質が抜けの良いクリアなものに変わった事で曲が鋭角的に響くようになり、実際に曲調自体もこれまでになくタイトでアグレッシブ。特にヴォーカルの働きは素晴らしく、高低巧みに使い分けたドスの利いたデス声はPeter Tägtgrenに匹敵するドギツさ。また、妙にポコポコした野暮ったいブラストを聴かせていたドラムも激烈と言えるレベルまで成長し、音の雰囲気としてはVomitoryとかUnleashedに近しいモノを感じます。
激しさと引き換えにメロディックな部分はやや控え目となってはいるものの、彼らの持ち味である漢の哀愁漂う旋律は今回も健在で、特に静から動へ、メロデスの肝心要である初期衝動を炸裂させた6曲目など名曲と言って良い素晴らしさ。デスラッシーに突き進みつつダークなリフをキメる9曲目もグッド。
個人的に痒いところに手が届くバンドとして長年応援してきただけに今作の成長ぶりは嬉しい限り。次作への期待も高まります。