フランソワーズ・アルヌールの練習画

改造絵日記(8月13日)「メリー小野寺の物語」
改造絵日記(8月18日)「メリー小野寺の物語Ⅱ」
改造絵日記(8月22日)「メリー小野寺の物語Ⅲ」
改造絵日記(8月31日)「メリー小野寺の物語Ⅳ」

■■■■■その12「必要」
「安心してほしいが、君の体の外観はほとんど元の肉体と変わりがない…」
手術台で目を覚ましたフランソワーズは、ギルモア博士の言葉の「ほとんど」という単語にちょっとひっかかりを覚えたのですが、視聴覚の拡張に必要な脳や神経系統への電子機器の埋め込み手術はほぼ背中側から行われており、入浴時などに血行が良くなると背中の手術痕がうっすら浮き出る程度という説明を受けて安心しました。
(でも恋人との愛の行為の時なんかちょっと浮き出てきちゃうかも…いや、その心配は早すぎるか…第一ここから無事に出ていけるのかどうかまだわからないし…それにまだ恋人いないし…)
☆☆☆☆☆
「この戦闘服、なかなか着こなしが難しいわね…」
バレエ教師の「ファッションとはそれ自体芸術行為なのだから、漫然と衣装を着ては駄目。その衣装にふさわしい精神が何なのか、常に自問自答しながら着なさい」という言葉を思い浮かべながら、鏡の前でマフラーを直すフランソワーズの心に001からのテレパシーが入ってきました。
(003,君ノクレタ有益ナ情報ノオカゲデ・ドウヤラ逃走計画ハ・ウマクススメラレソウダ…)
(良かったわ)
(サイボーグノ最大ノ天敵ハ・サイボーグダカラナ…ソレダケガ懸念ダッタ…)
黒い幽霊団の研究施設は、各セクションが分厚い特殊合金の壁で隔てられ秘密が保たれていましたが、003の拡張された視聴覚はその隔壁を難なく突破して、現在進行中の複数のサイボーグ開発計画のほとんどはまだ完了しておらず、既に完成品となっているのはゼロゼロナンバーサイボーグだけであるのを突き止めたのでした。
(前ニモ言ッタヨウニ・計画ガ始マッタラ・君ハデキルダケ積極的ニハ戦闘ニ参加セズ・生キ残ルコトニ専念シテクレ…ソレガ最善ダ…)

(わかっているわ。わかっているけれど…)
男たちの背中に隠れて自分の身だけを守ろうとするのはちょっと性に合わないかなとフランソワーズは思いました。そんなのこの戦闘服にふさわしい精神じゃない。
(ねえ、001。1度だけしか言わないから聞いてくれる?)
(ナンダイ?)
(もし私が他のメンバーの足手まといになるようだったら私だけここに置いて行ってもかまわないのよ?決して恨んだりしないわ)
(ナンセンスダネ・君ノ索敵・情報収集能力ハ・脱出計画ニハ欠クコトガデキナイ大キナチカラダ…要ハ君ハ絶対ニ必要ッテコトダ…)
(001、ありがとう。綺麗ごとではなく私の必要性を示してくれて…あなたのそういうところ好きよ…)

【今回描いた絵】(下描き)

【最近描いた絵】

★001

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【AI絵】試作品戦闘用サイボーグ