高口悦子の練習画。

身に全く覚えのない殺人事件の容疑のため警察の留置機関に身柄を拘束されてしまったが、自らの手で真犯人をつきとめるために、、国選弁護人のコントロール下に置かれることを条件に、自分の生身の身体を留置施設に預け意識と記憶を機械体に転送される『サイバー被疑者・被告人システム』でロボット化されることにより一時的に自由の身になった少女、みたいな設定です。

改造絵日記(6月10日)「サイバー被疑者高口悦子」
改造絵日記(6月26日)「サイバー被疑者高口悦子Ⅱ」
改造絵日記(6月29日)「サイバー被疑者高口悦子Ⅲ」

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「あなたの代理人として会社に在宅勤務の申請をしておきました。これでネットワークを介して以前と同じ仕事を続けることができますよ」
高口悦子の国選弁護人となったその若い女性弁護士は、悦子のために行った手続きについてそう説明しました。
「ピピピッ…ドウモアリガトウゴザイマス」
「以前は実名報道と長期間の身柄拘束により、裁判が終わるより前に世間の好奇の目に晒されたり会社を解雇されたりして社会的生命を失うのが常でしたが、現在は報道機関は被疑者段階では匿名報道が原則で、勤務先にも職種にもよりますが申請により以前と同じように仕事を続けることができます。もっとも…」
女性弁護士は話しながらコントローラーを取り出すと、悦子に見せました。
「あなたは私という国選弁護人の監督下で疑似的に人間としてふるまっているのであり、内実はロボットと変わらないことをお忘れなく。例えば、あなたがもし他の人間に命令されると、このコントローラーにそれが表示され、私が拒否ボタンを押すことによりあなたはその命令を拒否することができます。しかしそれは私の命令権限がその人間の命令権限を上回っただけであり、あなた自身の意志で命令を拒否できたわけではないのです」
「ピピピッ…ワカリマシタ」
「だから、もしあなたが私の持っているこのコントローラーの支配下を離れると、あなたは人間の命令どおりに動く単なるロボットになってしまい、最悪の場合元の体に戻れなくなることもありえます。注意してください」

【今回描いた絵】