ちゃまる:『か、帰るぷに!!』
ちゃまるは焦って身構えながら後ずさりする。
おっちゃん:『がっはっはっは!』
おっちゃん:『そんなことある訳ないだろが』
ちゃまる:『えっ・・・』
もはや何が何だかわからなくなるちゃまるを尻目に、
おっちゃんは膝に手をつきながら立ち上がった。
おっちゃん:『安心するがいい!』
おっちゃん:『ワシはお前を気に入った!』
おっちゃん:『だからワシはお前を全力で理解してやる』
ちゃまる:『っえ?』
ちゃまる:(なんか気に入られたけど・・・)
ちゃまる:(全力で理解しないといけないほどって・・・)
ちゃまる:『でも・・・』
ちゃまる:『気休めならいらんぷに』
ちゃまる:『みんな似たようなこと言うんだ』
ちゃまる:『でも強くなんかならないぷに』
おっちゃん:『そりゃそうだ』
ちゃまるはあっさり認められ意表をつかれたかのように言葉を失う。
おっちゃん:『お前、誰かにポリン以外の倒し方を習ったか?』
ちゃまる:『えっ?』
おっちゃん:『誰か戦い方を教えてくれたか?』
ちゃまる:『・・・』
確かに誰かに剣術を習った記憶はない。
兵のおっちゃんと剣術ごっこをしていたくらいだった。
おっちゃん:『いねぇだろ?』
おっちゃん:『それでできるやつは元々素質が違う』
おっちゃん:『人はな、1人じゃ生きられねぇくらい弱い生き物なんだ』
おっちゃんは『それでも1人で生きようとするやつは、もはや人じゃ無い』
おっちゃんは『ただの動物だ!』
ちゃまる:『な、なんかすごい差別。。』
おっちゃん:『人は寄り添い助け合って生き抜いた種族』
おっちゃん:『だから強くなれる』
おっちゃん:『教わってもいないことをできるようになるのは修羅の道だ』
おっちゃん:『並半端な気持ちやスキルじゃ無理だ』
おっちゃん:『お前は今、そこにいる』
おっちゃん:『だから強くなれないし前に進めない』
ちゃまる:『たしかに。。』
ちゃまるにとって、剣士の試験が最後の希望だった。
逆に落ちたことで潔く諦めもついていた。
でも戻ることもできなかった。
何も分からなかった。
ちゃまる:『誰にも教わってない』
ちゃまる:『教えてもらうことも無かったぷに』
ちゃまるは俯きながら悲しく悔しそうに、
何もしてこなかった記憶を思い返していた。