ちゃまる:(お母さん、きっと心配してるだろなぷに)
早く帰りたいと思う気持ちで兵士の後に付いていたが、
いろいろな想いや見慣れない景色への興味が
ちゃまるの注意力を拡散させる。
まるで何か幻術にかかったかのように意識は周囲へ奪われる。
ちゃまる:『あれ???』
気付けばちゃまるは兵士を見失ってしまっていた。
探せば探すほど兵士の姿は遠ざかるように跡形もなかった。
しかし、それは兵士も同じだった。
兵士:(マズイ、ならず者を取り逃した!)
兵士:(し、しかし、まだ誰も知らないなら会わなかったことに・・・)
兵士:(いや、それはあとあとバレたらまずい!)
兵士:(あいつ、どこに行きやがった!)
一方ちゃまるは・・・
ちゃまる:『やばいぷに。。迷子になったぷに!』
ちゃまるも慌てて兵士を探していた。
互いにタイミング良く探し合うことで、
より深みにハマり続ける2人。
何かの力が2人を引き離すように歯車が回り出す。
その歯車を止める唯一の手段にちゃまるは気付いた。
ちゃまる:『そ、そうだ、橋の上か宿に戻ろう』
歩き出そうと踏み出したとき、
心臓を押されたかのような鐘の音がちゃまるを貫ぬく。
それはこの街の時計塔から鳴り響いているようだった。
完全にちゃまるの出足を挫いて歯車は回り続ける。
ちゃまるがその時計塔を眺めていると、
視界に入る不思議な飾りのある建物に気が付いた。
ちゃまる:(これは・・・太陽・・・?)
ちゃまる:(なんだろう・・・)
ちゃまる:(どこかで・・・)
その建物には太陽のような装飾が施されている。
その刹那、ちゃまるの脳裏に言葉が蘇る。
謎の声:(太陽が沈むところ・・・)
まるで最初からこの場所へ誘われたかのように、
ちゃまるはその建物へ吸い込まれて行った。