ちゃまるは街の入り口付近まで走っていた。
再び生きるため細胞が活性化したように
身体は軽くいつも通りだった。
橋の上にはこの前の兵士らしき人物がいた。
ちゃまる:『あの!』
ちゃまる:『僕を助けてくれたのはあなたですか?』
ちゃまるは顔色を伺いながら話しかけた。
兵士:『ん?君は・・・この前の!?』
兵士:(なぜここに・・・)
ちゃまる:『この前はありがとうございましたぷに!』
ちゃまる:『おかげで元気になりました!』
兵士:『そ、それは良かった・・・』
兵士:『あれから3日ぐらいだったか?』
ちゃまる:『えっ?・・・3日ですか!?』
ちゃまる:『そんなに寝たの初めてぷに!』
兵士:(さて・・・どうしたものか)
兵士:(仕方ない、宿へ連れ戻しておくか)
ちゃまる:『いつもならお母さんに怒られるのに』
ちゃまる:『怒られてもらいいから会いたいぷに』
兵士:(母親か・・・同情を誘っているのか?)
兵士:(少し詮索しておくか)
兵士:『ところで君は何でこの街に来たんだ?』
兵士:『何か目的があったんだろ?』
ちゃまる:『目的??』
ちゃまるは少し考える素ぶりを見せた。
ちゃまる:『実は僕、剣士になりたくて試験を受けたんです』
兵士:『ん?剣士?』
兵士:『剣士の試験ならイズルードだろ?』
ちゃまる:『はい。試験は受けました。』
ちゃまる:『でも結果は全然ダメでした』
ちゃまる:『逆に剣士はあきらめろ』
ちゃまる:『剣士になりたいみんなの迷惑になるって言われて・・・』
兵士:『そ、そうか・・・ひどい言われようだな』
兵士:(それで例の噂を信じてこの街に来たのか)
兵士:(なら仕方ない・・・)
兵士:(ならず者はこうやって生まれる)
兵士:(芽は早いうちに摘まなくては)
ちゃまる:『でも、しょうがないんです』
ちゃまる:『だって僕はまだ・・・』
ちゃまる:『ポリンしか倒せないから・・・』
兵士:『・・・え?』
兵士:(ポリンしか倒せない・・・?)
兵士:(冗談キツいぜ・・・)
兵士:(ここはアルデバランだぞ?)
兵士:(ポリンどころじゃないだろ)
ちゃまる:『魔道士目指してて嫌で逃げて来たようなものだから』
兵士:『ははは!な、なんだ、そうだったのか』
兵士:(こいつ、本気で言ってるのか・・・。)
兵士:(最近のならず者は馬鹿なのか?)
兵士:(だがここに来た理由にはなっていない)
兵士:(念には念を入れておくか)
兵士:(最近は手が混んでいると聞くし)
兵士:『それで試験に落ちて何故この街に来た?』
ちゃまる:『実はイズルードで海賊に誘拐されてどこかの島に連れていかれたんです』
兵士:『何!?海賊だと!』
ちゃまる:『はい。でも隙を見て海に飛び込んで逃げたんです』
ちゃまる:『気づいたらこの街の近くに流れ着いたみたいで』
兵士:(海賊絡みが本当だとしたらマズイが)
兵士:(そもそも助かる見込みはないだろ)
兵士:(海賊の威光をチラつかせるとは・・・)
兵士:(確かに海賊が動き出した情報はある)
兵士:(この少年がそこまでキレるとは思えんが)
兵士:『そうだったのか・・・よく助かったな。』
兵士:『なるほど・・・よく分かったよ』
兵士:(最近、宿へ連れて行け、と言う命令が多いが、その線もあると言うことか)
兵士:『なら早速、君のご両親に連絡しなくては』
兵士:『とりあえずついて来てきなさい』
ちゃまる:『ありがとうございます!』
兵士:(上に報告してさっさと引き渡そう)
兵士:(ならず者ならまだしも)
兵士:(奴らに関わるのはごめんだ)
兵士はブツブツ考え事をしているようで、
あまりこちらを気にしていなかった。
ちゃまる。も家に戻れると分かると心が癒された。