鐘の音が徐々に身体に響き出してくる。
ちゃまる:『ここは・・・』
ちゃまる:『どこなんだろう・・・』
体の自由が許す限り、
鐘の音がする方向へ歩き続けるちゃまる。
ちゃまる:『あ・・・あれは』
ちゃまる:『街かな・・・』
鐘の音が響く先には大きな壁で囲まれていた。
薄れゆく視界の中、転がり込むように街の中へ入る。
街の中に兵士らしき人物が近寄って来た。
兵士:『君!大丈夫かい!?』
街の案内人らしき兵が心配して声をかけてきました。
ちゃまる:『なんとか・・・生きています。。』
兵士:『全く近頃のノービスは無茶ばかりしてるな』
兵士:(疲労困憊、顔色も悪い、体温低下、異様にずぶ濡れじゃないか)
兵士:『君もまた伝説や噂を信じ、修行しながらこの街に来たのか?』
ちゃまる:『伝説・・・噂・・・?』
兵士:『まぁ〜とりあえず宿が先だ』
兵士はちゃまるを背負い宿へ向かう。
背中に背負われ体を預けたちゃまる。
霞む視界から見える高さの世界。
心地よい温もりと定期的に揺れる振動。
幼き日の記憶が体感として蘇る。
ちゃまる:(なんか・・・懐かしい・・・)
ちゃまる:(この温かさ・・・この場所から見る世界)
背負われた視界にふと映る後ろ姿。
その姿から声が聞こえる。
謎の後ろ姿の声:(いつかお前も俺みたいに強くなれよ!)
その声は懐かしくも安心感のある声だった。
しかしその声は次第に小さく遠ざかって消えそうになる。
ちゃまる:(まっ・・・て!)
体を動かそうとした途端、全身に激痛が走る。
ちゃまる:(痛っ!?)
痛みに記憶はかき消され、
ちゃまるはそのまま意識を失ってしまった。
兵士:『またいつもの奴だ、あとは頼んだ』
女性:『最近多いわね』
女性:『まだこんな小さいのに可哀想ね』
兵士:『命令だから仕方ないさ』
微かに誰かの話し声が聞こえたが、
何を話しているかも分からず、
ちゃまるの意識はさらに深い闇へと吸い込まれていった。