2020年改訂版クリスマス・ソング・ベスト50(10位-1位) | …

i am so disapointed.

10. The Christmas Song (Merry Christmas)/Nat "King" Cole (1961)

 

ロバート・ウェルズとメル・トーメによって書かれたこの曲をナット・キング・コールが最初にレコーディングしたのは1946年だというが、今日、最もポピュラーになっているのは1961年にレコーディングされたバージョンだという。この曲は夏の暑い時期に涼しくなろうと寒い季節のことを想像しながら書かれたといわれていて、それが臨場感溢れる描写にも影響しているのかもしれない。

 

 

9. Wonderful Christmastime/Paul McCartney (1979)

 

ポール・マッカートニーが1979年にリリースしたクリスマスソング。甘すぎはしないだろうかという意見もあるようだが、浮遊感のあるシンセサイザーのイントロからして、個人的には大好きである。ウィングスの最後のアルバム「バック・トゥ・ジ・エッグ」の後にリリースされたソロ・シングルで、この次が「カミング・アップ」などを収録した「マッカートニーⅡ」であった。

 

 

8. Last Christmas/Wham! (1984)

 

1984年のクリスマスシーズンにリリースされたシングルだが、ジョージ・マイケルも参加したバンド・エイド「ドゥ・ゼイ・イッツ・クリスマス?」が全英シングル・チャートでずっと1位だったため、最高位は2位止まりであった。とはいえその後、クリスマスの超定番曲として長く親しまれるようになるのは周知の通りである。

 

 

7. Christmas Wrapping/The Waitresses (1981)

 

ニュー・ウェイヴなクリスマスソング。一人ぼっちのクリスマスのはずが買い忘れたものを買いに行ったスーパーマーケットでロマンスが生まれるというストーリーも楽しい。後にスパイス・ガールズやカイリー・ミノーグにもカバーされた。

 

 

6. クリスマス・イブ/山下達郎 (1983)

 

山下達郎が1983年の6月にリリースしたアルバム「MELODIES」の収録曲だったので、リアルタイマーは当時、季節はずれのクリスマスソングとしてこの曲を聴いた。この年の年末に初めてシングル・カットされた時のオリコン週間シングルランキングでの最高位は44位だが、1988年にJR東海のテレビCMで流れると人気が上昇し、翌年には遂に1位に輝くことになった。当時の時代背景もあり、日本のバブル期を象徴するヒット曲としても知られる。

 

 

5. White Christmas/Bing Crosby (1942)

 

究極のクリスマスソングといえば、一般的にこの曲ということになるのだろうか。オーセンティックでトラディショナルなサウンドとボーカルは、時代を超えて一瞬にしてクリスマスの気分を感じさせてくれる。

 

 

4. Christmas (Baby Please Come Home)/Darlene Love (1963)

 

ポップ・ミュージック史に残る素晴らしいクリスマスアルバム「クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター」に収録された曲。ウォール・オブ・サウンドな極上のサウンド・プロダクションに、ダーレン・ラヴの力強いボーカルがたまらなく良い。「グレムリン」「グッドフェローズ」といったポップ・カルチャー史において重要な映画でも聴くことができる。

 

 

3. Happy Christmas (War Is Over)/John Lennon & Yoko Ono (1971)

 

ポップ・ミュージックは純粋なラヴ・ソング等をも含め、政治的であることから逃れられることはできない、ということはまあ良いとして、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのプラスティック・オノ・バンド、ハーレム・コミュニティ・クワイアによってレコーディングされた「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」は、政治的であることに意識的である。この曲に知って、欧米では「メリー・クリスマス」と「ハッピー・ニュー・イヤー」というのはひとくくりするものなのか、というような感想を持った。

 

 

2. Fairytale Of New York/The Pogues (1987)

 

21世紀になってからイギリスのラジオで最もオンエアされたクリスマスソングがこの曲らしい。というところに、やっぱりイギリスのポップ・カルチャーが好きだな、と思わずにはいられない。かつての夢は破れ、永遠に失われてしまった酔いどれが妻と罵り合うのだが、根本的なところでは愛し合っているという素晴らしい内容。アイリッシュトラッド的なところもある音楽性や、紆余曲折の末に歌うことになったカースティ・マッコールのボーカル、さらにはそもそもエルヴィス・コステロの挑発にのるかたちで出来た曲かもしれないというようなトリビアまで含め、最高のクリアマスソングなのではないかと思う。

 

 

1. All I Want For Christmas Is You/Mariah Carey (1994)

 

そして、1位はマライア・キャリーの邦題「恋人たちのクリスマス」である。当時、インドネシアのホテルのテレビでこの曲のミュージック・ビデオを観ていたことをよく覚えている。キャッチ-ではあるがそれほど素晴らしいポップソングだと当時はあまり思ってはいなかったのだが、実はクリスマスソングのスタンダードやクラシックスなどをも踏まえ、この時点における最高を目指した結果、スタンダード化したのではないか、といまならば素直に評価ができる。アメリカではマライア・キャリーのクリスマスアルバム収録曲という扱いであり、当時、シングルではリリースされていなかった。そのため、全米シングル・チャートにもランクインしなかったのだが、その後、ダウンロードやストリーミング等も換算されるようになり、リリースから四半世紀後の2019年に遂にこの曲の知名度やクオリティーに相応しい1位に座に君臨したのだった。