2020年改訂版歴代で好きなアルバム・ベスト100(20位-11位)。 | …

i am so disappointed.

20. ファルセット/RYUTist (2020)

 

今年の7月にリリースされたばかりの、とても良いアルバム。RYUTistは新潟を拠点として活動するアイドルグループで、アイドルグループにもいろいろあるが、ギミックなどなくただただ良い音楽とパフォーマンスをやり続けているグループで、毎年、良い曲を出し続けていたのだが、この約3年振りとなるアルバムは期待を大きく上回るクオリティーである。プログレッシヴとオーガニックとエヴァーグリーンが黄金比的に入り混じっていて、懐かしいのに新しいのではなく、新しい上に懐かしい。ベスト・トラックも聴く人によって違うのではないだろうか。とにかくこのアルバムのリリースは、個人的な今年の重大事件の一つではある。それぐらい気に入っている。

 

 

19. Fear Of A Black Planet/Public Enemy (1990)

 

パブリック・エナミーの3作目のアルバム。映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」の主題歌になった「ファイト・ザ・パワー」も収録している。渋谷ロフトの1階にあったWAVEでこのアルバムがかかっているのを聴いて、これはまたさらにヤバいことになっているな、と思った。サウンドもラップも新しくて勢いがある。ヒップホップだが、当時のポップ・ミュージックのシーンにおいては、最高にロックンロールであり、ニュー・ウェイヴでもあった印象。

 

 

18. The Miseducation Of Lauryn Hill/Lauryn Hill (1998)

 

フージーズのローリン・ヒルがリリースした初めてのソロ・アルバムで、ヒップホップやR&Bといったジャンルを超えて、広範囲の音楽ファンに支持されていた印象がある。当時のインパクトも相当なものだったが、それ以降のメインストリームのポップスにあたえた影響も大きいように思え、先日に改訂された「ローリング・ストーン」誌のオールタイム・ベスト・アルバムのリストでトップ10に入ったのも大いに納得といったところである。当時、勤務していたショップで普段は洋楽をあまり聴かない女性スタッフまでもが、このアルバムを気に入ってよくかけていたことが思い出される。

 

 

17. The Velvet Underground And Nico/The Velvet Underground (1967)

 

伝説的な名盤としてアンディ・ウォーホールによるバナナのジャケットと、そのタイトルだけは知っていたアルバムだが、1986年に小田急相模原の駅の近くのビルにあったレコード店で、初めて購入した。ひじょうにアヴァンギャルドなレコードだと、本や雑誌では読んでいたのだが、1曲目の「サンデー・モーニング」はとてもおしゃれでポップだった。アルバム全体を聴くと、アンダーグラウンド的だったりアヴァンギャルドだったりするところもちゃんとあり、後にオルタナティヴだとかインディーだとか呼ばれるロックやポップスのベースとなるもののすべてが凝縮しているようにも思える。

 

 

16. Pet Sounds/The Beach Boys (1966)

 

ビーチ・ボーイズはハワイ育ちの早見優が好きだと言っていたので、ちゃんと聴くようになったのだが、もちろん最高であった。最初に旭川のミュージックショップ国原で買った「サマー・プレゼント」という日本で編集した2枚組ベスト・アルバムでは、初期のサーフィン/ホットロッド的な曲が大好きだったのに対し、途中からの曲はどことなく暗くていまひとつポップさに欠けるな、などと思っていた。しかし、いろいろな音楽を聴き続けるにつれ、実はその時期が音楽的には最も充実していたのだということが理解できるようになり、そのエッセンスが詰まっているようなのがこのアルバムであった。いろいろなオールタイム・ベストで上位に入っているが、個人的にもやはり大好きである。

 

 

15. Revolver/The Beatles (1966)

 

おそらくたまたまだとは思うのだが、少なくとも当時の私の周囲についていうならば、ビートルズのファンにはいけすかないタイプの人々が多かった。ビートルズは優等生、ローリング・ストーンズは不良が聴くものというようなイメージがなんとなくあり、もちろん不良の方がカッコよくてモテるので、私はローリング・ストーンズの方が好きだというキャラクター設定で、高校生活を送っていた。大学生の頃にCD化がはじまって、少しずつ買っていったのだが、「リボルバー」が最も好きで、それはいまも変わっていない。

 

 

14. The Queen Is Dead/The Smiths (1986)

 

松本伊代のコンサートを渋谷公会堂で観た後に、宇田川町にあった頃のタワーレコードで買って帰ったアルバム。ザ・スミスは音楽的にネオ・アコースティックに近いところもあるが、ボーカルが暗くて、ヨーデルみたいになることもあるな、ぐらいの印象だったのだが、働きたくないとか死にたいとかざっくりいうとそういうことも歌っている歌詞の世界に興味を持つようになってから、グッと思い入れが強くなっていった。少し仲よくなった女の子が初めて部屋に来た時に、一晩中、ザ・スミスのレコードをかけながらモリッシーの歌詞について解説し、なにもせずに明け方に帰したことについて、散々、愚痴を言われたと、後に彼女の友人から聞いた。しあわせになっていてくれたらいいな。極右化した現在のモリッシーについては、もちろんまったく興味がないが、それによって当時の素晴らしいレコードの価値が貶められるわけでもない。

 

 

13. The Holy Bible/Manic Street Preachers (1994)

 

マニック・ストリート・プリーチャーズからギタリストのリチャード・ジェームスが失踪する前の、最後のアルバム。ブリットポップの只中にはいたが、明らかに異彩を放っていたバンド。この後、よりメロディアスな楽曲で国民的な人気バンドになっていくのだが、知的でセクシーでギリギリなところがたまらなかったのは、このアルバムがピークだったように思える。当時、付き合っていた女子大学生が私と別れた後にこのバンドの追っかけと化して、遠征先の名古屋からスガキヤの味噌煮込みうどんが送られていた。いまごろはしあわせになっていてほしいと、心から願う(もうええって)。

 

 

12. It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back/Public Enemy (1988)

 

バブル景気に浮かれていた時代、厚木や相模原で岡村靖幸とエレファントカシマシばかり聴いていた。プリンスやスクリッティ・ポリッティやシャーデーやザ・スタイル・カウンシルやトーキング・ヘッズやジェームス・ブラウンやホール&オーツの最新アルバムも買ってはいたのだが、それほど夢中になってはいなかったと思われる。そして、パブリック・エナミーのこのアルバムだけが、圧倒的な肯定感と共に記憶されている。当時、中学2年ぐらいだった若者がブルーハーツを聴いていたようなテンションで、私はパブリック・エナミーを日常に必要としていたような気がする。現状に対する異議申し立てと、知的だが本気のブチ切れ具合というようなものが、ポップ・ミュージックというフォーマットを通じて、リアルに感じられたのであった。

 

 

11. Is This It/The Strokes (2001)

 

好きなタイプのポップ・ミュージックがメインストリームからほとんど消え失せ、いよいよ現役の新しい音楽ファンからは引退の時期かなと思っていた矢先、このニューヨーク出身のバンドによるデビュー・アルバムを聴いた。クールでセクシー、私がポップ・ミュージック、特に新しいバンドに対して求めていたものを高レベルで持ち合わせたバンドの登場であった。私がカッコいいと思っていたものはけして間違いではなかったのだと思えたし、この頃から良いと思えるようなバンドが次々とブレイクしていった。あれから19年、繰り返し何度も聴いているのだが、まったくムダがない、完璧に近いギター・ロック・アルバムだと思う。