80. シャングリラ/チャットモンチー
徳島県出身のロックバンド、チャットモンチーが3人組だった2006年にリリースし、オリコン週間シングルランキングで最高6位を記録した曲。川に落としてしまい、流れていく携帯電話を笹舟に例えた歌詞が印象的である。絶妙に微妙なコミュニケーションの感じや感情の機微などを、ポップでキュートなロックで表現した稀有なバンドであった。
79. エヴリデイ/Jitterin' Jinn
1989年に放送を開始したオーディション番組「三宅裕司のいかすバンド天国」は良くも悪くもロック人口の増加、及び低年齢化に大いに貢献したといえる。この番組にはいわゆるビートパンクと呼ばれるタイプ以外にもユニークな音楽性を持ったバンド、アーティストが多数出演していた。スカを取り入れたサウンドとクールなボーカルが特徴のJitterin' Jinnもこの番組への出演をきっかけに広く知られることになった。この曲はデビュー・シングルにあたり、オリコン週間シングルランキングで最高9位を記録した。ボーカルとドラムスが女性、ベースとギターが男性という編成も良かった。
78. そばかす/JUDY AND MARY
JUDY AND MARYが1996年にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングではバンドにとって初となる1位を記録した。「想い出はいつもキレイだけど それだけじゃおなかがすくわ」というキラーフレーズも書いているボーカルのYUKIは、ポップ・アイコンとしても絶大な人気を得ていた。
77. 君は薔薇より美しい/布施明
布施明が1979年にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高8位を記録した。ゴージャスなサウンドと男前なボーカルに魅力は、年を経ても色褪せることがない。カネボウ化粧品のCMソングでもあり、それに出演していたオリビア・ハッセーと国際結婚(後に離婚)したことも話題になった。エハラマサヒロのパロディーネタは下劣だが笑える。
76. マジックミラー/大森靖子
大森靖子が2015年にリリースしたシングルで、アルバム「TOKYO BLACK HOLE」にも収録された。まず、道重さゆみファンのアーティストとして大森靖子のことは知ったのだが、当初は本人を直視できないほどだったにもかかわらず、後に楽曲提供やライブでの共演などを果たしていった過程は感動的である。表現者として誠実であると同時に、ポップアイコンとしての覚悟も明確に宣言したこの曲を、道重さゆみが好きだと言ったことの意味はかなり濃い。
75. サーカスナイト/七尾旅人
七尾旅人が2012年にリリースしたシングル。ソウル・ミュージックのメロウで魂を救う感じを日本のポップ・ミュージックで実現した素晴らしい楽曲である。
74. 微笑がえし/キャンディーズ
キャンディーズが解散直前の1978年2月にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングでは最初で最後の1位を記録した。グループの解散と恋人同士の別れをダブルミーニング化しつつ、「おかしくって涙が出そう」という感覚、歌詞に過去のヒット曲のタイトルをちりばめるという仕掛け、です・ます調の歌詞など、ひじょうに内容が濃く、それでいてさりげなさもある素敵な曲である。
73. Fade Out/小泉今日子
「花の82年組」などともいわれ、1982年デビューの女性アイドルには人気者が多かった。小泉今日子はその後、サブカルチャー、文化人方面からも受けが良く、現在の立ち位置に至るまで、同世代として実に誇らく思える。この曲は1989年リリースで、当時、最先端のポップ・ミュージックであったハウスを取り入れている。プロデュースは近田春夫で、歌謡曲的な下世話さとのバランスが絶妙である。オリコン週間シングルランキングでは、最高2位を記録した。
72. 硝子の少年/Kinki Kids
Kinki Kidsが1997年にリリースしたデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングで3週連続1位を記録した。作曲・編曲は山下達郎で、ソウル・ミュージックでジャニーズ・ポップスで、絶妙にウェットなところがとても良い。
71. 恋するフォーチュンクッキー/AKB48
AKB48が2013年にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングでは当然のように1位を記録した。当初はいわゆるへたれキャラだった指原莉乃が「AKB48総選挙」で初の1位に輝き、センターを取った曲でもある。いわゆる良質なポップスファンにもアピールしそうな感じのが路線を狙い、なんとなくそんな感じにもなったので成功だったのではないかと思う。
70. ファンタジー/岩崎宏美
岩崎宏美のデビュー当時というのは歌唱力が抜群な上に筒美京平の素晴らしいディスコ歌謡で、最高であった。当時、小学生だった私が初めてとても良いと思った音楽で、その感覚は完全に正しかった。「ロマンス」「センチメンタル」などの方が代表曲だという事実に異論はまったく無いが、やはりこの「ファンタジー」が一番良いと思うのである。1976年にリリースされたこの曲を北海道の苫前町という小さな町の本屋で聴いた私は、初めて切なさという感覚を理解したような気がする。そして、まだ見たことも乗ったこともない「地下鉄」という単語が、都会へのファンタジーをかき立ててくれた。オリコン週間シングルランキングでは、最高2位を記録している。
69. 愛は心の仕事です/ラ・ムー
人気アイドルの菊池桃子がロックに挑戦と話題になったのがラ・ムーというバンドで、この曲は1988年にリリースされたデビュー・シングルである。実際にはロックというよりは、ブラック・コンテンポラリーなどと呼ばれる音楽に近かった。サウンドはそんな感じなのだが、菊池桃子のボーカルはまったく変わらなく、当時はネタとして消費されたり、失敗というイメージだったような気がする。それがいまや、シティ・ポップの文脈で再評価されているのだから、分からないものである。そして、確かにカッコいい。個人的には、「Tokyo野蛮人」もかなり好きである。
68. My Revolution/渡辺美里
渡辺美里と私とは学年が同じで、尾崎豊や岡村靖幸よりは1年下である。高校卒業と同時に上京し、予備校に通って二年目の大学受験の頃に、この曲がヒットしていた。オリコン週間シングルランキングで1位である。その優等生的な感じがなんとなく鼻につき、当初は好きだと認めることができなかった。中森明夫が「東京トンガリキッズ」の登場人物に言わせていた、音楽はヤマハ系だが顔がニュー・ウェイヴなので良い、というような意見が一番しっくりきた。
67. プレイバックPart2/山口百恵
山口百恵が1978年にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。人気絶頂の流行歌手が自立した女性のようなイメージを歌ったという点が、当時としてはエポックメイキングでもあったような印象である。沢田研二「勝手にしやがれ」への言及、スーパーカーブームの最中、歌詞にはポルシェだが、NHKでは特定な社名が歌えず変更、テープを巻き戻すプレイバックという手法など、ポップ・ソングとしての情報量も多くて楽しい。
66. フレンズ/レベッカ
レベッカが1985年にリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。中山秀征が主演していたテレビドラマ「ハーフポテトな俺たち」でも、カップリングの「ガールズブラボー!」と共に流れていた。80年代的なトレンド最先端からこぼれ落ちたサイレントマジョリティー的な若者たちに絶大に支持されていたような印象がある。
65. ワインレッドの心/安全地帯
安全地帯が1983年にリリースしたシングルで、翌年にオリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。地元の旭川では名前ぐらいは結構、知られていたのだが、その音楽を実際に聴いたことがある人はそれほど多くなかったのではないだろうか。やはり、玉置浩二のボーカルである。「ミュージック・マガジン」の「クロス・レヴュー」で中村とうようがこれのどおこが「安全」なのだ、というようなことを書いていたのが印象的である。
64. 哀愁でいと/田原俊彦
田原俊彦が1980年にリリースしたデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高2位を記録した。テレビドラマ「3年B組金八先生」に生徒役で出演して人気が出たことがデビューのきっかけになったと思われるが、「ザ・ベストテン」に初登場した時の印象は実に鮮烈であった。ライトでポップな80年代、そして、新しいアイドルポップスの時代はこの曲から始まったのではないかと思える。オリジナルはレイフ・ギャレットの「ニューヨーク・シティ・ナイト」、歌詞やタイトルに平仮名の「でいと」を入れようというのはジャニー喜多川の意見だったという。
63. 愛の才能/川本真琴
川本真琴が1996年にリリースしたデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングで最高17位を記録した。小室哲哉のプロデューサーとしての大成功を受けてか、1990年代半ばあたりにはアーティストによる音楽プロデュースというのがわりと流行った。この曲は岡村靖幸のプロデュースであり、学園での抑圧された過剰なエネルギーとでもいうようなものが感じられて、とても良かった。
62. サイレントマジョリティー/欅坂46
欅坂46が2016年にリリースしたデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングで1位を記録した。秋元康の歌詞に時々あらわれる、若者の反抗精神のようなものが、私はまあまあ好きなのではないかと思う。若者向けの商業音楽として、真っ当な方だと思えるからである。「君は君らしく生きていく自由があるんだ 大人たちに支配されるな」という歌詞を、たとえば支配する側の大人が書いていたとしても、冷笑や傍観をしていた方が利口だというような意見よりはずっとまともなメッセージだと思う。
61. ポリリズム/Perfume
Perfumeが2007年にリリースし、オリコン週間ランキングで最高7位を記録した。テクノポップ的なアイドルポップスというジャンルを、プロデューサーの中田ヤスタカと共にポピュラーにした功績は大きい。そして、広島のローカルアイドルグループが時代の最先端を象徴するようなクールでトレンディーな存在になってしまったというのもなかなか素敵である。