aikoで好きな曲ベスト10。 | …

i am so disappointed.

aikoの全楽曲が配信開始ということで大変めでたいので、個人的に好きな10曲をいまの気分で選んでカウントダウンしていきたい。

 
10. キラキラ
 
2005年の夏にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した人気曲。離れている時間が長かったとしても、その人のことを想い、強い気持ちを認識するだけで満たされていくような感じをヴィヴィッドに表現した素晴らしい曲。帰ってくる前に世界が終わったとしたら、風になってでも待っているというところが感動的である。
 
 
9. 横顔
 
aikoのポップスは心地好いグッド・ミュージックとしても楽しむことができるのだが、能動的に没入して聴くことにより、あたかも自分が恋をしている女性であるかのような気分になり、その視点で世界を見るという体験にもつながる。「星のない世界」との両A面シングルとして2007年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録したこの曲などはその最たるもので、「あなたをとても愛しい」というようなフレーズを、これまで知っていたよりもずっと深いリアリティーをともなって感じることができる。
 
 
8. ボーイフレンド
 
2000年にリリースされたヒットシングルで、オリコン週間シングルランキングでは初の最高2位を記録した。溢れ出るような若い恋の気分に満ち溢れ、躍動感が感じられる初期の代表曲である。「あぁ テトラポット登って てっぺん先睨んで 宇宙に靴飛ばそう」というフレーズが素晴らしい。
 
 
7. カブトムシ
 
1999年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高8位を記録した、J-POP史に残る名曲。「少し背の高い あなたの耳によせたおでこ 甘い匂いに誘われた わたしはかぶとむし」と、恋をしている自分自身を甲虫にたとえた歌詞はとてもユニークだが、それでいて共感を呼ぶ力を持っている。
 
 
6. 花火
 
1999年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高10位を記録、メジャー3枚目のシングルにして初のトップ10入りを果たした。「夏の星座にぶらさがって 上から花火を見下ろして」という文学的なイメージ、そして、「こんなに好きなんです しかたないんです」という感情の吐露。恋を知り、その痛みに苦しむすべての人々に永遠に寄り添い続けるクラシックである。
 
 
5. ストロー
 
2018年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高6位を記録した。初期の代表曲も素晴らしいが、近年になってからのいくつかの作品こそが真骨頂ではないかと、個人的には考えている。特に、この「ストロー」である。「君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる」という歌いだしの歌詞にすべては凝縮されているのだが、日常のささやかな幸せはけして当たり前ではなく、なんて尊くて奇跡なのだろうと気づかせてくれるような楽曲である。様々な人生経験を経てきたからこそたどり着いた境地だとも思え、若者にもうけるキャッチーさがありながら、大人には軽い感動すらあたえるのではないか。
 
 
4. 雲は白リンゴは赤
 
個人的にホーンの入った曲が大好きということで、この高順位である。2006年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。ノリが良いサウンドが完全に好みなのだが、歌詞は終わった恋からまだ立ち直れずにいる、しかも季節は夏というなかなかグッとくるものである。リンゴは赤のリンゴはリンゴ飴であり、「水風船が割れた」から夏祭りのイメージ、思い出の道はかげろうで揺れている。これもまた、この類い稀なアーティストの1つの真骨頂ではないかと思う。ノリノリなのに泣けてくるという、素晴らしい作品。
 
 
3. 三国駅
 
三国駅はaikoが学生時代までを過ごした大阪の地元の実在の駅である。個人的なことは普遍的なことであり、現在と過去と自分自身について歌われたこの曲は、私を含む三国駅など実際のところ見たことがない人々の心にも確実に響く。「スカート揺れる光の中の あの日に決して恥じないように」という凛としたフレーズに背筋を正される。また、この曲はボーカルパフォーマンスも特に素晴らしくて、あえて淡々と歌われていると思いきや、「繋いだ手を離したくない」などのところで息継ぎをせず長く歌われ、この緩急というかメリハリがとても効果的だと思うのだ。卒業式をモチーフとしたミュージックビデオも素晴らしく、この季節にはぴったりで、良質な短編映画を観た後のような充足感がある。ポップ・ミュージックを体験することは青春を生き直すことでもあるな、と思わされる。
 
 
2. 青空
 
2020年にリリースされたばかりの最新シングルである。シティ・ポップリバイバルに対するaikoからの回答、ということではないと思うが、そんなふうにも思えるとても良い曲。失恋ソングのマエストロとでもいうべきaikoがまたしてもその技を研ぎ澄ましてきたな、というような印象を受けた。すべてが素晴らしいのだが、たとえば「あなたにもう逢えないと思うと 体を脱いでしまいたいほど苦しくて悲しい」などという表現である。また、「ちょっと唇に力入れて 何にでも頷いてって今思い返すと馬鹿みたいだな」と、かつて文豪の坂口安吾が恋愛とはいかにも馬鹿げたものだが、人生にこの外に花はないという真実(と、私は思っているのだが)を書いたのと、ほぼ同じ主題が扱われていると思われる。ここのやや自虐的につき放したようなニュアンスがありながらも、それでもそれこそが本当に尊いし、それを失ったことを悲しく思うという本質が伝わる人には伝わるところが、まったく天才的だと思うのである。それでいて、サウンドはシティ・ポップリバイバルに対する回答(だと私は勝手に思っている)だから。
 
 
1. KissHug
 
それでも、個人的な1位はやはり2008年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録したこの曲なのである。失恋ソングである。そして、この曲を私が初めて聴いたのはaikoが歌うオリジナル音源ではなく、とある20代の女性(当時)が歌うカラオケであったこともとりあえず告白しておく(知らんがな)。しかし、名曲である。今日もこのベスト10をつくるために日野市内のイオンモールを歩きながらiPhoneで聴いていたら、心がかき乱されてひじょうにまずかった。好きな人のことをその姿が見えなくなるまで見送ったという経験は多くの人にとって身に覚えのある経験だと思うのだが、この曲においては「暑い帰り道に見えなくなるまで」の後に「本当に小さくなるまで見ていた」、さらに「あなたが好きだったの」と過去形かと思いきや、「今も今も」と大事なことなので2度繰り返される。そして、ピアノの演奏がまたこの内容に合っていて、すごく良いのだ。とにかく、人生において最も素晴らしいことというのは恋愛であり、それについて苦いも甘いも知り尽くしているようにも思える、aikoの極上のポップソングの数々は、まさに至宝だといえるのである。