「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」について。 | …

i am so disapointed.

アルトじゃーーないと!

 

という訳で、渋谷TOEIで「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」という映画を観てきた。このブログを普段からお読みいただいている方々はご存知のとおり、私は特撮ファンでもなんでもない。「仮面ライダー」についても、子供の頃に観ていたいわゆる昭和ライダーで記憶や知識が止まっている。「仮面ライダー」シリーズはやっていない時期も何度かあったが、その後、平成、令和と長きにわたって続いているようだ。そして、いまや子供だけではなく、大人が観ても楽しめる内容になっているという話はなんとなく知っていた。しかし、観るきっかけというのがまったく無かったし、おそらく今後も観ることはないのだろうと思っていた。

 

気になる人やもののことをもっと知りたいと思って調べているうちに、関連するものを観たり聴いたり読んだりもするのだが、その過程でそれまでまったく興味がなかったり、むしろ苦手だと思っていたものが思いがけず好きになるということは、私の場合、わりとよくあることで、それだけ良くいえば柔軟で、悪くいえば節操がないということになるのだろう。

 

今回もモーニング娘。’20の横山玲奈のことを少し前から良いなと思っていろいろ調べていると、「仮面ライダー」好きということが分かったのである。弟に影響されて好きになったところが大きいようで、昨年末から公開されたこの映画も、弟と一緒に観に行ったようである。横山玲奈が好きなものについて話す時の熱量がとても好きなのだが、先日、明石家さんまの不在時に放送された「モーニング娘。’20のMBSヤングタウン」において、リスナーのメールでこの映画についてふれられた時、番組のリスナー層を意識したであろう丁度いい触れ方をしていて、また好感度が上がった。クリスマスには毎年、「仮面ライダー」のケーキを食べているようだ。

 

昨年の9月から放送が開始されたシリーズ最新作「仮面ライダーゼロワン」について調べてみると、AI(人口知能)がテーマになっていたり、主人公である仮面ライダーゼロワンの正体がお笑い芸人で社長など、なかなかイメージが膨らまなかった。それでこれは実際に観てみようと、東映特撮ファンクラブというのに登録してみた。これが面白くて、1日に平均2話、現在のところ第12話まで観ているので、このペースでいくと近いうちに毎週日曜日の放送に追いつく。

 

私が子供の頃に観ていた「仮面ライダー」シリーズと比べると、グラフィックやサウンドがものすごく進化していて、とてもカッコよくなっている。最新のテクノロジーが駆使されている印象を受ける。それでいて、根本的には人類滅亡を企む悪の組織との戦いを描いているところは変わ)らない。変身シーンや敵との対決が見せ場なのも変わらずだが、近い将来に現実化するといわれているAI(人工知能)の本格的な人間社会進出というテーマを扱い、労働の価値や夢や情熱の大切さを訴えているところがなかなか深いと思った。昔の「仮面ライダー」シリーズにも社会問題を取り上げたりなんらかのメッセージ性があったりしたのかもしれないが、当時、子供だった私はライダーと怪人の対決シーンだけを楽しみにしていて、人間しか登場していないシーンの記憶はほとんど無い。

 

テクノロジーを扱っている一方で、ストーリーでは人間らしさがとても大切にされているようにも感じられ、わりとベタな部分もあるところが、私のような者が観ても楽しめる要因であろう。そして、シリアスでダークなトーンが印象的な場面もあれば、コミカルなシーンもあり、この辺りの緩急も絶妙である。そして、若手俳優やファッションモデルによって演じられているキャストが実に魅力的である。

 

今回の映画にはこの「仮面ライダーゼロワン」と、前作にあたる「仮面ライダージオウ」が登場しているが、テレビシリーズの総集編的なものではなく、独立したストーリーであり、それでいてテレビシリーズを補完するような要素もある。ギリシア神話にはじまり、「スター・ウォーズ」なども含む、定番的なテーマである父親超えの要素もある。「仮面ライダー」シリーズの対決シーンは子供だったからこそ楽しめたのだが、大人になってから観ても面白いものだろうかという先入観もあったのだが、実際にはとても見ごたえがあり、要はチャンバラや西部劇やアクションヒーローものなどと同じく、オーセンティックなエンターテインメントの系譜にこれも連なるものなのだと思った。

 

ストーリーにはパラレルワールド的であったり、タイムトラベル的な要素もあり、果たしてこれをおそらくメイン・ターゲットであろう子供達が理解できるのだろうかという懸念もあるのだが、とにかくカッコよくてシビれるだけでも十分なのだろうとも思う。