昭和60年度の日本でヒットしたポップス(4) | …

i am so disapointed.

今回は1986年2月10日付のオリコン週間シングルランキングで、20位以内に初登場した曲について取り上げていきたい。

 

くちびるNetwork/岡田有希子

 

1984年にデビューしたアイドル歌手、岡田有希子にとって8枚目となるシングルで、初の1位を記録した。作詞は事務所の先輩であり、当時は結婚後の活動休止中であった松田聖子(クレジットはSeiko)、作曲は坂本龍一、編曲はムーンライダースのかしぶち哲郎が手がけている。カネボウ化粧品のCMソングとしてテレビでよく流れていたことも、大きなヒットに繋がった要因だと思われる。誘惑めいた歌詞ではあるが、軽快な曲調とキュートなヴォーカルがそれを中和し、絶妙なポップ感覚を実現している。これが岡田有希子にとって、生前最後のシングルとなった。

 

 

 

バレンタイン・キッス/国生さゆり

 

おニャン子クラブの会員番号8番、国生さゆりのソロ・デビュー・シングルで、後に長年にわたりバレンタインデーの定番ソングとなる。おニャン子クラブ関連のシングルとしては、1986年になってから新田恵利「冬のオペラグラス」、うしろゆびさされ組「バナナの涙」と続けて1位を記録したが、この曲は岡田有希子「くちびるNetwork」、中森明菜「DESIRE」に阻まれ、2週連続の2位に終わっている。作詞は秋元康、作曲は瀬井広明、編曲は佐藤準が手がけている。アメリカン・ポップス風のメロディーは当初、バンドの曲として売り込まれたものだという。レコードのジャケットでは国生さゆりwithおニャン子クラブとなっていて、白石麻子、渡辺美奈代がバックコーラスを務めていた。

 

 

 

悲しいな/杉浦幸

 

テレビドラマ「ヤヌスの鏡」に主演していたアイドル、杉浦幸のデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高4位を記録した。作詞を売野雅勇、作曲を岸正之、編曲を若草恵が手がけている。不安げな表情と切ない楽曲とがマッチしていた印象がある。西村知美、島田奈美などと同じ、グラビア雑誌「Momoco」のモモコクラブ出身である。

 

 

 

トラ!トラ!トラ!/シブがき隊

 

2月3日付のランキングで最高位でもある4位に初登場していたのだが、前回、取り上げ損ねてしまった、シブがき隊による16枚目のシングルである。タイトルは太平洋戦争のはじまりとなった、真珠湾攻撃を知らせる電信、また、それを題材とした映画から取られていると思われる。また、この年の干支が寅年であったことも、おそらく関係しているのだろう。作詞は森雪之丞、作曲は後藤次利、編曲は鷺巣詩郎である。

 

 

 

スシ食いねェ!/シブがき隊

 

「トラ!トラ!トラ!」の翌週にリリースされた、シブがき隊による17枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高10位を記録した。NHK「みんなのうた」で1985年12月から放送されていたノベルティー・ソングで、大晦日の「第36回NHK紅白歌合戦」においては、レコードがまだリリースされていないにもかかわらず、この曲がパフォーマンスされたようである。最高位は10位だが、セールスはこれ以降、より上位にランクインしたどのシングルよりも高い。4月には英語バージョンの「OH!SUSHI」がリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高17位を記録するが、その後も寿司ソングの定番として長く愛されることになった。作詞は岡田冨美子・S.I.S.、作曲はTZこと後藤次利、編曲は鷺巣詩郎である。

 

 

 

夢しずく/五木ひろし

 

五木ひろしが1985年10月25日にリリースした64枚目のシングルで、作詞を松井由利夫、作曲を岡千秋、編曲を斉藤恒夫が手がけている。オリコン週間シングルランキングでの最高位は17位である。五木ひろしはこの後、1986年4月25日にテレビドラマ「私鉄沿線97分署」の主題歌として、ポップスである「当日・消印・有効」をブービーズというユニットでリリースしている