ニューヨーク州ブルックリン出身の3ピース・インディー・ロック・バンド、サンフラワー・ビーンが4曲入りEP「キング・オブ・デューズ」をリリースした。
2016年にリリースされたデビュー・アルバム「ヒューマン・セレモニー」はクールなインディー・ロックでかなり好きだったのだが、2018年のアルバム「トゥエンティー・トゥー・イン・ブルー」ではかなりポップなアプローチになり、これからはこの路線でいくのかなと思いきや、このEPではまた音楽性を変えてきている。
1980年代にひじょうにポピュラーではあったのだが、その後のポップ・ミュージック史において名盤として評価されてはいないようなタイプの音楽、パット・ベネターとかその辺りを思わせなくもない。ジュリア・カミングのシャウト系ロック・ヴォーカルがどこか新鮮で、もはや新しいのか懐かしいのかよく分からないのだが、間違いなくこれはかなり好きだということはいえる。
青春映画のサウンドトラックで使われていて、特にそれほど深い意味はないのだが、気分が良いポップ・ロック、そのような感じもするのだが、これを現在のインディー・ロック・バンドがやっているというのがおもしろい。しかも、前作ではかなり完成度の高いポップスをやっていたはずであり、音楽メディアの評価も高かったが、個人的にはデビュー・アルバムの頃に感じていた魅力が少し失われたような感じもあり、やや残念にも思っていたのだが、このEPでまたよく分からなくなってきた。
ジャケットには缶コーラのようなものが弾けているイラストが描かれているが、これがまさにこのEPの内容をあらわしているようである。スカッとさわやかな炭酸飲料系、しかも強めのポップ・ロックであり、刺激はあるのだが特に深い意味は感じない。しかし、むしろそこが魅力になっているようでもある。それはおそらく、やはり青春映画にありがちな性的衝動が根底にあるからだろう。そして、もしかするといまどきのインディー・ロック・シーンには、それがやや不足しているのかもしれない。
たとえば1990年代のスウェードだとか、2000年代のザ・ストロークスが出てきた時に、私が強く反応した理由として、当時のシーンに不足していたセクシュアルな要素というのひじょうに大きかったのだが、サンフラワー・ビーンのこのEPについても、同じような感覚を覚えなくもない。
それにしてもいままでのところ、このバンドについては本質がいまひとつつかめていないのだが、とにかく卓越したポップ・センスは間違いがないようで、今後、どのように展開していくのかが楽しみではある。
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