日本のヒップホップアイドルユニット、lyrical schoolのニュー・シングル「Tokyo Burnin’/Cookin’ feat. Young Hustle」がリリースされた。これは2018年12月25日にリリースされた「パジャマパーティー/シャープペンシル feat. SUSHIBOYS」に続く、2ヶ月連続しての両A面シングルとなる。
lyrical schoolは2010年にtengal6として活動を開始、2012年に現在のグループ名に改名している。その後、何度かのメンバー・チェンジの後、現在のメンバー編成になったのは2017年4月である。5人のメンバーのうち、hinako、yuu、risanoはこの時に加入、minanは2013年、himeは2015年からのメンバーである。
現在のメンバーになってから初めてのリリースは2017年7月18日に発売された「夏休みのBABY」であり、私はこの曲をこの年に最も気に入った楽曲に選んだ。しかし、この時点で顔と名前が一致していたメンバーはrisanoのみ、それは8月15日に雨の代々木公園で行われたNegiccoとの野外フリーライブ(オープニング・アクトは素晴らしいアルバムを発表したばかりのWHY@DOLLであった)で初めて観た時に、そのポジティヴなエネルギーに溢れたパフォーマンスが強く印象に残ったからだ。
私はアイドルポップスを純粋にポップ・ミュージックのサブジャンルとして、楽曲のみで楽しむことが多いため、かなり気に入っていたとしてもグループのメンバーやその他の情報についてはほとんど知らないということがよくあるのだった。そんな状態が続き、2018年の6月、lyrical schoolの新曲「常夏リターン」を、スチャダラパーのメンバーとかせきさいだぁが手がけているというニュースを知った。その時点ですでにミュージック・ビデオも完成していて、さっそく視聴してみたところ、すぐに気に入った。1995年にリリースされたスチャダラパー「サマージャム‘95」に対するアンサー的な部分もあって、そこも大好きなポイントであった。この曲を収録したアルバム「WORLD’S END」はコンセプトアルバムのようなところもあり、トータル的に素晴らしく、かなり気に入ってよく聴いていた。
アイドルポップスにヒップホップを取り入れた音楽というのはよくあるのだが、lyrical schoolの場合はまずヒップホップありきというところがあり、その傾向はここのところさらに強まっているような印象を受ける。メンバーのhimeは父がヒップホップが好きで、子供の頃から2パックなどを聴いて育ったのだという。ラップのスキルもどんどん高くなっているような印象があり、アイドルのCDをグッズの一種として見るようなタイプの人から見ると、そんなにスキルを追求してどうするのか、という意見も目にしたことがある。しかし、私のようなミーハーなポップ・ミュージック好きからしてみると、どんどんたまらない方向性になっているわけである。
「夏休みのBABY」「常夏リターン」の他にもlyrical schoolには夏をテーマにした人気曲が多く、なにかと夏の印象も強い。そして、この冬は2ヶ月連続しての両A面シングルなのだが、いずれも1曲はヒップホップ・アーティストのコラボレーションとなっている。
2018年12月にリリースされたシングル収録曲のうち、「パジャマパーティー」はこれまでよりもポップでキャッチーな曲で新機軸を感じさせた一方、「シャープペンシル feat. SUSHIBOYS」はよりヒップホップ寄りだが、聴けば聴くほど良くなってきて、先日、偶然に有線放送でかかっていた時には、思わず立ち止まって聴き入ってしまった。
そして、2019年1月22日にリリースされた最新シングル収録曲のうち、「Tokyo Burnin’」だが、元旦にミュージック・ビデオが公開され、私はそれで初めて聴いた。これもまた、とても新しい。作詞・作曲・編曲は、RIP SLYMEのメンバーとしても活躍してきたPESであり、メロディーのあるフロウを生かした楽曲は持ち味で、それがlyrical schoolの新たな魅力を引き出している。アイドルのシングルとして考えた場合、あまりにも地味なのではないかという印象を、さすがの私でも持ったわけだが、聴いているとじわじわ良くなり、中毒的な快感にまで至っているような状態である。
不確かな時代において、確実に信じられるものは燃えるような恋の気分であろう。ド派手に弾けるというよりは、じわじわと高まっていく感じ、それがリアルに音像化されているようでもある。
もう1曲は「Cookin’ feat. YOUNG HUSTLE」で、タイトルにもあるように、ヒップホップ・アーティスト、Young Hustleとのコラボレーションとなっている。テーマは料理であり、ダークな楽曲とキュートなラップとが絶妙な化学反応を生んでいる。
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