新潟を拠点とするアイドルグループ、NGT48のことについては現在もほぼなにも知らないに等しいのだが、先日、情報のインプットをしている時にたまたま見かけ、なぜか気になった一件以来、なんとなくことの行方を注視しているようなところがある。おそらく心のどこか深いところに引っかかる部分があるのだろう。
というか、実はよく分かっていて、私が日常生活の中で日々戦っている性暴力や性差別の問題、そして、個人と組織との関係性についてのテーマを内包しているため、とても他人事には思えないし、絶望的な気分になりながらも怒りで腸が煮えくり返り、社会の中で自分が為すべきことについて、より一層深く考えることにもなっているのである。
仕事の休憩時間にツイッターのタイムラインを追いかけ、少し時間が残っていたので、またしてもNGT48についてのツイートを読んでいた。真夜中に支配人が交替したというニュースが流れ、他にもいろいろ見ているうちに明け方の5時近くになっていたので、さすがに仕事に支障が出るだろうと思い、iPhoneのアプリケーションを閉じて眠ったのであった。それにしても、気になりすぎというものである。なぜこの件がこんなにも気になるのかということについては、先ほど書いた理由によるのだが、それにしても気になり過ぎである。気になると集中的に没頭し、なんとなくやり尽くすとすっかり飽きる、というのは私にはよくあるパターンであり、おそらく今回もそうなるのだが、いまのところまだ気がかりなので、他に書きたいこともいろいろあるのだが、その時に最も興味があることを書くというコンセプトに則って、今回もこの件について書きたい。
休憩時間の残りはあと少しで、もうすぐ仕事に戻らなければいけないのだが、今回の件における被害者であるメンバーが過去にインターネットで配信した内容を、おそらくファンが編集したと思われるものが流れてきた。それほど長くはないようだったので、興味本位で見てみた。
プライベートな感じがするまったりしたムードの中で、今回、被害者となったメンバーが話している。いつ頃の映像かは、定かでない。ファンが書き込んだコメントを読みながら話しているようである。「好きです。付き合ってください」と、こういうのはアイドルのファンがつい書いてしまうものであろう。それに対し、このメンバーは次のように返答する。
「アイドルをしてる時は私は誰とも付き合わないって決めてるの。軽い女じゃないわ」
私はNGK48のことをほとんど知らないため、もちろんこのメンバーがどのようなタイプのアイドルなのかまったく知らない。正統的な美少女ともいえるルックスでありながら、話し方はとてもまったりしているような印象を受ける。もしかすると、これが魅力の1つなのだろうか。そんな口調とは裏腹に、話している内容には芯の強さを感じる。
「軽い女じゃないわ」に対する、「重い女なのね」というファンの書き込みに対しては、「そういうことじゃないよ」と言って、少しふくれたような表情をつくる。そして、次のように話していた。
「そんなね、ホイホイホイホイってね、遊ぶようなね、アイドルじゃないってこと。遊びたいなら辞めた方がいい。そんなの見てても嫌になる」
彼女のことを信じてるから大丈夫、という内容のファンからのコメントに対しては、次のように発言する。
「もう信じるとか信じないとかない。なんも無いから別に信じなくてもいい。なんにも出てこないから。『信じてください』なんて言わないよ。別に『信じてください』まで言うことなんてなんも無いもん。疑われるようなことさえしてない」
アイドルがみんな彼女のようならいいのに、というコメントに対しては、次のように語る。
「ね、アイドルみんな恋愛禁止にさぁ、もうさ、契約書もそうだったんだからね、恋愛したら卒業みたいにもっと厳しくいけばいいのに。恋愛してる時点でアイドルじゃないと思うので。まあ、片想いはいいみたいなのよくありますけど。どうせ片想いなんてしたら集中できなくなっちゃうんだから」
「でも真面目にやっててもね、よう分からんからこの世界は。でも、それでも真面目にやりたいと思う。アイドルが好きだから。好きだったから。まゆゆさんとか小嶋陽菜さんを見て、アイドルになりたいと思ったから」
ここで動画は終わるのだが、この時点で残された休憩時間はあと数分間であった。このタイミングで観るべきではなかったのかもしれないが、やはり観てよかったとも思えた。まあ少し泣いてしまったわけだが、一方で、もっと気合いを入れていこうとも思えた。
私はアイドルが歌っている曲の中に好きなものが結構あるが、アイドルファンではないので、良い曲を歌って良いパフォーマンスをしていれば恋愛していようがしていなかろうがまったくもってどうでもいいという考えであり、むしろ恋愛をしていた方が表現力も高まって良いのではないかとすら思っていて、過去にもそういうことを別のところでたくさん書いている。しかし、リスペクトしていたアイドルはスキャンダルもないままにアイドル人生をまっとうし、青春をアイドルに捧げたのだから、今度は女性としてしあわせになてほしいと真剣に思っていたのだが、休業を経てふたたびファンの前に姿を現した。
今回、このNGT48のメンバーが名前を挙げていたことが分かった「まゆゆさん」とは元AKB48の渡辺麻友であり、私が2010年のAKB48総選挙でミーハー心で投票した唯一のメンバーだが、やはり目立ったスキャンダルもないまま2017年にグループを卒業したのであった。その時のシングル「11月のアンクレット」はナイアガラ・レーベルに対するオマージュみたいでかなり好きである。2015年6月14日に放送された「情熱大陸」において渡辺麻友は、「AKBは真面目に頑張ったりストイックにやったり、それが正解じゃないところ。真面目な子が損をするようなところでもあるので、AKBは」と語っていた。
それでは、なぜ彼女たちは真面目にやるのかというと、それが正しいことであり、自分が理想とする姿だと信じているからだろう。
「『信じてください』なんて言わないよ」
時として言葉は虚しく、薄ら寒い。信じてほしいからそうしているのではなく、あくまで自分がそうありたいのだとすれば、「信じてください」なんて言う必要はないのかもしれない。
仕事でも生き方でもそうだが、自分が心から信じるものになろうとして、そうなれていれば、自ずと信じてもらえるのだろう。その思いの強さが報われる世界であってほしいし、自分自身もそうありたいと思ったのであった。