埼玉県のFMステーション、NACK5でアーティストのブラザートムさんが「キリン一番搾り One More Pint!」という番組をやっていて、番組中にNegiccoのことを話したという。私はこのことを番組が終わった少し後ぐらいに、ツイッターのタイムラインに流れてきたツイートによって知った。そして、それはNegiccoのKaedeによってツイートされていた。
60分の番組なのだが、Negiccoの話題が出たのはわりと早くて、番組が始まってから7分を過ぎた辺りだった。「Music To Be Happy」といって、リスナーからのメールを紹介し、リクエスト曲をかけるコーナーなのだが、採用されたのは千葉県にお住いの方であった。5月に新潟に旅行に行った時に、たまたまNegiccoのライブを観たところ、すぐにファンになってしまい、その後、6月に行われた新潟のライブハウスや7月の朱鷺メッセのライブにも足を運んだのだという。このメールを読みながら、ブラザートムは「良いパフォーマンスしますもんね」「僕はもうそのパフォーマンスが胸に刺さりました」などと相槌を打つように話し、すべて読み終えた後には、「すごいな、Negicco。そうなったんだな」と、感慨深げに話していた。
翌週は「Disco!! The Negicco!」で挑むのだが、またしても審査員の1人だけが残念の札を上げ、勝ち抜きにはならなかったのだが、もし他の審査員がよければ、3度目の正直ではないが、次週に新曲で再チャレンジというのはどうか、という提案がされる。そして、翌週には新曲の「Negiさま!Bravo☆」で見事、勝ち抜きを果たしたのであった。
大ヒットした「WON'T BE LONG」は1990年8月22日のリリースなのだが、フジテレビで土曜の深夜に放送されていた「オールナイトフジ」が最終回を迎えた1991年3月30日、「お笑いスター誕生」の頃から交流があったとんねるずが出演していたこともあり、バブルガム・ブラザーズもゲストで出ていた。1980年代に女子大生ブームを巻き起こし、その女子高生版というコンセプトの「夕やけニャンニャン」からおニャン子クラブを誕生させたり、とんねるずのブレイクのきっかけともなったこの番組は、全体的にゆるくてふざけた雰囲気のまま進行する。この日もそんな感じではあったのだが、1983年から続いた番組の最終回ということもあり、どこか感傷的な雰囲気もあった。卒業式の日に、悪そうだった奴が淋しさを誤魔化すために不自然にはしゃいでいるような感じである。それで、少しでも間があくと木梨憲武がこの曲の紹介をし、イントロが流れる。バブルガム・ブラザーズが歌い、出演者が踊るというノリがしつこいぐらいに何度も何度も繰り返された。そのうちに、これはひょっとするとかなり良い曲なのではないか、と思えてきた。その影響がどれぐらいあったかは定かではないのだが、この曲はリリースからかなりの期間を経て、オリコン週間シングルランキングで最高3位、売上では100万枚を超える大ヒットとなったのであった。もともとはブラザー・コーンが、阿波踊りもモチーフにつくった楽曲である。阿波踊りのルーツは徳島県だが、東京では毎年8月に行われる高円寺のものが有名である。ミュージックビデオは当時、バブルガム・ブラザーズの事務所があった高円寺で撮影されている。
この年、ロック・バンドのHOUND DOGが紅白歌合戦の出場歌手に選出され、NHK側が1985年のヒット曲である「ff(フォルテシモ)」の演奏を希望したが、バンドは古い曲なので歌いたくないとし、新曲を歌うことを希望した。話し合いは物別れに終わり、HOUND DOGは紅白歌合戦への出場を辞退、かわってリーダーである大友康平の友人でもあったバブルガム・ブラザーズが出場することになり、この曲を歌った。この頃、私は紅白歌合戦を観ることなどなく、六本木ウェイヴでメイトというよく分からない職位で働いていたのだが、社員の人たちと六本木のカラオケパブのようなところに行った。この頃、まだカラオケボックスではなく、このようによく知らない人たちの前で歌うタイプのカラオケ施設がまだポピュラーだったのだ。スーツを着た会社員風の男が2人で「WON'T BE LONG」を歌い、そのうちの1人が「HOUND DOGのおかげで紅白出れました」などと言っていて、やたらと寒かったことを覚えている。私はチェッカーズの「NANA」とかを歌っていたと思う。
「WON'T BE LONG」が最高位の3位を記録したのは1991年10月7日付のオリコン週間シングルランキングであり、リリースから1年2ヶ月、「オールナイトフジ」の最終回からも半年以上後のことであった。この年の夏に帰省した時、旭川の西武百貨店でこの曲が流れていて、さすがによく分からないタイミングで遅れたものがかかっているなと思ったのだが、その後にちゃんと売れていたのでなるほどと思った。この週の1位はチャゲ&飛鳥「SAY YES」、2位が槇原敬之「どんなときも。」、週間アルバムランキングの1位は布袋寅泰「GUITARHYTHM Ⅱ」であった。ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」がリリースされて間もない頃でもある。