カリ・ウチス「アイソレーション」を聴いた。 | …

i am so disappointed.

聴いておいた方が良さそうな新譜はとりあえずチェックしているのだが、最近はそれほどガツンとくるものも少なくなってきて、これはもういい大人なので仕方がないのかな、という風に納得はしているのである。間違えても昔の方が良かったとかそういうことは言わないし、まったく思ってもいない。単純に新しいポップ・ミュージックを受容する感性が衰えただけなのだろう。新しい音楽があまり響かなくなり、馴染んだものの方が心地よく感じられるのは、居酒屋で唐揚げよりももずく酢のようなものの方がおいしく感じるぐらいの話であり、それほど悲しむようなことでもない。

 

とはいえ、カリ・ウチスという24歳でコロンビア出身、アメリカ育ちの女性シンガーがつい先日リリースしたデビュー・アルバム「アイソレーション」がものすごく良くて、いまのところ年間ベスト・アルバム候補の1枚になるのではないかと思っているのだ。タイラー・ザ・クリエイターの昨年のアルバム「フラワー・ボーイ」がかなり気に入っていたのだが、あれにも参加していたらしい。このアルバムにはデーモン・アルバーンとかサンダーキャットとかテーム・インパラのケヴィン・パーカーとかケンドリック・ラマー界隈の人たちとかも参加しているようだ。

 

声がすごく良くて、これだけで何を歌ってもかなり好きなのではないかと思うのだが、収録曲がこれまたバラエティーにとんでいて、しかもどれも良い。途中にインタールードとかいって短めのジングル的なやつも入っているのだが、それすらも良い。収録時間が47分だが、驚くべき情報量でお徳感が半端ない。それよりも、とにかく声が良い。

 

AORとかフュージョンとかシティ・ポップとか、そういうのが好きで20代のオーガニックガールズユニットというか、世間一般的にはアイドルであるWHY@DOLLとかがすごく好きなのだが、1993年生まれのカリ・ウチスもほぼ同世代というか、ちはるんよりも誕生日が約半年遅い。それはまあ良いとして、WHY@DOLLのライブにおいて、ラリー・カールトンを思わせるような「Gemini」に手拍子を打ちながら僕らの秘密のワンダーランドの開演を待つような、新しいのか古いのかよく分からないが、良くて好きなことは間違いないあの感じ、昨年リリースされたサンダーキャット「ドランク」は、マイケル・マクドナルドやケニー・ロギンスが参加している曲があったように、いわゆるヨット・ロックにも通じる懐かしいのだが新しくて最高であり、このアルバムの1曲目「ボディー・ランゲージ」には、まさにそのサンダーキャットがかかわっているのである。

 

昨日、仕事から帰宅するとビクターエンタテインメントから届いた封筒が机の上に置かれていて、もちろんその中にはWHY@DOLLと記念撮影したチェキにサインが入ったものが封入されているのだが、このお預かりチェキというシステムは特に観客が多い現場などで生じるようである。スタッフに本名や住所が完全にバレる上に、用紙にはサインに書いてもらいたい名前も記入するため、それらがハンドルネームと紐づけされるというなかなか乙なイベントではあるが、これをドキドキしながら初めて記入している時に、いつもよりたくさん書いてくれますからとやさしくおしえてくださった方の笑顔が強く印象に残っている。そして、届いたチェキの充実ぶりは、その方の笑顔の意味を理解させるに十分なものであった。

 

そして、今回届いたそれには、「Good Musicな1日でした♡」と書かれていた。

 

「アイソレーション」にはソウル・ミュージックやファンク、ボッサ、レゲトンなど、いろいろなジャンルの音楽からの影響が感じられる曲が入っているが、すべてはグッド・ミュージックをつくるのだという目的に向かっているように思える。フレッシュでありながらヴィンテージな感じもあり、最新でありながら定番のようでもある、こういうアルバムに時々めぐり合ってしまうから、ポップ・ミュージックはやめられないのだ。

 

 

 

 

 

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