iPhoneの画面を見ると、WHY@DOLLの浦谷はるなさんのツイート通知が表示されていて、タップして確認したところ、「恋なのかな?」のDanceMovieがお昼の12:00にアップされるということであった。
札幌出身のオーガニックガールズユニット、WHY@DOLLの2ndアルバム「WHY@DOLL」は今年の8月1日にリリースされ、当時、これをApple Musicで聴いた私は、すぐに気に入ってしまった。
様々な時代やジャンルのポップ音楽からの影響を最新型のアイドルポップスとしてアップデートしたような楽曲の数々を、聴けば聴くほど好きになった。それから一週間ほどした頃に、渋谷で無料観覧のイベントがあるということだったので、軽い気持ちで足を運んだ。そして、WHY@DOLLの魅力とは音源だけにとどまらず、そのパフォーマンスによってさらに強化されるものなのだということを思い知った。
WHY@DOLLは活動を開始してすでに6年を超えるユニットなのだが、私がはじめて聴いたのは昨年の11月15日にリリースされた「菫アイオライト」であり、パフォーマンスを実際に観たのはつい4ヶ月前、今年の8月7日のことである。
当時、「菫アイオライト」がとても気に入り、ミュージックビデオもチェックしてみたのだが、そこではリーダーのちはるんこと青木千春さんとはーちゃんこと浦谷はるなさんが主に料理をしていて、時々、ゆるふわなダンスを踊りながら歌うというものだった。
年が明けて2月28日にリリースされたシングル「キミはSteady」には、ミュージックビデオとダンスムービーの2通りの動画が存在しているのだが、当時、私はミュージックビデオの方しか観ていなかった。よって、この曲の振り付けをはじめて観るのがイベントでのミニライブとなり、そこですっかり魅了されたのであった。
アルバム「WHY@DOLL」にはシングル「菫アイオライト」「キミはSteady」を含む、10曲が収録されている。シングルカップリング曲の「あなただけ今晩は」「ラブ・ストーリーは週末に」もひじょうに強力かつファンにも人気が高い曲なのだが、アルバムには未収録となり、残りの8曲はすべて新曲であった。
10曲という収録曲数は、アルバム収録曲数としては少ない印象もあり、当時、カップリング曲を入れて12曲にすればよかったのではないか、というファンの意見も目にした。しかし、これはアナログレコードの時代のアルバム、というかLPのサイズ感であり、逆にこのアルバムには合っているような気がするし、意図的にそうしたのではないかという気もしないでもない。
「WHY@DOLL」はCDリリースから約3ヶ月後、11月3日のレコードの日にアナログレコードとしても発売されたのだが、カップリングの2曲は7インチ・シングルとして付いてきて、タイトルは「WHY@DOLL+2」となった。
今回、「恋なのかな?」のDanceMovieが公開されたことにより、これでアルバム収録曲すべての動画をYouTubeで視聴することができるようになった。
シングル曲以外ではじめて公開された動画は「恋はシュビドゥビドゥバ!」で、9月の初めにライブやイベントに出演するため、地元の北海道に凱旋した時に撮影されたものであった。ロケ地は札幌の大通公園、背景にはテレビ塔やデパートの丸井今井なども見える。
この曲はメンバーの青木千春、浦谷はるなによって作詞されているのだが、淡い恋心を歌った内容で、学生時代を思い出して書いたということであった。この曲の動画が、彼女たちが学生時代を過ごした札幌で撮影されたのは、必然だったのかもしれない。
続いて、浦谷はるなの「忘れないで」、青木千春の「Hello Hello Hello」と、それぞれのソロ曲の動画が公開された。
「忘れないで」は都会で夢を追う者のことを歌っているような内容で、動画は乃木坂のトンネルで撮影されている。エモーショナルなダンスが、ひじょうに魅力的である。
「Hello Hello Hello」はWHY@DOLLがはじめてチャレンジしたカントリー調の曲であり、青木千春の甘いボーカルが最強の癒し効果を発揮している。しかし、曲の内容はけして甘いだけではなく、夢を追いかけて都会に出た者の故郷への郷愁というようなものである。この曲には大きな振り付けがあまりないこともあり、イメージ映像的な動画になっている。そして、この動画が札幌で撮影されているのは、やはり歌詞の内容に合わせてなのだろう。
その後、アルバム収録曲の動画が次々と撮影、公開されていくのだが、予定していた日に天候が崩れて延期されたり、真夜中に極寒の中、何度も撮り直しをしたり、かなりの苦労があったようである。
WHY@DOLLの魅力の1つであるアイドルポップスにしてはわりと大なムードと夜の雰囲気を持つ曲については、夜の東京で撮影されている。ライブでかなりの盛り上がりを見せる「Tokyo Dancing」は東京タワーを背景にしているし、「Dreamin' Night」「夜を泳いで」といったバラード系の曲においては、夜景を背景にしたしっとりとした世界観が映像によっても表現されている。
こららアルバム収録曲の動画が次々と撮影、公開される中、わりと速い段階で、すでにミュージックビデオが存在している「菫アイオライト」のDanceMovieがアップされた。
約1年前、この曲をはじめて聴いた私は純粋にカッコいい曲だと感じ、かなり気に入っていた。WHY@DOLLのイベントに行ってみようという気になったのも、この曲をぜひ一度ライブで観てみたいという思いがあったからでもある。
アイドルの曲というと音源で聴くとわりと良いのだが、生だとそれほどでもない、という場合がわりと多いような印象がある。その時点において、私はWHY@DOLLのことをあまりよく知らなかったこともあり、イベントにはそれほど過度な期待はせずに臨んだ。しかし、これがすごく良かった。音源を聴いてあれだけ好きだと思っていた「菫アイオライト」が、パフォーマンスを観ることによって、さらにもっと好きになっていった。まったく同じようなことが、その後、「秒速Party Night」「Tactics」「ベクトル」などについても起こるのであった。
しかし、「菫アイオライト」のミュージックビデオは、先に書いた通り、メンバーが主に料理をしながら、たまにゆるめに歌って踊るというようなものであり、あれはあれで曲はカッコいいのにキャラクターはゆるふわというWHY@DOLLの魅力をあらわしてはいるのだが、ライブで観るパフォーマンスの良さはなかなか伝わりにくいものであった。
しかし、このDanceMovieによって、簡単に視聴できるようになった。もちろん、実際にライブで体験することには及ばないのだが、それでもかなり分かりやすくなった。
WHY@DOLLのことがより好きになり、知っている情報も増えていくと、「菫アイオライト」がT-Palette Records移籍第一弾の新たな出発的な意味を持った曲であることや、それまでのキャリアがけして順風満帆というわけではなく、わりと苦労をしているということなどが分かり、途中のラップパートのようなものに登場するそれまでに発表した曲のタイトルの連発にもグッとくるというものである。残念ながら、この曲ではじめてWHY@DOLLを知った私としては、その思いというのはあまりに薄く、追体験的なものではあるのだが。
「どうしようもないと ため息 涙 後悔 どんな私も今の私」
「眩しい笑顔に1番なりたいのは キミに会えるあの場所だよ」
これはオーガニックガールズユニット、WHY@DOLLのことについて歌われた曲であり、「キミ」がファンのことだとするならば、「あの場所」とはライブ会場、特にWHY@DOLLがホームグラウンドとして、月にほぼ2回、定期公演を行っている渋谷Gladが相応しいのではないだろうか。
そして、もちろん「菫アイオライト」のDanceMovieは、渋谷Gladで撮影されている。
この時点でアルバム「WHY@DOLL」に収録されている10曲中、9曲の動画が公開されたことになる。残る1曲は、9月に行われたファンによる人気投票的企画、「リクエストアワード」において1位に輝いた「恋なのかな?」である。
この曲の動画撮影が終わったことが、数日前にメンバーによってツイートされた。ハート型の花壇のアーチがある、まるで童話の世界のような風景である。WHY@DOLLの二人はそんなメルヘンチックな景色に、まったく違和感がなくおさまっている。
私がWHY@DOLLの音楽を好きな理由の一つは、10代や20代の頃に好きだったシティポップや、いわゆる「渋谷系」と呼ばれる音楽からの系譜が感じられるところなのだが、いわゆる「渋谷系」を好む当時の女の子には、アニエスベーのベレー帽をかぶっている率がひじょうに高かったような印象がある。その頃の記憶の影響などもあり、私はベレー帽をかぶった女性に対し、ひじょうに良さを感じる傾向がある。
「恋なのかな?」のDanceMovieにおいては、WHY@DOLLがベレー帽をかぶっているらしく、これは私にとってはもうすでに至高ともいうべき世界観が約束されたも同然だったわけである。
WHY@DOLLの新しい動画は、だいたい深夜に公開されることが多かったような印象がある。メンバーのツイートで告知されるので、その時刻を待ち、リアルタイムで視聴したり、少し遅れてやっとこさ観ることができたりするものもあった。
じつは、この一連のアルバム収録曲動画の先がけだった「恋はシュビドゥビドゥバ!」だけは、正午に公開されるはずだったのである。私は仕事の休憩をその時刻に合わせ、このためにわざわざ持参したノートパソコンの電源を入れ、YouTubeを開いて待っていたのだが、何らかのトラブル的なものにより、公開が少し遅れた。そのうちに休憩時間が終わってしまったため、私はこの動画を公開されてすぐに観ることができなかった。しかし、少し遅れて観たそれは、期待を大きく上回る素晴らしさであった。もちろんその経緯や感想のようなものも、ブログに書いた。
次にWHY@DOLLの定期公演に行った時、握手会においてこの件についてはーちゃんから謝罪を受けるようなこともあり、また少し好感度が上がったのであった。
それからは、わりと深夜に近い時刻に公開されるようになった。そして、最後の「恋なのかな?」は、「恋はシュビドゥビドゥバ!」と同じ、正午の公開なのだという。
わりと大人っぽい曲も多い「WHY@DOLL」だが、「恋なのかな?」は「恋はシュビドゥビドゥバ!」と同様に、淡い恋の気分について歌われている。つまり、夜というよりは昼のイメージなのである。だからこそ12:00を公開時刻をしたのであれば、その徹底度はかなりのものである。
この日は仕事を休みにしていたので、今回は余裕で公開されてすぐに観ることができる。それから約90分後に家を出なければならない予定があったのだが、視聴してからわりと簡単に感想のようなものをまとめて、それから出かければいいと思っていた。ところが、やはり動画の公開が少し遅れたことと、その内容があまりにも素晴らしすぎて、書きたいことが他にもいろいろ出てきてしまったので、制限時間内での完成をあきらめ、夜に帰宅してからゆっくり書き終えることに決めた。
「恋はシュビドゥビドゥバ!」「Hello Hello Hello」が北海道、「Tokyo Dancing」「マホウノカガミ」「Dreamin' Night」「夜を泳いで」が夜の東京、そして、「菫アイオライト」も東京ではあるが、特に渋谷Gladである。それぞれ、曲の世界観に合った撮影地が選ばれているように思える。それでは、「恋なのかな?」には、どこが相応しいのだろうか。
人によって価値観はそれぞれであり、異論もあるとは思うのだが、私にとって人生において最も価値がある時間は恋愛をしている時であり、中でもそのピークは、たとえば「これが恋なのかな?」と思っているような段階である。そこから先は、下り坂でしかない。あくまで個人的な価値観であり、他人に理解も求めないし、異論が多々あることは百も承知である。
つまり、それは非日常的な状態であり、現実的などことも近くはない。ということで、童話の世界が選ばれたことは、至極当然であろう。このビデオの撮影場所は、関東圏にある北欧の童話作家にちなんだ公園であるように思える。
「WHY@DOLL」関連で撮影、公開された動画はWHY@DOLLのパフォーマンスの魅力を可能な限りにおいてとらえたものではあったが、表情まではよく分からないものが多かった。しかし、最後に公開されたこの「恋なのかな?」Dance Moveにおいては、わりとそれがよく分かる。
そして、気鋭のポップユニット、ONIGAWARAによる胸キュンポップともいえるクオリティーの高い楽曲と、その世界観をリアルに具現化するWHY@DOLLのパフォーマンスとが、じゅうぶんに堪能できる内容となっている。
ライブでパフォーマンスされる機会も多く、お決まりの「指ハート」など、振りコピ推奨箇所が多々あるこの曲の、予習動画としても効果的に機能するはずなのだが、WHY@DOLLの挙動一つ一つがあまりにもキュートかつチャーミングすぎて、まったくそれどころではない。素晴らしい。
これで「WHY@DOLL」収録全曲の動画が揃い、世界中から視聴が可能となった。WHY@DOLLは来年1月23日にニュー・シングル「Show me your smile」をリリース、そして2月から3月にかけてライブツアーを行う。そして、ツアーファイナルにおいては、現在のWHY@DOLLにおいてはわりとチャレンジングな動員目標が掲げられている。メンバーはかなり気合いが入っているようなので、ぜひ達成してほしい、と心から思う。などという言い回しはいかにも他人事のように聞こえないでもないが、達成させたいとかいうのも、私にそのような力は実際問題として無いわけであり、いかにも無責任な物言いだともいえる。だから、とにかく一人一人がコツコツと、なのであろう。
それにしても、今回のブログ記事をつくるにあたり、動画を貼りながら、やはりところどころ観てしまうのだが、そうするとすぐにでもWHY@DOLLのライブに行きたくて仕方がない気分になる。そんな時、いつでもすぐに行けるといいのだが、けしていつもそれが可能であるとも限らないので、そんな時にこれらの動画を観て、何とか乗り切っていきたいと思う。ただし、運がよく行けた時には、とにかく全力で楽しんで、応援したいと思うのである。
なお、12月23日水曜日には、18時から池袋の新星堂サンシャインシティにて、WHY@DOLLのリリース記念イベントがある。ミニライブがあって観覧無料で、はじめての方にもひじょうにハードルの低いイベントになっている。そして、23時からはSHOWROOMとPeriscopeでにて、「WHY@DOLL~ほわどるに恋なのサー」もある。
生ライブとトーク、時にカオスなコーナーも含め、WHY@DOLLの魅力がコンパクトかつインスタントに楽しめるコンテンツになっている。
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