WHY@DOLLのライブやイベント会場で買ったCDがカバンの中に入れっぱなしになっていたり机の上に積まれていたりしているのだが、それらに収録されている曲はすでにパソコンやiPhoneで聴くことができるので、特に問題はない。Apple Musicなどのサブスクリプションサービスの場合、曲の再生回数に応じてアーティストにお金が支払われると聞いたことがある。だからCDは買っているが、再生はサブスクリプションサービスで繰り返しした方が、アーティストのためにはなるのだろうか。別にそのようなことを考えているわけではなく、ただ単にCDをパソコンに入れてインポートするという行為そのものが、ひじょうに億劫になっているのである。
週末はいつも通り仕事に忙殺されていて、憩いの時間としてアイドルの現場に行ったファンの方々のレポートをツイッターやブログなどで確認するのだが、WHY@DOLLは久しぶりに週末にオフだったようで、ちはるんは札幌の実家に帰って「ご飯食べ過ぎてやばい」とほっぺたを引っ張った画像をツイートしていたりして微笑ましい。
という訳で、カバンの整理がてら買ったCDを開封したりもしていたのだが、CDケースの中やブックレットなどに見たことのない写真が載っていたりして、それを見るのもなかなか楽しい。あと、「NAMARA!!」と「Gemini」にはアイドルのCDには珍しくライナーノーツが付いているという話もあった。「NAMARA!!」にはちはるんとはーちゃんによる楽曲解説があって、なかなかおもしろかった。
今回、「Gemini」を開封し、ブックレットを見ていたのだが、こちらのライナーノーツはWHY@DOLLのメンバーではなく、T-Palette Records移籍以前の楽曲の多くを手がけているSunnyさんによるものであった。そして、これがひじょうに熱のこもったものである。
WHY@DOLLのオーガニックガールズユニットというキーワードについてもしっかり説明されていて、私はこれについて何となくの理解をしているつもりではあったのだが、果たしてそれで合っているのだろうかとも思ってはいた。しかし、どうやら概ね正しく理解できていたようである。
「Gemini」に収録された最後の曲は「LOVERS on EARTH」で、私はこの曲をまだライブで観たことがないのだが、ひじょうにスケールの大きい世界観を持ったバラードである。
この曲の歌詞に「70億分の1の奇跡」というフレーズがあるのだが、よくアイドルの曲の歌詞は一般的な恋人同士のことを歌っているように見えて、アイドルとファンとの関係性として読み解くこともできるというパターンがあって、それに倣うとするならば、このアイドルと出会えたこともじつは奇跡なのかもしれない、とわりとエモーショナルな盛り上がりを感じがちなのである。しかし、まあさすがにそれは少しばかり大袈裟すぎるのではないかという思いもあって、これをブログ記事のテーマにすることをためらったことがある。しかし、「Gemini」のライナーノーツを読んで、大いに反省した。なぜなら、じつはそれぐらいの思いでこの曲をつくり、歌っていたことを知ったからである。
「LOVERS on EARTH」についての解説において、Sunnyさんはこのように書いている。
「想いを歌に乗せて届ける。その刹那的とも思える行為が、何物にも代え難い絆を紡いでいく。アーティストとオーディエンスの関係は、まさに70億分の1の奇跡である」
つまり、これでいいのだ。
WHY@DOLLのことを思いながらブログを書いていると、時としてエモーショナルになりすぎて、文章がひじょうに気持ち悪い方向に暴走し、後になってから削ったり書き直したりすることも少なくはないのだが、それは別に深読みでも依存しすぎでもなくて、そもそもそれぐらいのものを目指してやっているユニットだったわけである。
私などはつい数ヶ月前にはじめてWHY@DOLLのパフォーマンスをライブで観たにすぎない泡沫ファンのはしくれなわけで、言っていることにもほぼ重みはないわけだが、わりと熱心に現場に行って、おそらくお金もかなり使っているであろうファンの方が出会えたのは「運命」なのだろうかというようなことをツイートしているのを見ると、素直に感動を覚えるのである。他人のツイートなのでもちろん引用するのは控えるのだが、その短い文章の中に深い愛情を根拠とした真実が簡潔に表現されていた。不確実でクソみたいなことが多いこの世の中で、心から美しく正しいと思えることの1つである。
あまりにすべてが言い尽くされていて、私に書くことなどはもう何も残されていないのではないかとも思わされるのだが、それでも好きなことについて語ることが生きている証でもあるとするならば、やはり私は純粋に自分がより良く生きるために、それを続けていくのであろう。
そして、やはりこの名フレーズを引用するのだが、地方出身アイドルグループのパイオニアともいえるNegiccoの「さよならMusic」からである。
「出会えたのは偶然の運命 無駄なことなんてないね」
この曲を作詞作曲したconnieさんはアイドルファンであり、この曲も様々な解釈が可能ではあるが、ファンとアイドルとの関係なのだと思って聴くと、またグッとくるのである。
「運命」なんていうのが、本当にあるのだろうか。私が「運命」という言葉を生れてはじめて認識したのは、おそらくベートーベンが作曲したジャジャジャジャーンという曲のタイトルとしてだったと思うが、大人になってからは何となくそういうのがあると思っていた方が夢があって楽しそうだからそうしているような気がする。
現実的に考えるならば、自分自身がより良く生きたいという欲求が強くあるとして、それを実現するために必要なものを求めるのだろう。日常における選択というのは、それを得ることを目的とし、その過程で相応しいと思える人やものに出会ったりするのだろう。
ということはつまり、「運命」も「偶然」も意志の力でどうにかなるものであり、それが思うようにいかないということは、意志が足りないということなのだろうか。それもつまらない話ではあるし、どうもそんなに単純な話ではないような気もする。
しかし、すべてがそうではないにしろ、「運命」や「偶然」というのは、ある程度は努力によって引き寄せられるような気はする。
だから、出会ったアイドルのことを素晴らしいと思い、それに魅かれていくのは、おそらくその存在が自分自身のイメージする理想の状態を実現するようなもので、それに出会うことをじつは心から強く求めていたからに他ならないのであろう。しかし、その出会いを実際に起こすためには、やはりそれ相応の意志の強さやそれを実現するための努力が必要かもしれず、それをその時点で成しえたことを奇跡だというならば、それでもいいのかもしれない。
このようなレベルでアイドルを必要としている場合、それはもうすでに趣味ではなく、ライフスタイルなわけであり、ゆえにたとえばその不在を他の趣味で埋め合わすことなどは不可能であろう。
それはそうとして、「Gemini」のライナーノーツによると、オーガニックガールズユニットというキーワードは「北海道で生まれ育った生粋の道産子である2人が醸し出すおおらかなキャラクター」や「可能な限り添加物を加えない」音楽をあらわしているのだという。
音楽が確かにすごく好きなのだが、イベントに行ったり配信の番組を観たりすることで、そのキャラクターが好きになり、そうなるとあの音楽もこの2人がやっているからこそそうなるのかもしれないと思えてきて、これらすべてがあってのほわどるであり、どれか1つが欠けてもありえないように思えてくる。それがやがて私の日常や価値観にまで影響をあたえるのだが、やはりそれはおそらくずっと求めていたものだったという気がする。
などと、どうにもややこしい理屈をこねてしまいがちなのはそれが楽しくてやっているのだが、じつはそれほど難しいことでもないのだろうし、たとえそれが「運命」だろうと何だろうと、要はそれがより良く生きることに繋がればいいのだ。これからピッタリな季節がやってくる「Ringing Bells」で、WHY@DOLLも歌っている。
「運命」なんて そんなの結果論
女の子を楽しまなきゃ!
それはもちろん、女の子でなかったとしてもまた然りであろう。
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