以前、「ラヴ・ソングをリアルタイムで」というテーマで文章を書いていたことがあったのだが、それは伝説のミニコミ雑誌「よい子の歌謡曲」に掲載されていた、とある記事にインスパイアされたものであった。
ところが、すれっからしのナイスでメロウないい大人になってしまった私は、もはや恋におちるなどということもなく、ゆえに「ラヴ・ソングをリアルタイムで」などというテーマで文章を書くことも、もう無いのかもしれない。
しかし、どうも最近、世間一般的にはラヴ・ソングとカテゴライズされているであろう、オリジナル・ラヴの「プライマル」という曲がしっくりきて仕方がない。
「プライマル」は1996年2月5日にリリースされた、オリジナル・ラヴの8枚目のシングルらしい。テレビドラマ「オンリー・ユー~愛されて~」の主題歌で、オリコン最高5位と、かなり売れている。しかし、私はこの曲を当時、リアルタイムでちゃんと聴いてはいなかった。
1991年、オリジナル・ラヴのメジャー・デビュー・アルバムがされた頃、私は流行発信基地的な扱いをされていた、とあるCDショップで働かせていただいていたのだが、そこでもかなりの人気であった。
オリジナル・ラヴは渋谷系なるムーヴメントの中心的アーティストの1つとされていたが、フロントマンの田島貴男はこれに対して不快感をあらわしていたようである。
渋谷系といえばフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴであり、この2グループの作品を、私はかなり好きであった。しかし、渋谷系そのものが好きだったかというと、そうでもなかった。
昨年、新潟を拠点とするアイドルグループ、Negiccoにハマったのだが、じつはオリジナル・ラヴの田島貴男とかなりかかわりが深いということを知った。NegiccoのメンバーであるMeguはDJもやっているのだが、渋谷のイベントに行った時、オリジナル・ラヴの「サンシャイン・ロマンス」をかけていて、かなり盛り上がったのを覚えている。
オリジナル・ラヴの熱心なリスナーではなかった私がそれをきっかけに過去の作品などをいろいろ聴くようになって、なんてカッコいい音楽なのだろうと思ったのだが、中でもこの「プライマル」には心を奪われた。
「ときめき 痛み 眠れぬ夜の過ごし方」などに言及されているのだが、さらには「きみにいつまでも見とれたい 何もいらないよ きみを愛してるよ 心の底から」という、どストレートな告白が恥ずかしげもなく堂々と歌われる。じつに感動的である。
そして、「愛はいのちよりも前にあるから」である。私の心が感じているのだが、うまく言いあらわせない、漠然とした思いを最高の言葉と極上のメロディーで表現してくれたこの曲との出会いに、深く感動した。
リリースされ、かなりヒットしていながらも、21年間、私はこの曲をちゃんと聴くことがなかったが、おそらくいまが最高のタイミングであり、これは運命なのかもしれない、などとまたしても言いたくなっているぐらいのヤバさなのである。
心の底から、原初的に感じるいとおしさ、美しいと思う感覚、これだけが人を究極的に本気にさせるのであろう。こういうことは、本当に現実にあるのだなと、いまさらながらに感じ入っている。
浅いレベルの現実的にどうかしているとか、人に言われたり思われたりするのだろうし、正直、自分自身でも一体何なのだろうと思わなくもないのだが、そこにこそ生きることの価値があると思えるのだ。
だから、それをできるだけ感じていられるだけの自分でありたいと思うわけで、そのために努力とかそういうものがあるわけである。
私はもっと素晴らしい人間になりたいと、いま心からそう思うわけだが、それは私自身がどうこうというよりは、その究極的に美しくかわいいと思えるものの近くにありえるような自分でいたいという、その思いしかない。
なるほど、世の中というのはこのようにして動いているのかと思わなくもないのだが、もしかするとそうでもないのかもしれない。
とりあえずその笑顔を見られただけでそこは天国にいちばん近い場所になるというようなっことを、いまの私は平気で言ってしまうわけだが、この気分がいつまでも続けられるように、それを究極の目的として、明日も全力で頑張ろうと思う。
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