加齢にともない、音楽の趣味も新しいものよりは自分が聴き慣れたものが中心になっていくのだが、それは別に良いことでも悪いことでもないだろう。それでも、新しいアーティストやバンドの良さに素直に反応できるのは、なかなか嬉しいものである。
今年上半期にそれを最も感じさせてくれたのが、このサンフラワー・ビーンである。とはいえ、やはり古き良きインディー・ロックを思い出させてくれるところに、おそらく最も反応しているのだろうとは思う。
Human Ceremony/Sunflower Bean

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Kanye West - The Life Of Pablo
初めは日本では配信されていないストリーミングサービスでのみ配信されていて、聴くことができなかった。少ししてからApple Musicで聴くことができるようになったため、ニュース性はやや薄れていたのだが、やはり良い。ヒップホップの世界にも次々と新しい才能が現れているが、それでもいまだにこの人が新作を発表することは大ニュースであり、また、それを裏切らない質の作品を発表し続けている。
Kendrick Lamar - untitled unmastered.
今年の上半期はヒップホップにひじょうに充実した作品が多かったように思える。昨年、おそらく最も高く評価されたポピュラー音楽のアルバムはケンドリック・ラマーの「ピンプ・ザ・バタフライ」だったのではないかと思うのだが、今年、早くもまた新しいアルバムが届いた。
とはいえ、これは未発表デモ音源から編まれた外伝的な内容を持つアルバムである。それでも作品には才気が溢れ返っていて、これを年間ベストの1枚に選ばない理由がまったく見当たらない。旬のアーティストの勢いを感じさせる、驚くべくクオリティーである。
untitled unmastered./Kendrick Lamar

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Iggy Pop - Post Pop Depression
いわずと知れたロック界の大ベテラン、68歳(リリース当時)にしての最新作である。クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、アークティック・モンキーズのメンバーとレコーディングしたこの作品は風格を感じさせると同時に、じつにフレッシュである。
Post Depression/Iggy Pop

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Primal Scream - Chosmosis
1990年代のブリットポップ全盛期から大好きなプライマル・スクリームの最新作である。中心メンバーのボビー・ギレスピーが常にめちゃくちゃ怒っているところが素晴らしいと思うのだ。イギリスはアメリカや日本と同様に、行き過ぎた高度資本主義により、中間層の消滅、経済的格差の拡大という問題を抱えているようである。ポップ・ミュージシャンにおいては、もはやこういう問題についてはスルーというきわめてお寒い状況が続き、日本においてはミュージシャンが政治的問題について話すななどという訳の分からない超絶くだらない論調が一部にあったりして、私はあまりちゃんと聴いていないのでよく知らないのだが、ASIAN KANG-FU GENERATIONのゴッチ氏などのきわめて真っ当なメンタリティーの持ち主に救われたりしているわけである。
そのボビー・ギレスピー率いるプライマル・スクリームの新作である。このご時世、このタイプのバンドにシングル・ヒットなど望めるはずもないのだが、あえてそのようなコンセプトで制作されている曲もあり、いまや私にとってこのバンドの存在はポピュラー音楽界における良心だといっても過言ではない。
Chaosmosis/Primal Scream

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