(「心粋」大将のDIYで掘りごたつ式の個室を増設中)
3か月にわたるハワイ避寒生活から囲碁トモのAさんが戻ってこられた。
よほど醤油味のものに飢えていたとみえて、再会するなり「あすこ行こうよ、焼き鳥の。行ったことないんだよ」と急かすのでお供することに。
母屋の「葉凪(はな)」の真ン前では和食屋の建物が出来上がっていた。
(小さな店だがシャレた佇まい)
(「晴」なんとしても一番乗りしたいところ)
4人で開店を待っていると、葉凪のご主人がヒョコヒョコと(失礼だけどホントにそんな感じ)やってきた。
「おお!」
「おお、Aさんじゃないですか。お久しぶり!」
聞けば葉凪のご夫妻は八ヶ岳南麓への移住を検討するにあたって、たまたまAさんの兄上の別荘を借りて何か月か体験生活をしたとのこと。それはもう20年も前のことだというから、八ヶ岳南麓生活が10年にも満たない私なんぞまだまだひよっこだ。
長~い長~い挨拶の後店内へ。
食いたいものをめいめい選んでいざ乾杯(運転手役の奥様はお茶)。
(ねぎみ(ねぎま)塩は定番 これは私が全員分頼んだ)
ハワイの話で盛り上がっているところに葉凪の奥様が挨拶にやってきた。
よほど懐かしかったのだろう、挨拶はやがて思い出話から近況報告会に。どうぞお座りになって、と勧めてもそこは客商売、お気の毒にずっと立ち話だ。
(つくねはやっぱしタレでしょ)
Aさんは焼き鳥の旨さと思い出話に感極まって半泣きである。
ああ、お連れしてよかったよ(といっても送り迎えは奥様で支払いは割り勘だから私がやったのは予約の電話だけ)、と思いつつもAさんの鼻水が皿に垂れやしないか気になってしまう私は、まだまだひよっこだ。
(AGE値の王様といえば鉄板焼餃子 ニンニクが苦手なAさんは食えないので女性陣が1個ずつ、私が3個いただきました)
旨い、おいしいわ、それに安いねとお二人は大喜び。連れてきた甲斐があったというものだ(同上)。
ハワイでは屁みたいな食い物でも最低2000円は巻き上げられるそうで、彼の地では自炊したりとご苦労された様子。それでも来年の宿も予約したというからよほど魅力的な土地なのだろう。
今宵の主役は女性2人とあって、いつもの反省会とは様相が違う。もうおなかいっぱいだけど少しなら、ということで普段は絶対頼まないものを注文した。
(鴨の生ハム これは旨かった)
メニューをあちこちひっくり返していると「ホタルイカの唐揚げ」というのが女性陣の目にとまった。
「これはどういうものなの」
「生のホタルイカを唐揚げにしたものです」
と女将さん。これ以上的確な説明はあるまい。
まあだまされたと思って頼んでみましょう、ということでおそるおそる1人前だけ注文したのだが、これは実に旨かった。
(沖漬けなんぞよりイケる お勧めのツマミ)
今宵のシメはすっかり定番化した「ぺペロンうどん」と、食い倒れ週間のフィナーレを飾る追加の鉄板焼餃子。
餃子はすっかり私の腹中に納まり、あっぱれ4夜連続のちいちいフグとなった次第である。