(出張寿司の・・・なんだっけ?)
ひと月ほど前、八ヶ岳南麓の誇る牡蠣の名店「コジシタ八ヶ岳」のノブコさん(マダム)から電話がかかってきた。
「3月30日の夜に『出張寿司の夕べ』をやりますけど、いらっしゃいます?」
「行きます!」
常連さんだけに声をかけているという出張寿司に呼ばれ、当日16時半の部(19時の部は満席)を予約していただいた。
八ヶ岳南麓で苦節9年、私の胎内にも八ヶ岳のチャンコが沁みこんで南麓住民の端くれに数えていただけるようになったらしい(シミジミ)。
(前回は2023年9月 この時は声をかけてもらえなかった)
相前後してゴルフ友のAさんからLINEがきた。
「30日にコジシタで出張寿司がありますが行きますか?」
「行きます!」
さらにしばらくしてAさんの奥様からもLINEが。
「30日にコジシタで出張寿司があります。主人の退職祝いをかねて行こうと思いますがどうですか」
「行きます!」
当日Aさんの奥様の運転で「コジシタ八ヶ岳」へ。
ノブコさんとのやりとりと、Aさんご夫妻のお誘いで席が2つ用意されていたらどうしよう、と道々気になっていたが幸い席は奥の個室だけでひと安心。
(カウンターに1組、テーブル席に3組、左奥の個室に我々の計5組)
席につくとまずは前菜がやってきた。
(ホタテと菜の花の和え物、コゴミのしその実和え、クリームチーズ酒粕漬け)
旨い。実に旨い。
いつもの牡蠣スモークとは違って和を感じさせる前菜だ(当たり前だ)。
乾杯用の白ワインはこれで全てかたづいてしまった。
(退職祝いに差し上げたPEARLY GATES の勝負パンツ 本人より奥様が気に入ってくださった模様)
続いてやってきたのはさすが牡蠣の名店とあって「生牡蠣の盛り合わせ」。
(右:さこし2種 左:有明)
旨い。ここの生ガキはやはり不動の旨さである。
ここまでで十分満足だが、寿司スペシャルナイトとあって本番はこれから。
次に登場したのは春を思わせる逸品「ズワイ蟹小丼 奥能登のいしる味」。
(「いしる」とはイカの魚醤のこと)
旨いね、おいしいわと一同大喜び。
「おいしい?」とそこにやってきたノブコさんはちょっとうらやましそうな口ぶり。お気の毒に自分たちの分は用意されていないそうだ。
さらにこれでもか、と姿を現したのは「能登牛のしゃぶしゃぶ 特製ゴマダレ」。
(副菜はたしかゴボウだったはず)
これまた実に旨い。
たまらず日本酒からハイボールに切り替えた。
心身ともに相整ったところでいよいよ真打の登場である。
まずは握り7貫(+玉子)揃い踏みから。
(左から:レンコ鯛の桜葉づけ、ヅケマグロ、炙りシメサバ、サクラマス、サクラダイ昆布〆め、スルメイカノドグロ塩、本マグロ中トロ)
間髪をいれず煮穴子とトロタク巻(トロとたくあんの巻物)までやってきて、会場は興奮のるつぼと化した。
あ~もう何も食えないよ、と一同ため息をついているところに本日のトリがやってきた。
Aさんの退職祝いにノブコさんがわざわざこさえてくれたイチゴのケーキである。
Aさんの人徳というべきか、八ヶ岳南麓の人々の繋がりはどこまでも濃く、そしてどこまでも温かい。
(ご相伴にあずかりました)
これで3夜連続の「ちいちいフグの立ち泳ぎ」。
よろばいながらも「次回も必ず、必ず声かけてくださいね~」とノブコさんに何度もお願いして店を出た。