(白州・尾白の森名水公園べるが「べるが」とは verdant(緑に覆われた)garden の略)
この日の八ヶ岳南麓は朝から雨。
外の作業もできないのでバックハウスインノまでパンを買いに行くついでに名湯の誉れ高い「尾白(おじら)の湯」まで行ってみようと思い立った。
ちなみに我が家からインノまでは約3km、尾白の湯までは16km。「ついで」というのは距離的な意味でなく、わざわざ風呂に浸かりに行くだけの行動はまっぴらごめんという精神的な意味合いである。
キャノンボール・アダレイを聴きながら雨の中を走ること25分、ようやく「べるが」にたどり着いた。
(正面に甲斐駒ヶ岳が見えるはずだが五里霧中)
ゲートをくぐっても域内には人っ子一人いない。雨とあって駐車場も空っぽである。
ところが「尾白の湯」に着いてオッたまげた。温泉の駐車場は満杯だった。
(平日の午前中だというのにヒマジンが多い)
別荘族のお約束、830円払って館内へ。
中はおじいちゃん連中がワンサカワンサ。
尾白の森に雨が降りゃイェイェエエイエイ、イェイェエイ、イイワ~、思わず歌も出ようというものだ。
浴場は広くてとても快適。どこそこ「たかねの湯」と似た佇まいである。
調べてみると「尾白の湯」の開業は2006年、「たかねの湯」が2005年だから設計者が同じなのかもしれない。
さっそく噂の露天風呂「赤湯」に入ってみた。
ここは「ナトリウム塩化物強塩温泉」というヤツで、その濃度は温泉基準の30倍という我が国で一番濃い温泉である。舐めてみるとメチャクチャ塩辛い。
湯の色は赤というより茶褐色。「夜中に赤味噌を溶いてこっそり注いでいるらしい」というのは根も葉もない噂のようだ。
(雨のせいか湯温は39.6℃とやや低めだった 北杜市観光協会HPより)
(ナトリウム含有量がすごい バリウムイオンは通常の30倍、リチウムイオン(電池か)、ストロンチウムイオンも通常の20倍)
う~む。
心地よい、と言えなくはないが、風呂嫌いの私にとっては高濃度ナトリウム塩化物強塩温泉だろうとアルカリ単純泉だろうと、風呂にかわりがあるじゃなし融けて流れりゃ皆同じ~、だ。
(富士の高嶺に降る雪も、京都先斗町に降る雪も~「お座敷小唄」1964松尾和子+和田弘とマヒナスターズ)
「尾白の湯」にあえて難癖をつけるのであれば、綿棒が置いてないこと。浴場に綿棒がないのはトイレに紙がないのと同じことだと思うのだが。
走行距離の点と綿棒の有無とで、八ヶ岳南麓日帰り温泉の王者はあっぱれ「たかねの湯」とあいなった。
八ヶ岳南麓日帰り温泉巡りシリーズ、これにて打ち止めにござります~。