サックスに挑戦してみよう②体験レッスンその1ヤマノミュージックサロン | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 

 アルトサックス無料体験の日を迎えた。目指すは吉祥寺東急百貨店向かいの雑居ビルにある「ヤマノミュージックサロン」。前回のブログで「ヤマハミュージック・・・」としたのは誤りです。ど~もスミマセン。

 

 この日ド素人につきあってくださったのは古野充晴先生(冒頭の写真)。

 繊細な印象でぱっと見気弱なサラリーマンに見えなくもないが、れっきとしたプロミュージシャンである。キャノンボール・アダレイというよりかは、グローバーワシントンJrなんかの系統だ(←見かけだけの話です。ど~もスミマセン)。

 

(先生のプロフィル ネットでみつけたどこかのライブハウスのHPより)

 

「まずはこれを吹いてみてください。こんな感じです」

 先生の口元からプオ~という凄まじい音が発せられた。

 どれどれと先生から渡されたマウスピースにリード(アイスクリームを食うための木匙みたいなやつ)を取りつけたものをこれでもかとばかりに吹いてみたが、ズズズ、ズビズバとマウスピースの中にツバキが飛び散る音だけで何の音もしない。

 

 やっぱり音楽には向いてないんだよ。

 

 もう帰ろう、もう帰ってしまおう

 寝静まった街を抜けて~(まだ昼だっての)

 

 そんな思いを繊細な先生は直ちにキャッチしたのだろう。今度はネックをとりつけてちょっとだけ楽器っぽくしたもの、つまり「ブレーメンの音楽隊」とか、豆腐屋のラッパ(今は絶滅した模様)みたいなヤツを渡してくれた。

 

「音を出そうとか思わなくていいです。邪心を振り払って力強く息を向こうに出してみてください」

 半べその私が悪霊退散とばかり息を吹き込むと、あ~ら不思議、ぷぉぉ~と豆腐屋のラッパのような音が鳴り響いた。懐かしい音色、我ながらいい音ではないか。

 

(初めて音が出た瞬間をカメラは捉えていた 古野先生撮影)

 

「出ましたね。いい音ですよ」

「先生、これなら私もいつかキャノンボール・アダレイみたいになれますかね」

「いつか、ね(イケ図々しい人だな~)。努力次第でいつかはなれるかもしれません」

 

 めでたく音が出たところでアルトサックスに初めて触れた。

 まずストラップでサックスを肩からぶら下げるのだが、ストラップが短すぎてマウスピースの位置がおでこの付近になってしまう。

「先生、こういった体型にはサックスは向かないんじゃないでしょうか」

「安心してください、キャノンボール・アダレイだってぶら下げてます」

 

(参考までに キャノンボール・アダレイの吹き姿)

 

 結局先生のストラップ(プロ仕様)を最大に伸ばして使わしていただいた。

 サックスをこう傾けて、左手はここ、右手はこう押さえて、と先生の指示どおりにポーズを決めていくのだが、右手の端っこというか楽器の端っこが腹にあたるのが気になる。

「先生、右手のこの辺りが腹にくっつくんですがこれでいいんですか」

「楽器を身体につけないで、と言われることもありますが私は安定した姿勢で演奏をするという意味では少しくっついているのもアリだと思います」

「・・・(ホントか)」

「・・・(信じてないな)キャノンボール・アダレイもくっつけてますよ」

「先生、それって単に腹が出てるからくっついてるだけじゃないですかね」

「・・・(そうだったのか~)」

 

 さっそくシ、ラ、ソ、と音を出す。

 結構いい音が出ているではないか。

 

(音出してます「八ヶ岳南麓のキャノンボール・アダレイ」が誕生した瞬間)

 

 なしていきなりシなの、と思ったが答はカンタン、課題曲が「アメージング・グレイス」だから。曲の最初の音はレだがこれは指全部を使うのでシから音を出させるらしい。

 

(体験記念にこの楽譜をいただいた)

 

 ところが単音はキチンと出ているのだが、曲として通しで吹くとなると想像以上に苦しくて途中で息があがってしまう。

「すぐ慣れますよ。最初はオーバーブレス(だったかな)で吹き込む息がどうしても強すぎるので疲れちゃうんです」

  

 う~む。

 これは面白い。先生も優しくて好きなタイプだし。

 でもホントにここでお世話になるかはもう1店見てから決めることにした。ことによるとこのステキな先生ともこれが今生の別れになるかもしれない。

 

「先生、ライブのご予定はあるんですか」

「あ、ありますよ」

と下さったのがライブのチラシ。

 

 3月9日に阿佐ヶ谷のジャズバーでライブ演奏をするとのこと。これから先生にお世話になるかは別として、さっそく行ってみることにした。

 

(「ASAGAYA MANHATTAN」阿佐ヶ谷住みの頃からこの店あったんだろうなあ)

 

 かくしてサックス無料体験は成功裡に終わったのであった。