サックスに挑戦してみよう①木の芽時の決意 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(井の頭公園のソメイヨシノ 早くも蕾が膨らみ始めた)

 

 木の芽時がやってきた。もう春だ。

 ここ数年真冬になると老人性うつっぽくなっていた私も、鬱勃たるパトスが体内に湧いてきたのが分かる。

 このパトスは私だけの現象ではない。

 例年我が国の自殺者(特に男性)は春先が多い。冬の間は死ぬ気力さえ失っていた人たちが木の芽時になると活力を取り戻し、そのエネルギーが死に向かわせてしまうらしい。

 

「なにかをやりたい」

 パトスが私を新たな活動へと駆り立てる。

 

 まずひとつが絵画。

 数年前に水彩画を始めたことがあったが、一人ぼっちで絵なんぞ描いていると辛気臭くていけない。やはり絵画サークルのようなものに混ぜてもらって、スケッチ旅行だの懇親会だのがセットでなくてはならない。

 幸いゴルフ友のAさんが八ヶ岳南麓でパステル画教室に通っているというので、物は試し、金魚の糞(デカい糞でAさんもお気の毒だ)にしてもらうことにした。

 

(さっそく知識を詰め込む これだけでいいようにも思うが独学では続かない)

 

 もうひとつ以前から考えていたのが音楽である。

 私の音楽経験は皆無に近い。

 小学校低学年のころヤマハのピアノ教室に1年ほど通ったのと、中学生の時分にフォークギター(「Gibbon」というマガイ物だった)をジャカジャカやった程度である。

 

 楽器は何がよいか。

 まず簡単に音が出るものでなくてはいけない。会社時代に先輩からお古のトランペットをもらったことがあったが、一度も音が出ないので友人に横流しした苦い思い出がある。

 

 そうなるとサックス、特にアルトサックスがよさそうだ。

 サックスはなんといっても絵になる。楽器自体かっこいいし、吹き姿もシャレている。

 

(アルトサックスの名手キャノンボール・アダレイ(1928~1975)特にファンというわけではないがずんぐりした風貌が似ているのでこんな感じをめざしたい)

 

 パラッパッパパパパパパパパパ

 パ~パ~パ パ~パ~パ

 パラッパッパパパパパパパパパ

 八ヶ岳芝生広場の奥から突然「St.Thomas」が鳴り響く

 

「誰だろう。おもわず聞き入っちゃうね」

「前チラっと見たことあるけどキャノンボール・アダレイを品よくした感じの方よ」

 いいじゃないの。人呼んで「八ヶ岳南麓のキャノンボール」なんて。

 

(ソニーロリンズ「サキソフォンコロッサス」より ちょっと痩せぎすなので私の目指すところではない)

 

 ところがアルトサックスは想像よりはるかに高い。メルカリで見ても中古のくせににエライ値がはる。

 根が続かないことでは人後に落ちない私がいきなり楽器を買うのはあまりに無謀だ。

 そんなわけでまずは散歩中によく見かける「ご自由にどうぞ」を真剣に物色したが、サックスの出物は見当たらない(泣)。

 

 交友範囲がやたら広い近所の飲みトモBさんにも聞いてみた。

「顔が広いのだけが取柄なんですから、知り合いで誰か持ってないですかね」

「う~ん思い当たらないなあ(顔がデカいだけのオマエに言われたくないよ)」

 

 やむなく「サックス無料体験 吉祥寺」でググってみるとありました、ひとつは島村楽器、もうひとつは山野楽器「ヤマハミュージックレッスン」である。

 さっそく2つとも申し込んで試してみることに。

 

 果たして音は出るのか

 レッスン自体楽しいのか

 長いこと続けられそうなのか

 

 体験日が楽しみだ。

 

(井の頭池畔のソメイヨシノは250本 いずれも70歳以上の老木だが若木よりも花が咲くのが早いらしい)