(ソヨゴの実 旨そうだがとても食えたものではない)
この7年間さまざまな庭木、草花を植えてきたが、その中で「これはよかった」というものを紹介したい。
1 ブルーベリー
(ブルーベリーは紅葉も鮮やか)
丈夫で手間いらず、果実はホンの少しでも毎日ヨーグルトにあしらう位の収穫は十分。
ブルーベリーこそ別荘族の庭に植えるべきベスト樹木だろう。
注意すべき点は、
・ 八ヶ岳南麓の場合「ハイブッシュ系」がよい
・ ハイブッシュ系の異なる品種を2株以上植えると実つきがよくなる
(なるべく開花期が重なる品種を選ぶのがコツらしい)
・ 識者によるとブルーベリーは「異種異株寛容度」がとても低いので枝に雑草などが
触れないように注意する
といった位。
成長はゆっくり(写真のものは6年前に綿半のワゴンセールで買ったもの 樹高はまだ1mちょっと)なので、樹高1m程度に育った株を買うのがいいように思える。
2 キウイ
栄養価の高いキウイ。これまた手間いらずで別荘族の強い味方である。
温帯性のキウイは本来寒冷地が苦手だが、草莽の植物学者ゆるふわ博士の綿密な調査によると八ヶ岳南麓では標高1050mの地でもスクスク育っているのが確認されている。
注意点は雄木と雌木をセットで植えること。この事実を知らなかった私の知人は5年ほど実ができなかった。
なお言わずもがなだが、一夫一婦制ではないので雄1本に複数の雌で構わない。
(幹から主枝を1本だけ残してここから毎年魚の骨のように新枝を出させるのがコツ)
3 サンショウ
毎年6月のちりめん山椒作りが我が家の年中行事となっている。出来立てをほんの少しでも差し上げるとどなたも大層喜んでくれる。
こいつもほったらかしで育つ強い子だ。しかも巨木になることもないから剪定の手間もないという優等生である。
注意すべき点はただひとつ、雄木と雌木があること。「ウチのは実がつかない」と嘆いている方は間違いなく雄木を植えていらっしゃるのである。
そこいら辺の雑木林にはこれでもかとばかりサンショウが自生しているが、引っこ抜いてきて移植すると何故か雄木が多い。おそらく実がなっている雌木のサンショウは誰かが目ざとく見つけてすぐに持って行ってしまうのだろう。移植する場合は20センチ程度の幼木を4本ほど持ってくれば1本位は雌木が混じるはず。
ちなみに我が家の隅っこには土地購入前から自生していた雌木があり、毎年たくさんの実がつくが周囲に雄木はない。おそらく雌木だけ植えておけばどこからともなく花粉が飛んできて実ができるようだ。
なお、「朝倉山椒」という雄雌同体の品種は1本だけでも結実するのでこれを植えておくのも無駄がない。我が家にも綿半で買ったのが朝倉山椒が一本あるが、ヤマサンショウ(この辺に自生するやつ)もこいつも実に関しては全く同じである。
4 ソヨゴ
八ヶ岳南麓は冬になるととたんに緑が少なくなる。目に入る緑はアカマツやコニファー類といった針葉樹ばかり。
そんな中で我が家に貴重な緑を提供してくれる広葉樹がソヨゴである。
(満6年で樹高は2m程度)
常緑といえば我が家のクレマチスも常緑らしい。そういう種類があるのかどうか定かではないが、これはこれでありがたい存在である。
(白い花が咲くやつが常緑)
5 バラ(赤)
我が家では白い花と黄色の花が多い。自然界には赤い花はほとんど存在しないというから当然といえば蓋し当然である。
そんな中貴重なのが赤いバラ。初夏から秋にかけて長いこと楽しませてくれる。
(ポンポネッラ 八ヶ岳南麓のバラは赤かオレンジがよい)
巷間「バラの手入れは大変」というが、それは手間をかければかけただけ美しくなる、という意味だろう。病気や害虫だけ時々チェックすればご覧のとおりそこそこには咲いてくれる。
6 ジュンベリーとエゴノキ
7年前に家を建てた時シンボルツリーとして敷地の入り口付近にハナミズキ、玄関脇にジュンベリー、家の西側にエゴノキを植えた。
このうちハナミズキは成長も遅く、東京で見るのとは違ってなんとなく貧相である。都会の街路樹なんかで見られるような一本立ちにすると余計ショボい。
ジュンベリーとエゴノキは株立ちで今ではどちらも樹高4mを超えている。
不思議なことにジュンベリーの実にはシジュウカラやカワラヒワ(かどうか分からないが黄色いヤツ)が群れていてエゴノキの方にはヤマガラが集っている。
どちらもシンボルツリーとして申し分ないが、この辺りでの珍しさという点ではエゴノキが上かもしれない。
番外 植え場所に要注意の木
まずはブットレア。7年前に「ペンションブロッサム」の株を分けていただいたものだが樹高は今や4mを超え、枝もどんどん張ってくる。
いただいた際にご主人から「大きくなるから植え場所をよく考えて」と言われたのだが、当時はまさかここまで大きくなるとは夢にも思わなかった。
この辺のスケールの齟齬は「八ヶ岳南麓あるある」で、
「〇〇はこの辺ですか」
「ああ、すぐそこだよ」
なんていうので歩いてみたら1時間、というのと同じようなものだろう。
(雲をつかんばかりのブットレア 今年はアゲハ蝶が少なかった)
レンギョウとヤマブキも要注意である。
とにかく成長が早い。うっかりしているとそこいら中が黄色の花でおおわれてしまう。
(土留めにと思ってご近所からいただいて挿し木をしたのが運の尽き 左がヤマブキ、中央がレンギョウ)
この7年間、センリョウ、マンリョウ(どちらも新築祝いでいただいた)、イチジク(ノルドランド)、ユーカリ、アカシアなど幾多の樹木が八ヶ岳南麓の土となった。失われた草花に関しては枚挙にいとまがないほどである。
そんな犠牲のうえに出来上がった我が家の庭。失われた生命に改めて感謝したい。
(八ヶ岳南麓の庭にカエデとドウダンツツジは欠かせない そこいら辺の雑木林から引っこ抜いてきたものが立派に成長した)