会社を定年退職してもうすぐ4年経つ。
さすがに4年も経つと会社関係の飲みは減っていく一方で、中でも後輩(かつての同僚や部下だった方々)との飲みは会社の方針で緊急事態宣言中の外部との飲みが一切禁止となったこともあって、ほぼ壊滅した。もっとも彼らと私の間に特別な縁があるわけでもなく、ただ会社時代からN極とS極がひかれあうかのように酒好き同士がくっついていただけだから、コロナ禍がなくても少しずつ関係は薄れていったに違いない。
そんな心の(酒の?)空白を埋めるかのような存在が囲碁トモとブログ友である。
同じようなジャンルのブログを見て、共感したり気になったりしてふとコメントを出す
そんなコメントに返信が来る
いつしかメッセージのやりとりが始まる
そんなふうにして突如として誕生するブログ友。
遠隔地にお住まいのブログ友とはメッセージのやりとりに終始するだけだが、偶々先方も八ヶ岳南麓にお住まいだったりすると、「じゃあ一度会いましょう」なんていう話になって、飲んだり食ったりが始まるわけだ。
ブログ友のよいところは「お互いを支配する関係性が皆無である」という点だろう。
お互いに貸し借りもなければ上下関係もない。カネを払う方(客)と頂戴する方(業者)の関係でもないから、余計な気を遣ったりストレスになったりすることがない。
さらに言えばブログ友はお互いの性格をじっくりと観察したうえでリアルな交流が始まるわけだから、
「実際会ってみたらどこか得体が知れない」なんていう不安もない。その点例えば囲碁トモの場合は囲碁を目的としたつきあいだから、飲んでみると意外な側面に触れてびっくり、なんてことも稀にある。
そんなブログ友のお一人Aさんと久しぶりに神田司町「あい川」で飲むことになった。
ここは4年前にAさんと初めてお目にかかった思い出の店である。
店にはAさんが一足先に着いていて、いつに変わらぬハンサムで優し気な表情で私を迎えてくださった(←本人がこのブログをご覧になる可能性があるのでヨイショしている)。
ビールでまずは乾杯。つきだしはマグロの皮のポン酢。
(フグ皮と違ってこれは好き好きだろう)
大将が毎朝豊洲まで仕入れにいく魚のお造りが出たあたりで日本酒に切り替える。Aさんも酒ならなんでもイケる口なので、酒飲みの相方としては恰好である。
(右上から 本マグロ、スズキ(これ旨かった)、タコ、北寄貝)
(特別純米「利他」(豊島酒造) 豊島酒造はもともと内神田の蔵元 現在同地にはオフィスのみが
あって醸造所は埼玉県に移転している由)
聞けばAさん、外飲みはなんと1年ぶりだという。どこの会社もその辺はやかましいようだ。
そうとあってはこのまま帰すわけにはいくまい。さて、どこに行こうかな、と考えているとAさんの眼が
妖しく光った。
「フフフ。よさげな店、チェックしておきました。もう一軒どうですか」
もとより私に異存のあるわけがない。
Aさんの案内で二人はくんずほぐれつ神田のディープな一画へ。
(いったいどこにあるのだろう これがこの日の最後の写真)
考えてみれば4年前までは見ず知らずの二人がこうやって肩を並べて酒を飲んでいる。
ありがたや、ブログのごリヤク。
ありがたや、ブログ友。
どうかよいお年を。