(紺碧の空を切り裂く羽田金沢線の飛行機雲)
八ヶ岳南麓に暮らす人たちは皆さんやさしい。つい先日も見知らぬ方にフキノトウをたくさん頂いたばかりである(その時の記事は → ここ )。
旧市民、新住民問わず皆さんやさしいから、
「てっ、この辺の人は生まれつきやさしいじゃんね」なんてことはない。高齢者が多いせいもあるだろうが、高齢者比率は杉並区と大差ないからそれだけが理由ではない。
(散歩で見かけた風景 ツルニチニチソウの「ご自由にどうぞ」
「何個でも持ってってください」の貼り紙の脇には持ち帰り用のレジ袋まで置いてある)
人がやさしくなれるのはここ八ヶ岳南麓が「三過」、すなわち「過密」、「過労」、「過当競争」から解放されているせいではないか、そう思って調べてみた。
(杉並区の昼間人口は50万人ちょっと 北杜市はこの人口に別荘滞在者(総数不明)を生活者として
加える必要がある)
例えば図書館。
金田一春彦図書館を訪れた方は誰しも東京の図書館との違いにオッたまげるはずだ。
いつでも静かで、日経新聞の取り合いなんかも起こらない。しかも借り手の参考になるようにと、蔵書の裏表紙には帯の書評をわざわざ貼り付けてあるという細やかさ(都会との図書館比較の記事は → ここ )。
それもむべなるかな、こちらでは図書館当たり人口が杉並区のわずか7分の1なのである。
自動車教習所も同じことがいえる。こちらの単位人口も杉並の7分の1に過ぎないから、囲碁トモのAさんが「東京では考えられないほど優しく扱われた」のもAさんの人徳によるものではない(少しはあるかもしれない)。
一方私がお世話になったケータイショップの場合、意外なことに北杜市も杉並区も店舗あたり人口に大差はない。想像だがこちらではヤヤこしいクレームをつけるお客さんが圧倒的に少ないから(たぶん私位だろう)、待ち時間も短いし、スタッフの方もストレスが少ないのであろう。
ちょっと意外だったのが歯科医である。
おそるべきことに杉並区内にはなんと442もの歯科医が乱立していて、医院あたり人口は北杜市の半分に過ぎない。これほどの過当競争では歯科医の倒産が多いというのも不思議ではない(よい歯科医の見分け方の記事は → ここ )。
「氏より育ち」という。
豊かな自然に囲まれて、「過密」といえば「ひまわり市場」の特製メンチの行列位という環境にいれば
人は生来のやさしさを発揮できるのである。
2014年の春にここ八ヶ岳南麓に土地を買った時のB社長との会話を思い出した。
「ゆるふわさん、いつこっちに住むの」
「定年後だから2018年頃ですかね」
「ええ~、もっと早くこうし。こっちの人、み~んなやさしいよ」