定年退職直後は積年の悪弊で日曜の午後になるとなんとなく気分が落ち込んだものだが(「サザエさん症候群」より早く発症するのが当時の自慢であった)、今ではすっきりと「毎日が土曜日」となった。
38年間の中毒症状から解放されるには3か月程度は必要だったのだろう。会社生活の毒おそるべし、ニコチン中毒以上覚せい剤中毒未満、というところだろうか。
私は本当は働くのがイヤ、それをあの手この手でごまかし、ごまかし過ごしてきたのである。
私が勤めていた会社の社長は米屋のせがれで、生い立ちがそうさせたのであろう、朝から晩まで働いて土日も働くことを苦にしない人だった。どだいサラリーマンのせがれとはモノが違う。
(何がイヤってこれが一番イヤだった 現役の皆様、毎日ご苦労様です!)
3.カネはどうなる
働くのが好きか嫌いか、観念論の前にカネがなければ働かねばならない。
あと22か月、厚生年金の報酬比例部分の受給が始まるまではわずかな会社の年金とお宝保険の
年金(どういうものかは → ここ)、株の配当で暮らすことになる。
おそらく破綻するだろうと思っていた家計だが、意外にしぶとい。会社に行かなくなったことで、劇的に出費が減っているのである。
・ 日経新聞と夕刊フジ(毎日320円 だったっけ?)
・ 週刊新潮と文春(毎週800円?)
・ ファリーヌキムラヤのパンまたはゆで太郎で朝メシ(毎日400円前後 お世話になったゆで太郎の記
事は → ここ)
・ タリーズ、スリーエフのコーヒー4杯(毎日600円前後)
・ 昼メシ(時々見栄はっておごったりすることもあり)
といった日々の出費に加えて酒、つきあいゴルフもあり、なんだかんだで月10万円近かった支出が定年後に消滅したわけである。
我が家は幸い教育費も住宅ローンもない。夫婦ともカネのかかる趣味もないし、旅行もしない。
家内と月に一度か二度ちょっとぜいたくな昼メシを食ったり、東京で時々飲む程度では家計を揺るがす心配はなさそうである。
今のところ株にも亡父のささやかな遺産にも手をつけずにすんでいる。このままなんとか持ちこたえて、2020年に予定しているスバルフォレスター購入の資金にできれば幸いである。
つまり、
カネは月々入ってくる分だけ使っているのであれば破綻することはない
という自明のことで、それ以上クヨクヨ心配しても仕方がない。とはいえこれは私がサラリーマンだったのでエラそうに言えるのかもしれない。
4.酒とのつきあい
定年モノのどなたの著作だったか、
「年金生活で酒などもってのほか。どうしても飲みたいというなら時々焼酎を飲めばよい」とのくだりが
あった。
私はさっそくこの訓えを実践し、アルコールを焼酎に切り替えてみたが、およそ1か月も経たずに辞めてしまった。よく考えてみると一般的な印象と違って焼酎は決して安い酒ではないし、嗜好品なのだから「〇五郎」のメガボトルをグビグビ飲んでも幸せにならない。
(アルコール1ml当たりの単価(ほろよい指数)はウイスキーが優れている)
そんなわけで、晩酌は紙パックの赤ワイングラス大盛2杯がデフォルトとなっている。
銘柄は八ヶ岳ならJマート、杉並ではOKストアに置いてある外国ワインだ。
知人が「赤道を越えてきたワイン(チリ、オーストラリア)は飲まない方がよい」、というのでカリフォルニア産か欧州産のワインを飲むようにしている。
それだけで足りない時は(ほぼ100%足りない)ホワイトホースかバランタインの一番安いやつをロックかハイボールで飲んでいる。
これはJマートでもOKでもすこぶる安い。それからお刺身なんかの時は「真澄」の一升パックをときどき。
30日間ほぼ毎日飲んで(外で飲んだ時以外はすべて飲む)、晩酌代は月に1万円ちょっとというところだろうか。量を減らしてあと3000円程度は浮かせることもできようが、頻度を減らしたり好みに合わない酒に切り替えたりするつもりは毛頭ない。酒は降圧剤じゃないんだから、ジェネリックで、というものではないでしょう。
酒と床屋をケチるのは最後の手段、酒好きの方はなんとか他の手段で節約していただきたい。
豊かでもなく貧しくもなく、
楽しいこともなく苦しいこともなく、
南洋の島からころがり落ちたヤシの実が
ぷか~り、ぷか~りと潮任せ、波任せ
どこぞの島に流れ着いて芽をだすもよし
いつまでもぷか~りぷかりと漂って水漬く屍となるもよし
ゆる~く、ふんわり行けばよい
定年生活3か月は、そんなところです。
(どこからきて、どこへ行くのかなあ 「旅人」様のブログから拝借)