FX1つづき
●SONYのハイビジョンカメラHDR-FX1のマイクの話のつづきです。
小さなハンディカムに内蔵されたマイクよりはるかに大きくて立派なマイクを搭載してるFX1だが、
さぞかしまともな音が録れるのだろうと風音よけのウインドジャーマーまで作ったりしたまではよかったが、この一見しっかりしてるように見えるFX1のマイクの音質は非常に良くないものだった。
ソニー
SONY HDR-FX1 デジタルHDビデオカメラレコーダー
前につきでた一見立派そうなマイクだが・・・。最高の画質に対してこの音声はないよ・・・。
どんなふうに良くないかというと、飛行機に乗っていて気圧の変化で耳がおかしくなった経験を持っている方もいるかとおもうが、たとえて言えばそんな感じなのだ。
あるいは耳に水が入った時の感じと言ってもいいだろうか。
はたしてこれはこういう音のカメラなのか、私のカメラがたまたま壊れているのか、それとも私の耳が悪いのか。
同じのを2台持ってるわけではないので確認のしようがなかったのだが、
FX1はこれまでのDVカメラと違いハイビジョン収録時(DV方式での記録も選択できる)は圧縮音声を採用しているので、数字の上ではDV方式のカメラに劣ることはわかっていても、耳で聞いてそれほど違いを感じるような音質なのか。
もし圧縮音声のせいなのであれば、DV方式で録れば音質は変わるはずだし、別売の外部マイクをつないでも似たような傾向の音になるのではないかと思うのだが、DV方式で録っても傾向はあまりかわらないし、外部マイクをつけるとあまりにも別ものの音にかわってしまう。
それは、DVカメラに同じ外部マイクをつけた時の比ではなかったのだ。
逆に言えば、この内蔵マイクの音質がいやなら回避する手段もあるということなのだが。
- オーディオテクニカ
- audio-technica マイク [AT-822]
- 今時の小さいDVカメラには大きすぎるが、FX1にならOKなのがこのAT-822。
- ビデオカメラの外付けマイクとしては最高の部類。
- ソニー
- SONY ECM-S959C マイク
- このマイクもビデオカメラに取り付けられるものとしてはなかなかのものだ。
- ただし、やっぱり大きいので使えるカメラは限られてしまうと思うが・・・。
- こういったマイクを付けるとFX1はあまりにも別ものの音声に変わる。
その後、SONYからはより小型のハイビジョンカメラ「HDR-HC1」が登場し、同じような傾向の音声なのかと思って録り比べたところ、内蔵マイク同志ではずっと安くて小型のHC1のほうがはるかにましな音がするのである。
それどころか、さらに安くて小さいDVカメラやマイクロエムブイカメラの音声にも負けているのだ。とにかく聞き取りにくくて耳がイライラしてくるような音で、これはいったいどうしたことか。
- ソニー
- SONY デジタルHDビデオカメラレコーダー HDR-HC1-B
- ブラックとシルバーのボディ色があるHC1。
- 本体に埋め込まれた内蔵マイク(レンズの後の網状の部分)だが、FX1よりはるかにマシな音が録れる。
- 価格はFX1の半分以下ながら、ハイビジョンで撮れるかなりの実力機。
- ソニー
- SONY DCR-VX2100
- こちらはDV方式のカメラ。
- 今時としてはワイド画面で撮るには非力となってしまったカメラだが、内蔵マイクの音質はこのカメラの方がはるかにまともであった。
ブチ切れたという言葉が適切かどうかわからないが、ついにFX1を修理にだしてしまった。
案の定「他の同型機と比較しましたが問題ありませんでした」ということでなにもいじられず返ってきた。
説明によると、
「FX1はノイズが少ないのでダイナミックレンジを広くとってある、小さい音を大きくしたり、大きすぎる音をおさえこんだりする必要がないのでこのようなマイクの設定になっている、だからあまり大きな声で話してない人の声などは、従来のビデオカメラよりも小さく聞こえるかもしれないので、音が小さくて聞き取れないことを指摘しているのではないか」
とのことであったが、ここで言っているのはそんなことではない。
高級オーディオ機器で聞き比べろなんて次元の話でもなく、ヘッドフォンなどで聞き比べれば誰の耳にも明らかに良くない音であることはわかるほどの音質なのだ。
SONYというメーカーはオーディオなどの音響機器もつくっているし、マイクなども多種類つくっているが、そういうメーカーのビデオカメラの音質がこんなでいいのかと思えてしまう。
オーディオ機器をつくってないキャノンのビデオカメラ「DM-XL2」などは、外部マイクに負けないいい音している。いったいどうなっとるんだ。
なんだかんだ言ってSONYが好きな私。だからこそ、
納得いかねえなあ・・・。
キャノンのレンズ交換ができるDV方式ビデオカメラ「DM-XL2」。
一眼レフのレンズが使えるすぐれものだ。
画質だけでなく、音質もなかなかのカメラなのだ。
ビデオカメラというと、多くの人は映像(画質)のほうにばかり目がいってしまうのか、音声については語られることが少ないが、音声が録れるというのは写真とビデオが決定的に違う部分のひとつなので、これをおざなりにするわけにはいくまい。
しかもひと昔前のカメラと違って高音質で録れるようになったのだからなおさらである。
結局すでに販売されてしまったものに対して後から改善しようという動きはなかなか起こらないし、そもそもこの音質は間違ってないという言い分なのだから(HC1の音を聞けばFX1はおかしいというのはすぐに分かるのだが・・・)、私はついに内臓マイクの使用をあきらめた。
少し重くなるし電源の入れ忘れにも気を使わないといけないが、外部マイクを付けっぱなしで使うことにしたのだ。
この音質を除けばほんとにすごいカメラなので、カメラ自体の使用をあきらめるわけにはいかないので、こうして対処するしかあるまい。
全国のHDR-FX1のユーザーさん、このマイクの音質気になんないのかなぁ・・・。
ヘッドフォンジャックにヘッドフォン挿して聞いてみてよ。
次は「業務用ビデオカメラ」のマイクの話につづく・・・。