桜花賞
土曜日の夕刊で日曜の桜花賞を勝つために、朝の5時近くまで検証した。
アパパネで確実という記事が東京スポ-ツの第1面にのっていた。
こんなに真剣に検証したのは、久しぶりである。妻は既に軸馬を決めているようで最初からなかなか自信があるようだ。近所のガソリンスタンドで愛車の洗車をしながらスタンドの待合室で日刊スポ-ツを手にとると、やはり一番人気はアパパネだった。
知っている馬の名前が沢山ならんで新聞の一面をかざっている。ここまで競馬の戦績が妻とともに調子がよかったので、少し調子に乗っていたのかも知れない。
解説者気取りで新聞に目をとおしていた。
私は勝馬投票拳を購入する際に、ひいきの馬がいないかぎり、名前を基準として投票する。
つまり、好きな名前の馬である。それでもピンとこない時は、馬番号で選ぶことにしている。
悪い条件は重なった。新聞を見た時に先ず、ピンともポンとも音はせず、一番人気の馬は変な名前だった。うまぬしさんにはわるいけど。そしてアパパネが強い事も知っていた。
我家には当然のように投票するためのマ-クシ-トが山ほどある。妻が寝た後、少し考えてみることにしたのが大間違いの始まりだった。考えれば考えるほど、詳細にデ-タを検証すればするほど、どんどん、どんどん、訳がわからなくなってきた。
基本私は軸を1頭決めて、そうながしするのだが、軸になってくれる馬が見つからない。素人なのにカッコつけてデ-タ分析とかしたもんだから、軸馬がどんどん増えてゆく。
いつも、買いすぎて妻に怒られるので、ここは一つ流さないで真剣勝負だ!とか思ってしまったのがいけなかった。
軸になってくれる馬が増えてゆくという事は買い目もふえてゆくという事であって、気がつくといつもより増えていた。私の典型的な負けパタ-ンなのです。
それでも、勝ちが続いて調子をこいていた私は、それとは全く気づきません。
「よっしゃあ、これでいただき」とばかりに、資金と相談しながら結局普段より多い買い目になってしまいました。訳の分からない自信がそうさせたのでしょう。朝一番で錦糸町のJRAにゆき馬券を買うと余裕の表情で愛車を走らせ、晴れ渡った春の日差しを浴びながら、家に帰りました。
刻一刻と勝負の時間が迫り、妻と二人でドキドキと待ち、その時はやってきました。
グレ-ドⅠのファンファ-レがながれ、各馬一斉にスタ-ト、聞きなれた解説者の人の最後の実況でした。
いや-な感じの予感は見事に的中。そして完膚なきまでにコテンパンに負けました。
妻は不思議とそれほどは怒りませんでした。
「なんだよ!」と一言文句を言うとすっと立ちあがり、夕食の準備を始めました。
物凄く悔しかったあ。自分にあきれて悔しかったあ、もう競馬はやめた。
浅草
昨日は妻ととても険悪な雰囲気の中で浅草に向かいました。
何故にそうなったかはわかりません。
無言で車を運転し、無言で妻は助手席にすわり、窓の外は天気もいいし、楽しそうな人ばかり、人力車にのった花嫁もいました。駐車場に車をとめ雷門がから参道を通り、浅草寺に参ってきました。それからウロウロとしていたのですが、まあ、喧嘩のようになっている二人なので会話がありません。私が前を歩き妻は三歩下がって私の後ろを歩きます。喧嘩になったときだけはそうなるんです。まあ、言ってみれば間合いのようなもんですな。妻にとっては。要はくっつきたくないわけですよ。はたから見ると、「まあ、今時、旦那様の後ろを三歩さがって歩くなんて、いいわねえ。」とか勝手に思われていると思うんです。
それは全然誤解で、離れて歩きたいだけなんですよ。
そしてたまに後ろを振り向くと、妻は何も言わずに50メ-タ-くらい後ろの店を見ていたりして、私の視線に気がつくと「きっ!」とこちらを一瞥し、のそのそと猫みたいに私の目を遠くから見つめながら、歩いてくるんですな。
「はあ~」と思いながらも妻を待ち、そして歩き始めます。しばらくの間、それを繰返していると、浅草公会堂という建物の横に来ていて妻が一言、「トイレにいって来るからこれ持ってて。」と鞄を私にあずけます。
これがその日に交わした3回目くらいの言葉だったはずです。
まあ、そんなこんなで時間は経過してゆき徐々に二人は通常モ-ドになり始めました。
お寺の横に伝法院通りという、小粋な小道があるんですが、突然妻が「おなかすかない?」と話しかけてきました。私はその時ダイエット3日目で何も口にしていません。水意外は。
私はだって3日間は何も食わないっていったでしょ。」というと「ホントに食べないの!せっかく浅草に来たのに。」と強い視線で私を見ます。
「ほら、ここ美味しそうだから」といって妻はラ-メンやを見つけました。外見はどうという事のないラ-メン屋でしたので、一瞬迷いましたが綺麗な藍色をしたデッカイ暖簾につられて店の人にワンタンメンと漬けメンを注文し、外のテ-ブルで待つことしばし、最初に運ばれてきたのは、ワンタンメンでした。おって漬けメンが運ばれてきますと、待ってましたとばかりに妻と一緒に通りを眺めながら、口に運びました。
一口ス-プを飲んだ妻が、「美味しい!!」といったものですから、ほんとかよとばかりに私にすすめてくれる妻のワンタンメンを食べたんです。
「ものすごくうまい!!」と思いました。んじゃ、次はつけメンってな具合で、食してみますとこれがまた物凄く美味い訳なんです。
妻に「食ってみ」といってさしだしますと、一口食べた妻も「美味しい!」と一言。
それから二人の中はなんとなくいい感じに戻り始めまして、いってみれば腹が減っていたんですな。考えてみると私のダイエットに妻も付き合わされてしまっている訳でいますから、朝からその美味いラ-メンを午後4時に食うまで何も食っていなかったんですよ。そりゃ、人間腹が減れば殺気だつものですし、しょうがないといえばしょうがないんです。ほんの2杯のラ-メンが急速に二人を通常モ-ドに戻してくれました。
ま、要は私が言いたかったのは何かと申しますと、ラ-メンがとにかく美味いという事です。私本来が大のラ-メン好きでして沢山食いましたが、といっても量ではなく、種類をですね、そのラ-メンが大外一気とばかりにトップに踊り出ました。
妻に言うと「あんた、おとといから何もくってないからでしょ。」と一蹴。
いやいや、そんな事はありません。機会があったら、行って見て下さい。
一応住所と連絡先は書いておきますが、浅草は入り組んでいますので、わからなかったら誰かに聞くとかして見て下さい。
浅草1-39-9電話3845-0514です。絶対にいたずら電話とかしないで下さいね。私が迷惑しますから。
店の名前は「ら麺亭」と申します。それでは、お後がよろしいようで。