僕は毎週木曜日に太極拳を教えています。
生徒さんは下は5歳から82歳までの方、50名ぐらいですね。
僕が教えている太極拳は皆様がイメージしているような、ゆっくりで踊りのような太極拳と言われているものとまったく正反対の物です。
イメージしやすい太極拳は楊式太極拳二十四式というやつでして中国政府が複雑な太極拳をもっと馴染み深くするために伝統楊式太極拳から編集したものになります。
僕が教えているのは最も古く、武術性が高く、緩急も激しく、そして難しい陳式太極拳というやつです。
さらに陳式太極拳には大きく3つの流派があり、老架式・新架式・忽雷架式があります。
僕が中国の師匠から習ったのは新架式というやつです。
名前に新があるので新しく感じますが実はとっても古い歴史のある伝統の型になります。
陳 発科という太極拳の達人が作ったと言われている型です。
さらに新架式には一路・ニ路があり一路は83式、83の複雑な動作でできています。
本日は区のご好意もあり、老人デイサービスセンターで演舞会があり伝統武術太極拳の部でご指名を頂き演舞してきました。
演舞するのは僕の生徒30人です。ただし木曜の日中ということもあり選んだ30名はほぼ主婦さんで決まりました。
演舞で選んだ方の中には医学では完治不能と言われ一念発起して太極拳を選んで来た人や、下半身マヒで太極拳を練習してマヒが段々と回復してきた方々とほとんど病気を治したいということで太極拳に辿り着いてきた方達です。
そして演舞が始まりました。
そうです・・・見事に型がバラバラです(=⌒▽⌒=)
ですが
僕は自分の生徒に感動してしまいました。
それは、バラバラでも生徒はまったく慌てなかったのです。
慌てるどころか周りに意識もいかずただただ・・・型を演じてました。
各自一人一人がです。
みんな成長したなぁーと思いました。
太極拳はこの世話しない世の中で少しでも自分の空間を持てることを提供します。
型を練習してるときは無心になり、全てを忘れ、その世界は自分だけのもの。
空間に陰陽完全である太極を腕・手・身体・足を動かし太極図をデザインするのも太極拳です。
演舞が終わったあと生徒の数人は僕に
「型バラバラで皆合わなかったみたいです。すいませんでした。」
と謝ってきました。
僕は微笑みだけを答えにしました。