気象庁の発表で今回の噴火は「マグマ水蒸気爆発」とのことでした.
ブルカノ式噴火とはどちらも,短時間のマグマを伴う噴火ということで見た目の区別が難しいのですが,そのように判断された根拠は,「火山灰の解析によりマグマの破片が少量含まれていた」からということです.
これを少し解説しないといけません.
ポイントは,マグマの破片が「少し含まれていた」というよりは「少ししか含まれていなかった」ということです.
目視の状況により火山学者の多く(?)は,マグマそのものが吹き飛ぶ噴火と想像しました.
この場合,火山灰粒子の大部分は,新鮮な(鋭利な)形態を保持するガラス質粒子になります.
しかし公開された写真を見ると,新鮮なガラス質粒子が含まれているものの,大部分が不透明な岩片,つまりもともとの地表や山体の岩石を吹き飛ばしたものでした.中でも熱水変質した粒子が多く見られます.
これらのことから,マグマと水分が接触し,マグマの破片を少し含みながら山体が破裂した「マグマ水蒸気爆発」と判断されたようです.
火山灰解析は産総研の協力によって気象庁が発表したものです.
迅速に解析できた意義は大きいです.つまり,マグマそのものがまだ地下に取り残されている可能性が高く,栓が開いたことでこれらが上昇しやすくなったいることが推定され,今後も大きな噴火の可能性があることを示唆しています.
住民の皆さんの負担は相当なものですが,活動が長期的になる可能性もあります.今後の観測データに注目する必要があります.
なお最初の爆発の後に白色噴煙がしばらく出続けていましたが,これを指して「連続的噴火」というのは多大な誤解を招きます.今回の噴火は「単発の爆発」と呼んだ方がいいでしょう.