このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」7巻に対する感想を書いています。

こちらは後編その3です。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 7巻 後編その2」をお読みください。

ネタバレ注意です。

 

 

春が訪れようとしている頃、玉葉妃の妊娠は確かなものになりました。

夜の営みは遠慮してもらっているため、現帝の通いが少なくなるかと思いきや、変わらず玉葉妃の元を訪れ、他愛のない話に花を咲かせています。

ヤレないなら他の女のところへ…とはならない現帝に好感を覚えるわ~。

 

そんなある日、マオマオは壬氏から、青い薔薇を探してほしいと頼まれます。

青い薔薇が存在しないことを知っているマオマオは、できないと伝えますが、話を聞いてみると、どうやら壬氏に青い薔薇を愛でようと提案したのは、あの変人軍師のようです。

そう聞いたマオマオは、変人軍師の挑発に気付き、その挑戦を受けて立つことにしました。

披露の場は来月の園遊会。しかし、薔薇の咲く時期は2か月以上先…

しかも、青い色の花をつける薔薇の品種は存在しません。

一体どうやって探し出すつもりなのでしょうか?

 

まずマオマオは、水晶宮にあるサウナの近くに小屋を建ててもらいます。

このサウナは、毒に侵された梨花妃(リファひ)の身体から、毒の排出を促すために、以前マオマオが作らせたものです。

「薬屋のひとりごと 2巻 前編」参照。)

 

サウナの蒸気が小屋の中にも流れ込むように作ってもらい、その中に、早咲きの品種の薔薇の苗をいくつも運び込みます。

あとはせっせと世話をし、暖かい空気に触れさせ、薔薇が春の訪れを感じて通常より早めに咲いてくれれば…。

 

何日も籠り、必死に薔薇の世話をするマオマオ。

一体何をしているのか、興味を惹かれた水晶宮の侍女たちが様子を伺ってきます。

邪魔をされてはかなわん、と、侍女たちの気を逸らすために、手伝いに来ていた小蘭(シャオラン)の爪に、赤くマニュキュアを施してあげたマオマオ。

珍しい爪紅に侍女たちの気は見事に逸れ、マオマオの監視のことはすっかり忘れて、後宮内には爪紅ブームが。

 

そのブームの間もせっせと薔薇の世話を続けるマオマオ。

ようやくつぼみを咲かせることに成功しました!

しかし咲いているのは白い薔薇…。

どうやって青い薔薇にするのかと思いきや、青い色水を薔薇に吸わせ、数日かけて花びらを青くしていきます。

そうして出来上がったのが、見事な青い薔薇です!

 

壬氏の手によって園遊会で披露されたそれは、人々の視線を集めます。

その視線の中に含まれる感情は様々。

 

(本当に青い薔薇か?!)

(まさか)

(あんな奴にできるわけがない)

 

いくら美しくとも、若い宦官がでしゃばるのをよく思わない官たちもいます。

そんな官たちの視線には目もくれず、涼しい顔の壬氏。

 

あからさまに態度に出してくる者たちはむしろ扱いやすい。

一番厄介なのは、何を考えているか分からない者です。

子昌(シショウ)…ーーー楼蘭妃の実父であり、先帝の母親である女帝から寵愛を受け、今もなお現帝が頭の上がらない男。

 

(読めない)

(だからこそこちらも 一人の若い宦官として笑みを絶やさない)

 

何を考えているのか分からないけれど、要注意人物ってことかな?

政治の世界も大変ね。

 

園遊会には、変人軍師・羅漢(ラカン)の姿もありました。

しかし、マオマオが参加していないことが分かって残念そう。

 

様々な思惑をはらんだまま、園遊会は無事に終了。

マオマオはお疲れ様!!

 

園遊会を終えた羅漢。

美味しい懐石料理も、酒も、管弦の音色も美しい妃たちも、まったく興味が湧かなかったようで、疲れた足取りで戻ります。

 

昔から興味のないものには何の感慨もないそう。

さらには、多くの人間の顔が識別できず、碁石のように見えているんだとか。

軍部の顔見知りでも、せいぜい将棋の駒程度。

 

相貌失認ってやつかな?

現代でもいるみたいね。人の顔も自分の顔も識別できない、という人が。

その人たちの目には人の顔がどういう風に見えているのか想像もできないけど、誰の顔も分からないって、生きていくのめちゃくちゃ大変じゃない?

 

幸い(?)羅漢は人の顔が将棋の駒などに見えるようなので、その駒に合った配置を行えば、それで大体の戦は勝てたそうです。

羅漢の将棋の強さと、人の顔が将棋の駒に見えることで、采配を振るうことができたため、現在の地位に就いているというわけですね。

 

人ごみの中、妙にちらつく爪紅に、心を乱されながら歩く羅漢。

そこへ、壬氏と高順を連れたマオマオが現れました。

 

羅漢の目には、壬氏と高順も将棋の駒に見えていますが、マオマオの顔だけははっきりと映っています。

 

わぁ…マオマオのことは識別できるんだ…。

 

立ち止まる羅漢に、将棋での勝負を挑むマオマオ。

 

相手は負け知らずの天才(変人)軍師、羅漢ですが、どういうつもりなのでしょか?

まさかマオマオは、羅漢よりも将棋が強いのか…?

 

5回勝負で3勝した方が勝ち。ハンデはなし。

羅漢が勝てば、マオマオは正式に娘として羅漢の元へ。

マオマオが勝てば、羅漢が緑青館の妓女を一人身請けすること、という賭けの内容。

 

ハンデもなし…?どうするのかとハラハラ壬氏が見ています。

そりゃそうだ。マオマオが負ければ、マオマオを手放さなければなりません。

しかも今度は変人軍師の元へ。取り返すことは難しいでしょう。

 

そんな壬氏の心配をよそに、マオマオはルールを二つ、付け加えました。

5つの器に注がれた液体。

その中の3つに何かの粉を入れていきます。

そして、どの器に粉を入れたか分からなくなるようにシャッフル。

 

入れたものは、少しならば薬に、しかし、3つも飲めば猛毒になるものだという。

 

勝負に負けるごとに、敗者が一杯飲みます。

もし三連続で負けて、3杯飲むことになった場合…その3つが全て薬入りだった場合…猛毒になる、ということだそう。

 

なんじゃその勝負は!!

 

薬は、一口飲めば、味が違うのは分かるものだとか。

そしてどんな理由があろうとも、試合を放棄したら負けです。

 

その条件でいざ、試合開始!

一体どんなアツイ戦いが繰り広げられるのか?!?!

 

…と思いきや、マオマオあっさり2連敗で崖っぷちです。

薬入りかもしれない飲み物を美味しそうに2杯とも飲み干しました。

 

心配で胃がキリキリしているであろう壬氏が見るに、マオマオの将棋の腕は初心者レベル。ルールを知っている程度で実戦経験はなさそうとのこと。

そんな状態で軍師に勝負を…?

 

先に飲んだ2杯が薬入りだっとして、次ももし薬入りだったら…

毒に強いマオマオだったとしても、危ないのでは?

 

戦況を見守る壬氏の耳に、「王手です」というマオマオの声が届きます。

3試合目はどうやら羅漢がわざと負けたよう。

そうだよね、娘が猛毒を飲む可能性があるもんね。

 

3杯で猛毒になる薬なら、マオマオも羅漢も2杯ずつ飲む分には問題ありません。

そして羅漢の飲んだうち、1つでも味が違えば、マオマオに毒が及ぶことはない。

そのためにも、わざと負けてみせた羅漢、抜け目のない男です。

 

羅漢が飲む様を、ドキドキしながら見守る壬氏。

 

「…しょっぱいな」

 

しょっぱい。つまり、薬の入ったもの。

 

3杯ある薬入りのうちの1つを羅漢が飲みました。

つまり、マオマオが猛毒を飲む可能性はなくなったということ。

 

マオマオに勝ち目がないことを悟った壬氏は焦ります。

 

(次は一体どんな手をつかって取り戻せば…!?)

 

「それに」

「あつい」

 

どたっ

 

突然倒れる羅漢。

えっ・・・?

 

「1つでは問題ない薬なのだろう?!」

「いくら憎くても本当に毒を盛るなんてことは!」

 

と取り乱す壬氏ですが、マオマオはいたって冷静です。

 

「壬氏様 酔っているだけのようです」

 

「は?」

 

高順からの報告に間抜けな声が出る壬氏。

 

「下戸なんですよ この人」

 

マオマオは言います。

 

どうやら器の中の液体は強いお酒。

そして粉は吸収をよくするための砂糖と塩。

つまり、下戸である羅漢が1杯でも飲めば、つぶれてマオマオの勝ち。という仕掛けだったそうです。

 

勝負に勝ったマオマオ。壬氏は一安心だね。

 

さて、賭けの通り羅漢には、緑青館の妓女をひとり身請けしてもらいましょう。

いったい誰を選ぶのでしょうか?

 

続きは「薬屋のひとりごと 8巻 前編」へ!

 

詳しい内容が気になった方は、ぜひとも漫画「薬屋のひとりごと」読んでね!