このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」8巻に対する感想を書いています。
こちらは前編になります。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 7巻 後編その3」をお読みください。
ネタバレ注意です。
前回、自身の愛娘・猫猫(マオマオ)との勝負に負け、酒を飲んでぶっ倒れた羅漢(ラカン)。
そんな羅漢の回想から始まります。
物心つく頃から人の顔が認識できなかった羅漢。
そんな羅漢に呆れた父親は愛人の元へ通い、母親はそんな父を取り戻すことに必死になっていた。
そんなわけで、名家の長子でありながら、碁と将棋にのめりこみ、奔放に育ったそうです。
「顔ではなく声や素振り 体格で人を覚えるんだよ」
「何かに当てはめてもいいね」
「お前なら将棋かな」
唯一の理解者だった叔父のお陰で、次第に人間の顔が駒に見えるようになり、成長してからは、家柄のお陰でいきなり長を任された羅漢。
自分自身に戦う才能がなくても、人を駒に見立ててゲームを指揮すれば、面白いほど勝つことができました。
そうして仕事でも遊びでも無敗が続く中、付き合いで行った妓楼で、ある1人の妓女に、初めて碁で負けたのです。それも、圧倒的に。
その妓女こそが、鳳仙(フォンシェン)。
後のマオマオの母親です。
ひたすらに将棋と碁を繰り返す逢瀬が何年か続き、次第に人気の妓女となった鳳仙に、羅漢は3か月に1度会うのがやっとになりました。
ある日、鳳仙の身請け話があがります。
値段は吊り上がり、異母弟に後継を奪われた当時の羅漢では、とうてい太刀打ちできないほどの額になっていました。
そんな中、いつも通り羅漢と勝負をする鳳仙。
「たまには賭けをしませんか?」
と、珍しい提案をします。
負けた方が勝った方の好きなものを与えるという内容。
そして碁に集中したいから、と禿を外へやった鳳仙。
勝負を始める二人でしたが、お互い言葉もないまま手が重なりそして…ーーー
その後、鳳仙の身請けは破談となりました。
うーーん。前にマオマオの話していた感じだと、妓女の価値を下げるために無理やり孕ませた…みたいに思えたけど、(「薬屋のひとりごと 6巻 前編」参照。)この感じだと鳳仙も同意の上って感じだね?
お互いに想い合っていたのかしらね。
その後、タイミング悪く失脚した叔父の影響で、遠くの仕事を命じられてしまった羅漢。
半年ほどで戻ると妓楼に文を送ったものの、結局3年もの間、戻ることはできませんでした。
戻って自室に溜まっていた文を見ると、その中に赤黒いシミのついた巾着がありました。
開けるとそこには、女性のものと思われる指と、小さな赤子の指の先が…。
事態を把握した羅漢は急いで緑青館まで馬を走らせます。
そこにあったのは、変わり果て、ボロボロになった緑青館と、羅漢をののしるやり手婆の姿でした。
身請け話を最悪の形で破談にした鳳仙は、夜鷹のように客をとり続け、信用が落ちた緑青館は倒産寸前の状態になっていました。
もう二度と、鳳仙に会うことはできない。そうなったのは他でもない自分のせいだと、嘆き、悔やみ、涙を流す羅漢。
父親から家督を奪い、異母弟を排斥し、甥っ子を養子に引き入れて、自身の体制を整え、せめて鳳仙が産んだであろう我が子を迎えに、何度も緑青館の門を叩く羅漢。
しかしそのたびにやり手婆から殴られ追い出されます。
いつものごとく、やり手婆に殴られ、ボロボロになりながらしゃがみこんでいる羅漢の前を、一人の子どもが通り過ぎました。
その女の子の顔は、碁石でも将棋の駒でもなく、人間の顔として認識できた羅漢。
その子の手を見ると、小指の先が歪んでいます。
瞬時に我が子だと分かった羅漢。震える手を幼いマオマオに伸ばします。
(痛感した)
(もう嫌なのだ 駒に囲まれただけの生活は)
(残った娘と 共にいたい)
(ただ それだけが 願いだった)
おやおやぁ~~~~??
ずいぶんと羅漢に対する印象が変わってまいりました!!
遊び半分で人気の妓女を孕ませた最低の変人だと思っていたけれど、運命の悪戯か、タイミング悪く引き離されてしまっただけの、純愛ストーリーなのでは?!?!
自分のせいで鳳仙を永遠に失ってしまったのだと知った時の悲痛な表情。
せめて子どもだけでも引き取りたい、と、必死に頭を下げ、やり手婆からの攻撃に耐え続ける羅漢…
切ないほどに伝わってくるよ、羅漢の想いが。
羅漢の印象がガラッと変わったところで、今回はここまで。
次回、羅漢は誰を身請けするんでしょうねぇ~。
まさかの白鈴(パイリン)だったら笑う。李白(リハク)泣いちゃう。
てか羅漢は誰にも興味ないんだろうから、いっそ白鈴を身請けして、そのまま李白に下賜とかどうよ?
いや、あの男気溢れる李白がそんなので納得するわけないよね~。
続きは「薬屋のひとりごと 8巻 中編」へ!