このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」6巻に対する感想を書いています。
こちらは後編その1となります。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 6巻 中編」をお読みください。
ネタバレ注意です。
ある日の壬氏の執務室。
主である壬氏は、半月に一度、定期的に回ってくる仕事のため不在。
壬氏の侍女である水蓮(スイレン)と共に仕事をこなしていくマオマオ。
午後になると、医局へのおつかいを頼まれました。
薬が大好きなマオマオは、大喜びで向かいます。
後宮にあった医局と違い、外廷の医官は優秀なようです。
頼まれた薬を調合してもらっている間、医局に広がる薬のかおりを胸いっぱいに吸い込みご満悦のマオマオ。次第にうずうずしだします。
(できれば医局の中をあさりたい)
(隣の部屋にある薬棚をじっくり観察したい)
(いや 駄目だこらえろ)
欲望と理性のはざまで悶えているマオマオの背後から声がかかります。
「何やってるの?」
声を掛けてきたのは見覚えのある官女。
以前、壬氏付きの下女になったマオマオを取り囲んでいた、官女たちの中の一人です。(「薬屋のひとりごと 5巻 前編」参照。)
その時は、ほかの官女たちの後ろで何も言わず、ただマオマオを観察するような目でじっと見ていた、独特の雰囲気のある官女。
医官が呼んでいたところから、彼女の名前が翆苓(スイレイ)だと言うことが分かりました。
詰所の常備薬をもらいにきたようです。
少し前に軍部の近くでマオマオがすれ違った際に、彼女から薬草の匂いがしていたようですが、常備薬などを取り扱うからだったのでしょうか?
今回もマオマオをじと…っと見つめてきますが、何も言わず、薬をもらうとすぐさま去っていきました。
彼女に気があったのか、薬を渡した医官は、すぐに去ってしまった翆苓の後姿を見つめながらため息をつき、
「…ああ、本来なら官女なんてやらなくてもいいのに…」
とひとりごとをこぼします。
が、すぐにマオマオがそこに居たことを思い出し、慌てて仕事に戻る医官。
マオマオも、意味深な言葉だな…とは思いつつ、深く首を突っ込むことはしません。
首を突っ込むと、(突っ込まなくても)すぐさまややこしい事態に巻き込まれるマオマオ、賢明な判断です。
無事に薬を受け取って、また仕事場に戻ります。
数日後、医局に行くことに味をしめたマオマオは、水蓮に医局に行く用事はないか尋ねます。
残念ながらそう簡単にはいかず…。しかし、ごみ捨てついでに医局の前を通るのはOKだと言われます。
通るだけで寄ることもできないのは、むしろマオマオにとっては拷問…。
泣く泣く医局の前を通り過ぎたところで、厩の後ろに生姜が生えているのを発見しました。
厩の近くで栄養があったとはいえ、こんなところに生姜が自然に生えるとは考えにくい…と思いながら厩の先のほうを見ると、そこには小高い丘が。
そして丘の上には薬草畑が広がっていました。
何故こんなところに薬草畑が?!と疑問に思う間もなく、当然マオマオは大興奮。
目を輝かせて薬草たちを見ていると…
「何やってるの?」
後ろから声をかけられました。
びくつきながら振り向くと、またしてもそこに居たのは翆苓。
勝手に入って怒られる!と思い、
「安心してください まだ何も採ってません」
と両手を挙げるマオマオ。
「つまり今から採るところだと?」
言いながら鎌をじゃきっと構える翆苓。
まずい!刈られる…!
と思いきや、マオマオを咎めることなく、隣で雑草を抜き始めました。
「非公式な場所だし 別に咎めようとは思わないわ」
ここは、翆苓が好きなものを植えさせてもらっている場所なのだそう。
薬草が好きなのか、と問いかけるマオマオには答えてくれませんが、翆苓はマオマオが薬師だと知っていたようです。
手慣れた様子で雑草を抜いていく翆苓に、マオマオはまた尋ねます。
「何を植えるのですか?」
すると、翆苓から今度は答えが返ってきました。
「蘇りの薬」
「それはっ! な …なんですか?!」
興奮して聞くマオマオですが、翆苓は冗談だと笑い、それ以上は答えてくれません。
そして、
「もう少し先の話だけど ここに朝顔を植えるわ」
そう言い残して去っていきました。
不思議な官女、翆苓。
彼女はいったい何を考え、何を作りたくてこの畑の管理をしているのでしょうか。
そして彼女が言う「蘇りの薬」とは一体どんなものなのか…。
謎が深まってきたところで今回はここまで。
続きは「薬屋のひとりごと 6巻 後編その2」で。