このブログは、漫画「薬屋のひとりごと」6巻に対する感想を書いています。

こちらは中編になります。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 6巻 前編」をお読みください。

ネタバレ注意です。

 

 

少し更新に期間が開いてしまいました…。

またゆるゆると更新していきます。

 

さっそく続きへ。

 

花街に1泊里帰り中のマオマオ。

嫌な夢を見て飛び起きます。

過去にあったとされる出来事の夢だったよう。

 

寝具の上。まだ幼い赤ちゃんが女に押さえつけられている。

その女の手にはナイフのようなもの。

そして女は赤ちゃんの手を押さえたまま、そのナイフを振りかざしーーーー…

 

わお。なんともバイオレンスな夢だね。

実際に過去にあった出来事ってことは、あの赤ちゃんは…女は…?

 

明かされないまま物語は進みます。

 

目が覚めたマオマオは、おやじどのに頼まれて、緑青館まで薬を届けに向かいます。

 

華々しい緑青館を奥へ進むと、客の立ち入れないエリアへ。

そこにはひっそりと建つ離れがありました。

 

離れの中には、病気を患い、鼻のもげた一人の妓女が横たわっていました。

言葉も忘れてしまったのか、マオマオが挨拶をしても声をかけても微動だにしません。

その妓女の口に、マオマオは薬を流し込みます。

おやじどののよく効く薬ですが、すでに梅毒に侵されてしまった体には、気休め程度の効果しかないようです。

本来ならば、使い物にならなくなった妓女は捨てられるそうですが、この妓女は梅毒に侵されて以来、客の目の届かぬ離れに置かれ続けているそう。

 

これは…特別待遇よね?

なぜこの妓女だけが、病気にかかっても捨てられずに隔離されているのでしょうか?

 

「莫迦な女」

 

そう呟くマオマオの表情は何とも言えず切なげです。

 

離れの換気をしたり、お香を焚いたりしていると、禿が伝言を伝えに来ました。

 

「こっちに来ないほうがいいって」

「変な眼鏡の人がいるから」

 

その言葉でマオマオの頭に浮かぶ人物。

緑青館の顧客であり、古い馴染みで、できることなら会いたくない男。

しつこくマオマオを身請けしたがっているようです。

 

変な眼鏡の人…って聞き覚えのある単語だね。

私の頭にも一人の変人軍師の顔が思い浮かぶわよ。

 

そんな「変な眼鏡の人」がマオマオの身請けをいつも通り断られて緑青館をあとにし、向かった先は壬氏の執務室。

 

「失礼するよ」

「先日の話の続きをしましょうか?」

 

変な眼鏡の人、羅漢です。

相対するは壬氏。

 

「詳しい者に聞きましたよ。本当にずいぶんとあくどいことをなされたようで」

 

「あくどいとは失礼な。やり手婆を説得するのに十年かかったのに、それを横からかっさらったとんびには言われたくないね」

 

「しかし、『油揚げ』はもう私のものです」

 

この二人の会話から察するに、羅漢は十年前からある妓女を身請けしたく、やり手婆を説得していたが、壬氏が先に身請けしてしまった。

 

壬氏が身請けをした相手なんて、一人しかいません。

そう、マオマオという事ですね。

 

昔と同じ轍は踏みたくないのでいくらでも出す、という羅漢の申し出を断る壬氏。

 

「”貴方様”にそう言われると参りますな」

 

壬氏を”貴方様”呼びする羅漢。

やはり、壬氏はただの宦官ではなく、羅漢よりも立場の高い人物であり、その正体を見抜いていることが分かります。

 

「”娘”が、それをどう思うかなのですけど」

 

…むすめ…ムスメ…MUSUME………

 

娘?!?!?!?!?!

 

そういう事かーーーい!

 

羅漢はその昔、人気の妓女を孕ませて価値を下げた。

そしてその妓女が産んだ子どもがマオマオだった、ということね。

 

「娘に そのうち会いに行くと伝えていただけますか?」

 

そう言い残して去っていく羅漢。

 

数時間後、マオマオは里帰りを終えて戻って来てました。

壬氏はそんなマオマオに、しぶしぶ羅漢の言葉を伝えます。

 

「会いたがっている官がいる」

「名を羅漢という」

 

羅漢の名前を聞いた瞬間、これまでに見たこともないような憎悪の表情を見せるマオマオ。

 

その表情に驚き、どうにか断っておくと伝えると、マオマオはお礼を言って去っていきます。

 

これまでに嫌そうな顔や、なめくじでも見るかのような表情を向けられたことは何度もある壬氏ですが、今回の表情とは比べ物になりません。

 

さすがの壬氏も、「できればもう見たくないな」と深いため息をつくほど。

 

それほどまでに、マオマオにとって羅漢は憎悪の対象なのでしょう。

 

そらそうだよね。

自分にとっての母親を孕ませ、妓女としての価値をなくして…。

そうやって価値のなくなった妓女がどんな目に遭ったのか。

子どもを産んだ妓女の行く末が、決して明るいものではなかったことは想像に難くありません。

母親をそんな目に遭わせた元凶である男を、どんな思いでマオマオは…。

 

なんだか胸が痛くなります。

 

ってかそもそも羅漢はどういうつもりでマオマオを身請けしようとしてるわけ?!

変人の考えることは分からん。

 

と、今回はここまで。

 

続きは「薬屋のひとりごと 6巻 後編その1」へ!