ケーキ屋リオちゃん 女はオンナ ㊦ 『今後』がちょっと怖いと思ったのはワタシだけ? | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

  

 

 

 

  「ビッチッ!!」

 

 

  背中合わせで働いていた「後ろ」から、低く、でもしっかり&ハッキリと、そう吐き捨てた声がした。

 

 

  私の方が驚いて振り向いたのだが「ジョー」は黙々と手を動かしていたので私も何も言わず、黙って仕事を続けた。

 

 

 

 

  いや、頭の中はフル回転。

 

 

 

  と言うか、「だよね~!」

 

 

 

 

  「ギャル」は本当に『いつも通り』……と言うよりも、「無意識」と言うか

 

  「自分の欲望のまま」

 

  …行動しているダケ、というのは判る。

 

 

 

  ただ、「無意識」とは言わば「本性」であり、特にそれが

 

 

  『周囲にどういう印象を与えるか』

 

  …という所に気が回らないヒト、なのだろう。

 

 

 

  ここで

 

  でも、周りに気ばかり使うってのもオカシイんじゃない?

 

  …という意見も出て来ると思うけれども、それは違う。

 

 

 

  と言うよりも、私が常々思うのは

 

  『気兼ね』と『気配り』は違う

 

  もっと言えば

 

 

  『気兼ね』は疲れるが、

 

  『気配り』は幾らしても疲れない

 

 

 

  …というのが私個人の持論。

 

  『気兼ね』しない

 

   というのが実は

 

  『自分の思い通り』にすること

 

   …で「しか」なくて、その内容は傍若無人、タダの

 

  『気配り』しない・出来ないヒト

 

  …でしかない、というのは『あるある』だと私は思う。

 

  (初めて来た家の棚を勝手に開けて、

 

  「なんだ、コノ家、チョコレート無いのっ⁉」

 

  …とノタまうのが「気兼ねしないこと」だとは私は思わない)

 

 

  もとい。

 

 

  それでも私が「ジョー」が凄いと思えたのは、「ギャル」がやって来て何か話す時も(一見)『いつも通り』だったことだ。

 

 

 

  唯一

 

  「気が立っているのかもな…」

 

  …と感じたのは、懲りない(と言うよりも「覚え切っていない」?🤣)「ギャル」が、私に絡んで来た時のこと。

 

 

 

  過去に書いているように「ギャル」はいわゆる

 

 

  「別に、アンタの仕事じゃないでしょ?」

 

 

  …ということに一方的に口を出して来る。

 

 

 

 

  それも「ジョー」や他の人達みたいに「さり気ない補助」というか、こちらも自然に

 

  「あ、ありがとう!」

 

  …と言いたくなるようなことではない。

 

 

 

  突然、本当に突然、

 

  「コレはどうなってんのっ⁉

 

   アレはどうなのっ⁉?」

 

  …と言って来たり、別に急ぎでもないこと……「副材料」の補充など……を、自分ダケやるなら未だしも、いきなり私の横にやって来て入れ物に手を伸ばしてやり出したり(=私の仕事が中断される)、なんてことをするのだ。

 

 

 

 

  その時は、仕上げたものの「オーブン番」の「ピーター」に

 

  (順番になったら)

  「呼ぶから、ここに置いておいて」

 

  …と言われたものだった。

  (注;『オーブン部屋』にも順番待ち出来る棚はあるのだが、場所に限りがあるので私の場所ならその場に置いておいた方がイイ、という場合が多々ある)

 

 

 

  「リオッ! 

 

  これっ、持っていくわよっ!

 

  イイわねっ⁉」

 

 

 

  そう突然、例に寄って「既に手を掛けた」状態で「ギャル」が言って来た。

 

 

 

  まあそれまでだったらそう言い切らないうちに持って行かれていたから「未だマシ」と言えたのかもしれないが、私は状況を考えて

 

  「……「ピーター」に聞かないと、ねえ…」

 

 …と答えると。

 

 

 

 

  「いいわよっ、持って行ってっ!」

 

  背中を向けたまま、そう言ったのは「ジョー」だった。

 

 

  基本、「ジョー」の言う事は絶対である。

 

  もちろん「ギャル」はそのまま持って行ったし、私も何も言わなかった。

 

  

 

  でも、これも「今思うと」ということなのだけど、多分(特に)その日の「ジョー」は「ギャル」と余り絡みたくなかった……ハッキリ言って

 

  「声も聞きたくない」

 

  …状況だったんじゃないかな……と思う。

 

 

 

 

  と言うのも。

 

  「ギャル」は帰宅する時、「その場」で大きな声を出して挨拶するくらいで、わざわざ他の部屋を回って来るようなことはない。

 

  と言うか、誰であれ誰かが帰宅時に「挨拶」を叫ぶと

 

  「は~い、バイバ~イ、

 

  (今日は)

   ありがとうね~!」

 

 

 

  …というようなことを皆が返すのが「恒例」なのだけど。

 

 

 

 

  「じゃあね~っ! またね~っ!!」

 

  …そういう感じで『オーブン部屋』から大声で叫んだ「ギャル」に対して、皆が上記のようなことを返していた時。

  (注;私は「同室」でなかったのを良いことに黙っていた🤣)

 

 

 

  上記のような「いつもの挨拶」を返した直後の「ジョー」がまた、「思わず想いが溢れた」

   

 

  「ふん、思った通りに役には立たなかったけどね…

 

   ナニよ、アンタなんて……

 

   (以下、ちょっと過激なので省略😅)

 

   ……ビッチッ!」

 

 

  ……ブツブツ、でも結構ハッキリと(だって、私が聞きとれたんだからね~?)言っていた。

 

  普段の「ジョー」からは全く想像がつかない「イヤミ満載」の言葉だった。

 

 

 

  それだけ「不愉快の度合い」が強かったんだろうな……と思う。

 

 

  因みに「ジョー」と「エド」には中学生の息子が居るが、いつもとても仲が良い。

 

  それもコノ国の男女に多い「ベタベタ」ではなく、傍目から観ても

 

  「さりげなく、仲の良さが判る」

 

  …という感じ(少なくとも、私はそう見ている)

 

 

 

 

  「モト」のように私自身が既に冷めている相手であろうと、私の場合は子供絡みで……

 

  「子供を放って」「子供の目の前で」

 

   …そういう態度するワケ?……となってイラッと来る事ばかりだったのだから、「ジョー」の気持ちは如何ばかりか?

 

 

 

  「ギャル」が消えた後の「ジョー」はまさに「いつも通り」ではあったけれども、彼女の中に「簡単には消せないマグマ」が発生したのは確実だったろう。

 

 

  「ギャル」は彼女の『地雷』を踏んだな、と思った私だった。