……そうか、この「バアちゃん」は『読唇術』に頼っているんだ……!
いや、そりゃ~ね、「ネイティブ」を相手にしているなら別にソレでエエかもしれないよ?
でも私、ハッキリ言って発音には絶対的に自信が無い(👈自分で言う!)んだよね?
『読唇術』ナンかに頼ったら、逆に混乱させてしまうんじゃないか???
誰か別の人に替わってくれ~っ!!!
…と叫びたい気分だったが、それこそ
「そのヒトしか居なかった」
…ということだろうから、ね。
とにかく。
「奈落の底」から階段を上るつもりで私は「資料」を彼女に差し出し、それを指差しながら再び説明を始めた。
「…ですからね、
政府がこういう発表をした訳ですけど、
私は伝統的なスタイルの
『パスポートへのスタンプ』だけで
『BRPカード』も持っていない訳ですよ。
で、その場合は
『BRPカード』を取得しなくても
一気に『eVisa』の方に切り替えられる、
という話も聞いたんですよね。
どちらにせよ、
そういうものは個々人で
必要とする資料も違うでしょうから、
私は自分がどういうものを用意したら良いか
『詳しく』知りたい訳で……」
ところが「バアちゃん」は差し出した資料……どう見ても「複数枚」をホチキスで止めたもの……の一枚目のタイトルをちょっと指でなぞっただけで、私が
「それ、3枚あるんですよ?」
…と言ってもめくる気配が一切無いまま最初に言った言葉は
「で? アナタのビザはイツ切れるの~?」
……Σ(・ω・ノ)ノ……!
はあっ!???
私を出稼ぎの季節労働者とでも思ったか???
余りに「予想外」で驚いて一瞬言葉を失ってしまったのだけど
「…いえ、『永住権』ですから…」
…と返すと「バアちゃん」は一層の笑顔になり
「あら~、それじゃ~、
ナニも問題ないじゃな~い!?」
だ~
か~
ら~っ!!!!
何がどうであれ、今のビザシステム全てが『eVisa』に替わるんだよ、と言っているじゃないのっ!!!
タイトル読んだだけで判らんのかっ!!
英語で書いているんだよっ!!!
そんな「簡単なこと」を目の前の(「ビザ」なんてモノに生涯一切関わって来ていなかっただろう)天真爛漫?バアちゃんに理解させるにはどうしたら良いんだろう??
……当然、私は頭を抱えたのでありました……!